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ニュースリリース

【衆本会議】長友しんじ議員が令和8年度予算案に対する反対討論で登壇

 長友慎治衆議院議員(宮崎2区)は13日、国民民主党を代表し、衆議院本会議で議題となった令和8年度予算案に対する反対討論を行った。討論の全文は以下のとおり。

令和8年度本予算に対する反対討論

2026年3月13日
国民民主党・無所属クラブ
長友慎治

 国民民主党の長友慎治です。私は会派を代表し、只今議題となりました令和8年度本予算に「反対」の立場で討論いたします。

「民主主義が完全で賢明であると見せかけることは誰にも出来ない。
実際のところ、民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。
これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。」

イギリスのウィンストン・チャーチル首相が、1947年11月に英国下院で発言したあまりにも有名な言葉です。少数意見も聞いて議論を尽くし、最後は多数決で結論を出す。面倒で時間がかかるかもしれないが、その面倒な手続きにこそ価値がある。再び世界が混沌とする今だからこそ、改めてこの言葉をかみしめたい。
 我が国においても、過去様々な政治状況がありながらも、先人たちは手間を惜しまず、議会制民主主義の発展に向け、丁寧な先例を積み上げてこられました。

 しかし、今回の予算審議はその先人たちの努力を無にしかねない国会運営であったと言わざるを得ません。

 今回の予算案は、昨年の12月18日に自民党の高市早苗総裁と私が党の玉木代表が党首会談を行い、協議をした結果、いわゆる「年収の壁」の引き上げ等で合意し、私たち国民民主党が要求した内容も入った予算になりました。
 しかし、その後、解散総選挙があり、通常よりも約1ヶ月遅れて予算の審議が始まりました。予算委員会が開かれたのが2月27日(金)。そして今日は3月13日(金)。この間、委員会が立ったのは12日。その12日の間に、異例ではありますが計16回、予算委員長の開催で、野党との合意のないまま日程が立てられました。我々野党は日程が立てられれば、審議を拒否することなく、そこに出てできるだけの議論を積み重ねて参りました。
 予算の内容も大事です。しかし、その決め方も民主主義において極めて大切です。衆議院予算委員会で令和8年度予算の質疑が始まった3日目に、与党より理事会で事実上、わずか12日間の審議で3月13日に予算審議を打ち切る日程が示されました。従来の予算審議の手順を無視した日程で、異例中の異例の事態で、予算委員会の野党理事はこの白紙撤回を毎理事会毎に求めてきました。国権の最高機関である国会の機能を守るために、長年の予算審議のなかで築かれた手順に乗っ取った運営として、委員会運営を正常化することを訴え続けました。また、3月4日には国会の正常化及び令和8年度予算の充実審議を求める申し入れを、すべての野党の国会対策委員長が衆議院議長に対し行ったにもかかわらず、ついに最後まで正常化されませんでした。

 議会政治をないがしろにするこれらの事実を、与野党の国会議員がこのまま放置することは将来の議会政治の悪しき前例になるだけでなく、民主政治を破壊する行為であると断ぜざるを得ません。国会は政府の下請け機関ではなく、国民から負託をされた熟議の場。あらためて、国権の最高機関である国会の権能を守るために、長年の予算審議のなかで築かれた慣行やルールを守ることを高市政権に強く求めたいと思います。これまでの先人が積み上げてきた慣例や大切にしてきた議会制民主主義の原則を重ねつつ、段階的かつ微調整を重ねながら丁寧に改革を行っていくことこそが本来の「保守」ではないですか?

 「対決より解決」で、政策実現を目指す私たち国民民主党は、かねてから訴えてきた課税最低限の引き上げ、大胆な設備投資減税を導入するいわゆる「ハイパー償却制度」、自動車税、軽自動車税の環境性能割の廃止などが盛り込まれた本予算案は評価しています。それでも、今回、私たちが予算に反対することを決めたのは、今回の予算に足らざる点がある点も指摘しておかなければなりません。
 高市総理が掲げる「責任ある積極財政」の大きな方針に従って編成された本予算案。中身を見てみると、我が党の玉木代表が代表質問で指摘した通り、プライマリーバランス黒字1.3兆円、国債発行30兆円以下、医療費を高齢化率以下に抑制、補正予算前提ではないという点からすれば、積極財政というよりも「むしろ従来以上に引き締め型の予算ではない」でしょうか。
 また、総理は度々「未来への投資不足」と答弁されてきましたが、なぜ教育や子ども子育て予算が圧倒的に不足しているのでしょうか。文部科学省の予算は、教育無償化による所要額を除けば実質横ばいにとどまっています。保育士人材不足への対応、制度の狭間にある子どもや障がい児への支援、重層的支援体制の整備やひとり親支援など、まだまだできること、やらなければいけないことはたくさんあります。
 社会保障制度についても、薬剤給付のあり方や応能負担について評価する点もありますが、薬価改定、高額療養費に関する点については不十分です。現役世代の負担軽減のため、やはり給付と負担の抜本的な見直しや医療費抑制改革を速やかに行うべきだと考えます。

 また私たちは、1ヶ月予算審議が遅れたので、無理をせず、暫定予算の編成を行ってはどうかということを再三、政府・与党に申し上げてきました。その前提の下であれば、日切れ法案の成立にも協力することもお伝えしています。慎重審議をする、そして国民生活には不利益を及ぼさない。この二つの価値を両立させるためですし、それが可能だからです。しかし、このまま来年度予算を通してしまうと、大きな問題の一つとして憂慮されるのは4月からあがる電気代についての対応が出来ないことです。電気代が上がることを放置するような予算を通すのではなく、暫定予算を組めば、その中に国民生活に不可欠な予算は計上できます。

 あらためて訴えますが、4月1日から今行われている電気代・ガス代を引き下げるための補助金が切れてしまいます。これを延長するための予算を計上すべきです。あるいはガソリン、軽油、重油、航空機燃料に対する補助を継続することには賛成ですが、今残っている2,800億円の基金だとすぐに使い果たします。ガソリン代の補助金は過去の例をみると、月3,400億円使っています。基金だけでは1ヶ月も持ちません。こうしたイラン情勢の緊迫化に対して十分な対応ができていない予算案では、やはり賛成できません。

 イラン情勢やホルムズ海峡の事実上の封鎖等により、石油、電気、ガス等のエネルギー価格の高騰など、国民生活や企業に大きな影響が懸念されます。景気後退とインフレが同時進行するスタグフレーションを防ぐとともに、更なる物価高から国民生活を守るために、即効性のある緊急物価高騰対策を私たちは提案しています。

即効性のある生活コスト低減策、企業支援策として
①3月末で終了する電気(含む高圧、特別高圧)、ガス、灯油、重油、航空機燃料への補助延長
②基金残高(燃料価格激変緩和基金)活用等によるガソリン(160円/Lを超えた分に対して補助)、軽油、石油関連製品(オイル、潤滑油等)、農業用肥料等への補助金導入
③石炭火力発電の更なる活用、安全性が確認された原子力発電所の早期再稼働や国による定期検査の間隔の延長等による電気料金上昇の抑制
④「著しい便乗値上げ」、「恣意的な供給制限」等の監視体制強化
⑤中小企業等への資金繰り支援

を含む対策を行うべきです。私たちは、これからも引き続きこれらの支援策を盛り込んだ暫定予算を求め続けます。政府・与党が掲げる「国民生活に不利益を及ぼさない」ためには、こちらの方がよほど好手であると、あらためて強く訴えます。

最後に、私たち国民民主党の礎を築いていただいた、大塚耕平元参議院議員の言葉を記します。大塚耕平さんは、国民民主党の名前に「国民のための民主党」「国民生活を最優先に考える政党」になるとの想いを込め、「国民の良識と判断力を信じ、正直な政治、偏らない政治、現実的な政治を追求」されてきました。国政に大きな足跡と幾多の功績を残された大塚耕平元参議院議員の遺志を受け継ぎ、私たちは、これまでも、これからも、自分たちのためではなく、徹底した国民のための政治を。正直で、偏らない、現実的な政治を貫いて参ります。

ご清聴ありがとうございました。