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ニュースリリース

【衆本会議】浅野哲議員が新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案に対して質問

 国民民主党の浅野哲議員(衆議院議員/茨城5区)は29日、国民民主党・無所属クラブを代表し、新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案に対する質疑に立ちました。

質疑を振り返った浅野議員からの動画が届きました。

質疑の全文は以下の通り。

新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律案に関する質問

 私たち国民民主党は昨年12月、万全の補償と罰則をセットにした特措法改正案を提出しました。万全の補償を前提に一定の統制力をもたせ、短期集中型で感染を抑え込む方が、国民の健康リスクや経済へのダメージを最小化でき、結果的に財政支出も少なくて済むと考えたからです。

 また、私たちの案では、国民の皆さまに行動制限や罰則を科すのはあくまでも緊急事態宣言下に限り、非宣言下では権利の制限を極力行わない方針でした。新型コロナ対策は国民の理解と協力がなければ成立しません。制度全体が出来る限り簡素であることが望ましいと考えたからです。

(まん延防止等重点措置の創設について)

 一方、今回の政府提出法案では「まん延防止等重点措置」を新設することによって、制度全体が複雑化し、分かりづらくなりました。「まん延防止等重点措置」は、「緊急事態措置」同様に事業活動の制限に関する勧告・命令および罰則規定が含まれます。理屈の上では、対象地域や対象者のいずれも同様な範囲を指定する事が可能です。つまり、これら2つの措置は効能的には極めて高い同一性があるということです。

 西村大臣にお伺いします。「まん延防止等重点措置」で実施しようとしていることは、そもそも「緊急事態措置」でも実施可能ではありませんか。国民の協力を得やすいシンプルな制度とするべきです。「まん延防止等重点措置」でやろうとしている事を「緊急事態措置」の制度を活用して実施できない理由があればお答えください。

 1月26日の予算委員会で西村大臣は「特定の地域や特定の業種に絞れば私権の制約の程度は相当低い」と発言しました。(…だから国会への報告は不要である)という意図での発言だと理解しています。しかし対象者が少数であっても私権制限であることに違いありません。対象者が少ないからと言って、国民の代表たる国会の理解なく、私権制限を正当化することなどあってはなりません。
「まん延防止等重点措置」について国会の関与が不要であるとした根拠について、法制上の観点もふまえ明確にご説明ください。併せて、国会へ報告を行うよう再考を求めます。

 条文中には「正当な理由」なく命令に従わなかった場合に罰則の対象となるという記載があります。この「正当な理由」の要件は何ですか。今後、具体的な指針を定める予定はありますか。例えば、既存のガイドラインに沿ったコロナ対策を実施した上で、生活を守るため、従業員を守るため、会社を守るため等の理由で営業することは「正当な理由」に当たりますか。明確にお答えください。

(事業者への支援について)

 西村大臣は先日の予算委員会の中で「休業要請は事業活動に内在する制約」であることを理由に、損失補償の対象とはならない旨を答弁されました。一方で、現在、新型コロナウイルスが長期にわたり拡大を続ける状況の下、事業者の皆さんは大変厳しい経営環境に置かれています。ですが、政府は事務作業の負担を理由に一律給付に拘っています。政府には、国民の立場により一層寄り添う姿勢を見せていただきたい。

 本法案の第63条の2では、事業者に対する支援等の規定が新たに設けられていますが、「事業者を支援するために必要な財政上の措置その他の必要な措置」の内容の妥当性は、どの様に確保されるのでしょうか。また「効果的に講ずる」とは、具体的に何に対する効果を意図しているのですか。

 また、事業者への支援について総理に質問します。この条文の趣旨に照らした場合、現在、検討されている一時金などの一律給付制度の内容は妥当と言えますか。私は、国民民主党がこれまで提案してきた「事業者が受けた影響に応じた措置の内容」とする方が、条文の趣旨に合っていると思います。影響度に応じた支援の是非についても、総理の見解を伺います。

(感染症法および検疫法について)

 入院拒否に対する刑事罰については、人に居場所を強制する制度に関する過去の最高裁判例(※)に照らしても違憲となる可能性が高いという憲法学者からの指摘があります。また、入院しなかったことで感染が拡大したという証拠も明らかになっていません。本件に関する立法事実および合憲性についてご説明下さい。

 併せて、自宅やホテルでの療養拒否に対する入院命令を可能とする点については、強く再考を求めます。自宅等で入院調整中の方の死亡がこれだけ問題になっている中、病床ひっ迫状況を悪化させる本末転倒の施策です。むしろ、端的に療養命令を可能とする改正の方が現実的ではないですか。また、その前段階として、療養者の病状把握等を強化するなど協力へのインセンティブを高める努力をすべきだと思いますが、田村大臣の見解を伺います。

(最後に)

 最後に菅総理に質問します。コロナ禍を乗り越えるには、政府と国民が危機意識を共有し、協力しなければなりません。その前提となるのは国民の政府に対する信頼と共感です。トップリーダーの強い決意と国民へのメッセージが不可欠です。現在、緊急事態宣言の期間延長も検討されていると伺っていますが、延長する場合には議院運営委員会に出席し、総理ご自身の言葉で、国会と国民に対して、総理のお考えを発信していただきたいと思いますが如何でしょうか。

※最高裁平成29年12月18日第三小法廷決定

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