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ニュースリリース

【衆本会議】鈴木国会対策副委員長が「日米軍駐留経費負担に係る特別協定」について質疑

 鈴木敦国会対策副委員長(衆議院議員/神奈川10区)は1日、国民民主党を代表し、衆議院本会議で議題となった「日米軍駐留経費負担に係る特別協定」への質疑を行った。全文は以下のとおり。

在日米軍駐留経費負担に係る特別協定

令和4年3月1日

国民民主党・無所属クラブ
鈴木 敦

国民民主党の鈴木敦です。私は会派を代表して、ただいま議題となりました在日米軍駐留経費特別協定について質問します。

まず冒頭、ロシア連邦によるウクライナ共和国への侵略に、強く抗議します。力による現状変更の取り組みはこの地球上のどこにおいても決して承認されるものではなく、国際社会の枠組みに正面から対決しようとするものであり、我が国として毅然とした態度で臨まねばなりません。またこうした紛争は、エネルギー価格の上昇を常に伴います。政府におかれては、元売りへの補助金によるガソリン価格の劇的な上昇を緩和するだけでなく、トリガー条項凍結解除による国民生活に直結した対策の検討を、速やかに開始していただくことを望みます。

これを申し上げたうえで以下、特別協定について質問いたします。

まず、冒頭に述べました通り国際社会の緊張感は高まる一方です。このような状況において、我が国を防衛することの意義、さらには我が国を取り巻く環境を注視し対応を講ずることの意味は極めて大きなものになっております。その意味において、在日米軍の駐留に対して我が国が経費負担を行うことの重要性は認識をいたしつつも、必要な額が最適に手当てされているかについては、これを別としてしっかりと確認を致さねばなりません。しかし、今回の改正協定においても、日米での算定基準の違いを理由に米側の費用負担割合が明らかにならないことは誠に残念でなりません。今一度、防衛大臣にこの内訳のご説明をいただきたいと思います。

次に、ウクライナ情勢を踏まえた、米軍の抑止力について伺います。現段階において、米国はウクライナに対して派兵など、直接的な軍事行動を起こしておりません。また西側諸国も同様に、最大の切り札ともいえる、SWIFTからのロシア排除を決定しましたが、依然として経済制裁以外の手段を持ち合わせてはおりません。この際、「侵略したとしても軍事的支援を行う国はない」と判断すれば、この21世紀においても一部の国家は侵略を決断しうることが、あきらかとなったのです。

防衛大臣に伺います。軍事的支援を受けているとはいえ、米国と同盟を結んでおらず駐留もしていないという意味においては、台湾も同様です。これを踏まえて、本協定の前文で新たに「困難を増す安全保障環境に即して、抑止力及び対処力を強化し、防衛協力を深化させる」との文言が追加されていますが、米軍が持つ抑止の意義について、大臣の認識を伺います。

こうした国家の最終目的は、法と基本的価値観を無視し、自らの政治体制を維持、拡大することにあります。自由と民主主義を重んじる我が国は、こうした国家に対して断固とした決意を持って対抗せねばなりません。これまで以上に外交が重要な役割を果たすと考えられますが、外務大臣のご見解を伺います。

最後に、近年よく耳にし、またこの度の本特別協定にも入っている「強靭化」という言葉について、伺います。ウクライナはあの大国ロシアの一方的な侵略に対し、自国は自国で守るとの覚悟のもと、国民一丸となって今も必死に国を守る戦いを続けています。ところが我が国では昨今、国土強靭化、今回の同盟強靭化予算など、いろいろとおっしゃいますけれども、肝心の我が国の防衛力強靭化については、攻撃能力等々についても議論が進まないどころか、議論することをタブー視するような傾向すらあり、防衛についてはまさに他力本願と言わざるを得ません。ウクライナが対抗できているのは、自国を守るとの覚悟を明確にし、自分の国を守る、という考えがしっかりと国民に認識されているからにほかなりません。ウクライナ情勢のみならず我が国周辺の情勢を考えても、我が国の防衛力そのものの強靭化の議論を深めていくべきと考えますが、防衛大臣のご所見を伺います。

以上で、質問を終わります。

防衛とは、自国のみであるか友好国とであるかにかかわらず、武力によってのみ行われるものとは思っておりません。必要なことは現下の異常な国際情勢を踏まえ、どうすれば国民の生命、財産、国土を守ることができるのか。わが国民民主党は真摯に、現実的な観点からこの至上命題に取り組み、もって国民の皆さまの負託に答えんとするものです。ご清聴ありがとうございました。