ニュースリリース
【談話】悪質寄付規制法案等の成立にあたって
2022年12月10日
【談話】悪質寄付規制法案等の成立にあたって
国民民主党政務調査会長
大塚 耕平
本日、旧統一教会問題を受けた、法人等による寄付の不当な勧誘の防止等による法律(以下「新法」という。)及び消費者契約法及び独立行政法人国民生活センター法の一部を改正する法律が成立しました。
今回の法案起草の過程において、国民民主党は、自民党、公明党との3回の実務者協議(11月9日・15日・18日)及び与野党6党幹事長会談(11月18日・24日)を行い、被害者救済の実効性を向上させるための具体的な提案を行ってきました。
特に、国民民主党は、「心理的支配利用に伴う暴利行為による寄付の募集を禁じる規定」及び「家族による損害賠償請求を可能とする民法の特例規定の創設」を当初から提案してきました。それらが新法第3条第1号及び第2号に配慮義務という形で盛り込まれました。また、同条第3号も、国民民主党が参考にすべきとして提案していた公益法人法第17条第3号にある「財産の使途について誤認させる恐れのある行為」をもとに作られました。
さらに、これら新法第3条各号に規定する配慮義務に違反することが、民法第709条に規定する不法行為に当たり、特に、新法第3条第2号の「家族の生活の維持を困難にすることがないように配慮する義務」の違反は、献金者の家族(配偶者・扶養親族)も被害の「当事者として」損害賠償請求を行使し得ることを質疑の中で明らかにしたことは被害者救済の上で大きな意義を果たしたと考えます。
また、新法第3条各号に定める配慮義務に違反して寄付を集めることが、①組織的、②継続的、及び③悪質な形で行われた場合には、宗教法人法第81条第1項に基づく解散命令の対象になりうることも明確になりました。加えて、正体隠しや身分を偽っての伝道は、新法第3条第3号の配慮義務違反になると同時に、宗教法人法第81条第1項第2号に規定する「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為」に当たり解散命令の対象となることも明らかにしました。国民民主党が提案したとおり、宗教法人法と新法との連携を明確にできたことで、悪質な献金規制の実効性を向上させることができると考えます。
このように新法の骨格は、国民民主党が与党との3党協議で提案した考え方を反映したものになっており、公党として一定の役割を果たせたものと思います。依然課題は残っていますが、国民民主党の提案も含めて今できうる限りの現実的な対策を盛り込んだことで、法人等から寄付の勧誘を受ける本人や家族の権利保護や被害者救済が一歩前進したと判断し賛成しました。
法施行後2年を目途とした見直しの際には、広く心理的支配を作出及び利用することを禁ずる規定を刑法に定めることも視野に入れ、その際には、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律と関連づけることも併せて検討することを求めるべく、昨日、国民民主党の議員立法を提出しました。
今後も国民民主党は、政策先導型の改革中道政党として、様々な課題に対して現実的な解決策を提示し、解決に導くべく、「対決より解決」で臨んでまいります。
なお、国民民主党が実務者協議の過程で指摘・提案した18項目に関する政府案における対応に関して、逐条的な質疑を参議院本会議で行っておりますので、議事録でご確認ください。
以上