ニュースリリース
【衆本会議】浅野哲青年局長が電気事業法等改正案に対する賛成討論
浅野哲青年局長(衆議院議員/茨城5区)は27日、国民民主党を代表し、衆議院本会議で議題となった電気事業法等改正案に対する賛成討論を行った。討論の全文は以下のとおり。
GX脱炭素電源法案に対する賛成討論
令和5年4月27日
国民民主党・無所属
浅野 哲
国民民主党の浅野 哲です。
ただいま議題となりましたGX脱炭素電源法案について賛成の立場から討論いたします。
近年のエネルギーに関する地政学上の変化や、ロシアのウクライナ侵攻、カーボンニュートラルを巡る世界の動向など、我が国のエネルギーを取り巻く環境は大きく変化しました。欧州をはじめとする世界各国が脱ロシア依存やエネルギー安全保障の確保を進める中、我が国でもエネルギー価格が上昇しており、我が国の資源外交の強化や国産エネルギーの増強は、政治が解決すべき喫緊の課題となっています。
また、エネルギーの安定供給なくして、カーボンニュートラル社会の実現はありません。国のエネルギー・電力政策においても、今一度、エネルギー安定供給の確保を最重要事項に位置付けた上で、環境と共生する再エネ電源の最大限導入や次世代革新炉を含む原子力発電の利活用、レジリエントな送配電網および需給調整ネットワークの整備等を進め、カーボンニュートラル時代に対応した現実的なエネルギー供給体制の構築を急ぐことが重要です。
本法案は、再生可能エネルギーの最大限導入にむけた環境整備や事業規律の確保を図るとともに、これまで曖昧なままとなっていた原子力発電の政策上の位置づけを明確化し、利用規制の現代化とバックエンド政策の充実を図る内容であり、国民民主党がめざす現実的なエネルギー供給体制の構築に資するものとして賛成することといたしました。
しかし、我が国のエネルギー供給体制にはまだ対処すべき課題が多くあります。
例えば、再生可能エネルギーの中核を担う太陽光パネルは、世界シェアの7割を中国が保有し、我が国が輸入しているパネルの8割は中国で製造されたものであり、経済安全保障上の観点から対応が必要です。そのため、志を同じくする国々との強固で強靭なサプライチェーン構築、我が国が資源・技術ともに強みをもつペロブスカイト太陽電池やレアアースフリー電池の社会実装にむけた研究開発を果敢に進めるべきと考えます。
また、5月19日からはG7広島サミットが開催されます。我が国が保有している原子力や高効率火力に関するサプライチェーンは、欧州やグローバルサウス諸国のエネルギー安全保障やGXを達成するための政策上の課題解決に貢献できるものです。3月の本会議でも申し上げましたが、岸田総理にはG7サミットの中で我が国のエネルギー産業界の強みをPRし、今後の国際連携や、当該技術・製品を通じた国際貢献の幅をさらに広げられるよう、最大限の努力をしていただくことを重ねて求めます。
最後に、本法案審査の中で改めて明らかとなったのは、今回電気事業法に新設した原子力発電所の運転期間の上限規定について、科学的・技術的根拠ではなく政治的判断に基づいている点です。将来、原子力発電所の運転期間について再び議論が行われる事があっても、客観的な根拠がないのでは議論が深まりません。現代の発電事業者の予見性を確保するとともに、後世の議員が的確な判断ができるよう、経済産業省には運転期間の上限規制に関する科学的・技術的根拠を見出し、運転期間の在り方についてより深みのある規制としていく事を求めて、私の討論を終わります。ご清聴、ありがとうございました。
以上