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ニュースリリース

「心理的支配利用の被害救済及び防止に関する考え方 」を発表

心理的支配利用の被害救済及び防止に関する考え方 

令和4年11月9日
国民民主党

1.心理的支配利用による被害防止・救済法のあり方 

(1)悪質な寄付等の募集に関する禁止行為を定めた新法の制定

① 寄付の募集に関する禁止行為を定めた公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号。以下「公益法人法」という。)第17条各号と同様な規定に加え、「心理的支配利用に伴う暴利行為」(※)による寄付等の募集を禁じる規定を「心理的支配利用被害防止・救済法」(仮称)として創設。

② 違反した者に対し、是正勧告の上で改善命令を発し、従わない場合に罰則を課す。

【※暴利行為の条文イメージ】

(案1)国民民主党が刑法に規定する方向で議員立法を検討している条文「人が偽計若しくは威力その他の不当な方法により他人の心理的な支配の下に置かれていることに乗じ、又は人を偽計若しくは威力その他の不当な方法により自己若しくは第三者の心理的な支配下に置いて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させる行為」 
(注)相手方に不利益を与える行為が規定されていないことに留意。 

(案2)消費者庁霊感商法等の悪質商法への対策検討会報告書p.6脚注6に参考として掲載された条文 「相手方の困窮、経験の不足、知識の不足その他の相手方が法律行為をするかどうかを合理的に判断することができない事情を利用して、著しく過大な利益を得、又は相手方に著しく過大な不利益を与える行為」(注)不安をあおる行為(作出行為)が規定されていないことに留意。

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)(寄附の募集に関する禁止行為)  

第十七条 公益法人の理事若しくは監事又は代理人、使用人その他の従業者は、寄附の募集に関して、次に掲げる行為をしてはならない。 

一 寄附の勧誘又は要求を受け、寄附をしない旨の意思を表示した者に対し、寄附の勧誘又は要求を継続すること。 

二 粗野若しくは乱暴な言動を交えて、又は迷惑を覚えさせるような方法で、寄附の勧誘又は要求をすること。 

三 寄附をする財産の使途について誤認させるおそれのある行為をすること。

四 前三号に掲げるもののほか、寄附の勧誘若しくは要求を受けた者又は寄附者の利益を不当に害するおそれのある行為をすること。


(2)家族による損害賠償請求を可能とする民法の特例等

① 心理的支配利用を用いた寄付等の募集にあたって家族(配偶者及び扶養親族)に不利益を与えないようにする配慮義務を新法に規定。違反した場合、家族も当事者として民法第709条の不法行為責任により損害賠償請求を提起できる民法の特例を創設する。

② 公益法人法第17条第4号の「寄附の勧誘若しくは要求を受けた者又は寄附者の利益を不当に害するおそれのある行為」と同様の規定を禁止行為に追加するにあたっては、寄附者の家族(配偶者及び扶養親族)の利益を不当に害するおそれのある行為を加える。

③ 損害の立証を容易にするため、損害額の推定規定などの特則を設ける。 

(3)消費者契約法の改正による救済範囲の拡大 

① 心理的支配利用による契約の取消権の範囲の拡大と行使期間の延長。

② 消費者契約法第4条第3項を改正し、困惑類型の取消事由に「心理的支配利用に伴う暴利行為」を追加。

(注)現行法は「不安をあおる」作出行為しか規制されていないことから、「不安につけ込む」利用行為も規制の対象に加える。

2.被害に対する相談体制等の充実・強化  

(1)国民生活センター及び法テラスの機能強化 

◯ 裁判外紛争解決手続(ADR)機能の強化。

◯ 相談業務を行う民間団体への支援機能の創設。

◯ 法テラスの充実・強化。

(2)旧統一教会に対する宗教法人法の適正運用

◯ 関係省庁による情報共有と運用に必要な体制整備。

◯ 宗教法人法第78条2による報告徴収権及び質問権の適正行使と、運用基準策定。 

以 上