国民民主党 つくろう、新しい答え。

ニュースリリース

国民民主党 代表定例会見(2021年2月18日)

【冒頭発言概要】

 まず、我々国民民主党が2019年から求めてきた孤独担当大臣ですが、「孤独・孤立担当大臣」という形で坂本大臣が担うことになり、歓迎したいと思います。ただ事態は深刻で、特に子どもの自殺が1980年以降最多になっています。非常に深刻です。坂本大臣を中心に、省庁横断で取り組んで頂きたいと思います。言い出しっぺの政党として我々も最大限協力したいと考えています。コロナで因果関係の分析は必要ですが、ステイホームの影響で、社会的な連帯が薄くなって生じている問題であることは間違いありません。100日プランのスタートダッシュが大事だと思っています。いずれにしても、担当大臣が創設されたことは非常によかったです。

 領海警備法ですが、前原代表代行が質問に立ち、重要な答弁があったと思います。2月1日から施行された中国の海警法は、国連海洋法条約に違反する可能性があると総理大臣が認めました。海洋法条約では、軍艦には無害通行権が認められているが、そのことさえ認められていないのは国際法違反です。政府としても毅然とした態度で対応してほしいと、前原代表代行からも要請をしました。昨日、新たな法的枠組みが必要だろうと前原議員が提案しましたが、2019年に国民民主が単独提出した領域警備法をそのまま出すか、バージョンアップしたものを提出するか、党内で早急にとりまとめたいです。いずれにしても領域警備法、他党によびかけながら提出をはかっていきます。

 「人権外交と経済安全保障に関する研究会」を、政調のもとにつくります。日本版マグニツキー法(人権侵害制裁法)の制定に向けた、党内取り組みを加速します。ウイグルにある強制労働で製造される部品がサプライチェーンに組み込まれていないか。人権デューデリジェンスが果たされないと国際的な日本の評価がさがってしまいます。ガイドラインの策定についても取り組みたいです。今朝、難民保護法の改正案を、伊藤議員、舟山議員を中心に共同提出しましたが、特に日本は政治難民が課題だったので、難民認定基準を明確化したいです。大事なのは、政治犯・政治亡命だといわれる人たちを生じさせている、人権侵害的なことをする行為を、そもそも生じないようにしていくこととセットで対応することが大事なので、研究会で総合的に推進したい。

 もうひとつは日本版PPP。事業規模に応じた支援策がない。2月15日で持続化給付金と家賃支援給付金がなくなりました。新しい制度ができましたが、まだ申請できていません。支援策の空白が生じています。緊急事態宣言も発令されたままで、多くの企業が困っています。ほぼ法案骨子がまとまったので、提出したいです。ポイントは3つ。ひとつは事業規模をどうはかるかですが、人件費は雇用調整助成金があるので、家賃と従業員数かける何万円と、事業規模に応じた額を算出できるような基準をつくって支援額を決定することができます。もうひとつは、国が万全な財政措置をすること。緊急事態に基づいた措置だと10割、まん延防止等重点措置は8割を国が補償しますが、いずれにしても国が財政的に面倒を見るということを法律上明確化することが必要です。3つ目は、不正受給を防ぐ観点から、民間の金融機関等の審査能力を借りて、連携しながら速やかな給付を実現し、あとで国が銀行に払う。PPPも民間の力を借りる仕組みになっています。

 学校の先生、保育士、といった子どもと接する職業に就きながら性犯罪を犯した人は、二度と教壇に立てないような法制度をつくりたい。子どもを相手にする職業に就く人は、教師だけでなく業種横断的に性犯罪例がないことを確認できる仕組みをまとめています。最近も子どもへのわいせつ行為が増えています。絶対にあってはならない。それを防ぐ法的枠組みもある程度まとまってきました。ほかの党にも呼びかけて提出成立を果たしたいと思います。

 デジタルに関して。COCOAについては、きのう平井さんがiPhoneも不具合があると認めました。後手後手になっていてデジタル庁大丈夫かなと思います。菅政権の目玉政策のDXは、最初からつまづいているのではないかと思いますね。そしてオリパラアプリに73億円。何を作るんでしょうかね。COCOAとの連動、水際対策との有効性を検証しないといけません。ワクチン接種記録のシステムも大丈夫かと思っています。2つやり方を選択できますが、はやくできる方を選択しなければ全体像の把握はできません。依然として縦割りが残るよう感じがしています。予算委員会は衆議院から参議院に移りますが、引き続きデジタルまわりの予算のあり方、特に感染拡大防止の観点から重要なアプリのあり方については注視していきたいと思います。

山尾志桜里議員からの補足

 「人権外交と経済安全保障に関する研究会」の主査の私から説明します。代表の話からありましたように、きょう難民保護法の共同提出をしましたが、私たちとしては単体で取り組むのではなくて、人権外交が強調の流れが加速しているなかで、政府の取り組みとして足りないところを3点補っていこうと思います。1点は政治的な迫害された人々に対する難民認定の基準が不十分だという問題です。根本的な原因を抑止する取り組みがより重要だと思っています。超党派の議連で人権侵害制裁法の骨子が出ています。これに対して国民民主党は方向性を了承しながら、条文が出てきた段階でブラッシュアップしていこうということになっているので、党としても進めていきます。2点目は今後極めて重要で目玉だと思っている、サプライチェーンの透明化です。ご案内のとおり、新疆ウイグルの強制労働を発端として政府調達や民間調達もふくめ、人権デューデリジェンスを加速させるのが国際的な流れです。日本企業は守るべきガイドラインが明確化されていません。守るべきガイドラインがあったとしても、守るための情報共有や調査能力のサポートを必要としているという点があります。国民民主党の研究会では、ガイドラインの策定、また守った企業に認定を与えて消費者行動を変えていく取り組みや、企業が守るようにするための情報・調査能力のサポート体制を、具体的に研究して打ち出し、政府にも参考にして進めてほしいと思っています。3点目は難民保護の観点です。来週水曜日の9時に研究会第一回を予定しています。内容としては企業と人権の行動原則についてと、経産省から人権外交と通商政策のリンクについてどのような準備をしているかヒアリングして現状把握からはじめたいと思います。

(以降は動画を参照)