ニュースリリース
【衆本会議】西岡秀子議員が「令和4年度補正予算案」について質疑
西岡秀子政務調査会長代理(参議院議員/長崎1区)は25日、国民民主党を代表し、衆議院本会議で議題となった「令和4年度補正予算案」に対して質疑を行った。質問の全文は以下の通り。
令和4年度補正予算質疑
令和4年5月25日
国民民主党・無所属クラブ 西岡秀子
ただいま議題となりました「令和4年度補正予算案」について国民民主党・無所属クラブを代表して質問致します。
まず冒頭、ロシアによるウクライナ侵攻の一刻も早い停戦を強く求めると共に、わが国は唯一の戦争被爆国として、いかなる理由があっても核兵器を使用する事は絶対にあってはならないというメッセージをワンボイスで、ロシアに向けて訴え続ける、国際社会における重要な役割があります。岸田総理の引き続きのリーダーシップを持ったお取組みをお願い致します。
この度のバイデン大統領来日にあたり、来年日本で開催されるG7サミットが、初めて被爆地である広島で開催される事を心から歓迎したいと思います。各国首脳が直接被爆の実相に触れ「核兵器の悲惨さ・非人道性等を認識し、二度と核兵器の惨禍を起させない為の誓い」を共有する機会を持つ事は大変意義深い事です。同時に被爆地長崎における関係閣僚会議の開催を岸田総理に強く求めます。
二年半に渡るコロナ禍により、地域経済が深刻な影響を受け続ける中で、ウクライナ危機が拍車をかけ、今般の燃油価格、エネルギー、原材料、小麦をはじめとした食料品、生活必需品等の価格の高騰に、地域経済、国民生活、特に地方の暮らし、事業者の皆様への打撃は図り知れないものとなっています。
物価が上昇する一方で、経済の低迷が続く、この現状に的確に対応する有効な経済政策が政府からは未だ打ち出されておりません。5月18日に発表された令和4年1月~3月期の国内総生産速報値は前年同期比で0.2%減となり、令和3年度に、コロナ前の水準に戻すという政府方針は達成する事が出来ませんでした。現状では、消費税増税によって、失われた20兆円を取り戻せていない現状です。現下の経済情勢についての岸田総理の認識をお伺いします。
今回の補正予算については、4月の緊急経済対策により支出した令和4年度予備費の支出分を補填する内容となっており、予備費の補填の為の補正予算の編成は異例ともいえるものです。また国民民主党は従来から20兆円規模の補正予算の必要性を訴えており、今回の2.7兆円という予算規模では、需給ギャップを埋める事が出来ずに、景気刺激効果は限定的に留まると想定されます。更なる経済対策が必要だと考えますが、岸田総理の見解をお伺いします。
補正予算の内容は、6月以降の燃料油価格の激変緩和事業等の「原油価格高騰対策」に約1兆1700億円、災害対応等の一般予備費に4000億円、また、これまで新型コロナウイルス感染症予備費であったものを名称変更し、使途を拡大して「新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費」とし、1兆7000億円が計上されています。そもそも、予備費は、憲法87条、財政法24条において、「予算編成後、予見し難い予算の不足に充てる」と規定されており、財政民主主義の観点からもコロナ禍において、コロナ予備費が創設されて以来、本来であれば補正予算として国会でしっかり審議すべきものまで、予備費で支出される事態が常態化している事は問題です。今回、名称変更・使途の拡大等、一層不透明なものとなる恐れもあり、今後どのように使途を決定し、予算執行に透明性を持たせ、国民への説明責任を果たしていかれるのか、鈴木財務大臣にお伺いします。
4月の消費者物価指数が前年同月比2.1%上昇する一方で、賃金上昇率は1.2%にとどまり、この数字が、現状の厳しさを如実に示しています。国民民主党は、積極財政で消費や投資を活性化し、労働需要を好転させる事で物価を上回る賃金アップを実現する事を提案しています。4月のエネルギー価格は前年同月比19.1%上昇、具体的には、ガソリン価格15.7%、電気代21.0%、都市ガス代23.7%の上昇となっています。エネルギー価格の上昇の中、補助金制度は拡充されましたが、与党と国民民主党の検討チームにおける議論では、トリガー条項凍結解除の実現には、未だ至っていません。トリガー条項凍結解除については早期に結論が得られるように引き続き検討する事となっています。トリガー条項凍結解除も含めた総合的なエネルギー高騰対策が必要であると考えますが、岸田総理の見解をお伺いします。
また物価が上昇し、景気が低迷するスタグフレーションに陥らない為に、国民民主党は消費税減税やガソリン減税等の「家計減税」により、家計における消費力を高める政策を打ち出しています。岸田総理は可処分所得の減少に対して、どのように対応していかれる方針か、お伺い致します。
4月の緊急経済対策において、生活困窮者等への支援策が盛り込まれましたが、これも当然必要な支援策ですが、早期に配布が可能な児童手当のスキームや非課税世帯の枠組みによる支援が中心となり、いわゆるワーキングプアといわれる方々への支援が届いていない状況となっています。国民民主党が提案し、実現した10万円の定額給付金が唯一の支援であった方々も多くおられます。現在、国民民主党は、燃油高騰から家計を守る為に10万円の「インフレ手当」の導入を提案しています。岸田総理の見解をお伺いします。
国民民主党は、国民に寄り添った、国民の為の政治に邁進し、対決より解決の姿勢で、先手先手で政策を提案し、実現に結びつけていく為に、今後とも全力で取り組んでまいる事をお誓いし、質問を終わります。
ご清聴頂き、ありがとうございました。