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ニュースリリース

【参本会議】浜口誠議員が「第208回国会における鈴木財務大臣の財政演説」について質疑

 浜口誠企業団体委員長(参議院議員/全国比例)は25日、国民民主党を代表し、参議院本会議で議題となった「第208回国会における鈴木財務大臣の財政演説」に対して質疑を行った。質問の全文は以下の通り。

令和 4 年度一般会計補正予算外 1 案に係る財政演説に対する質問

2022 年 5 月 25 日 参議院本会議

国民民主党・新緑風会参議院議員 浜口誠

 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。会派を代表して、ただ今の財政演説に対して、以下、岸田総理に質問します。

 5月23、24日に東京で、日米首脳会談、日米豪印4カ国、いわゆるクワッド首脳会合が行われました。議論の内容と成果について、説明を求めます。

 今回の補正予算の追加歳出は、2.7兆円、極めて小さいと言わざるを得ません。コロナ禍と消費税増税前の 2019年7-9月期の実質GDP は、約558兆円、一方、先週公表された2022年1-3月期の実質GDPは、約 538兆円となっており、その差はマイナス約20兆円となっています。こうした実態を踏まえると、政府として、日本経済の復活に向け て、少なくとも今回の補正予算で20兆円規模の経済対策を行っていくべきと考えます
が、見解を伺います。また、補正予算の内、1兆5200億円は、使用した予備費を埋め戻すための予算となっています。予備費補填を主目的とした補正予算の編成は、極めて異例と考えますが、その妥当性について説明を求めます。

 4月の消費者物価は、前年同月比2.1%上昇し、消費税率引き上げの影響を除くと、08年9月以来、13年半ぶりの上昇となりました。生鮮食品を除く調査対象の522品目の内、351品目が上昇し、3月の320 を上回り、値上げのすそ野が広がっており、家計を大きく圧迫しています。国民民主党は、こうした状況を打開するため、賃金上昇率が物価+2%に達するまでの間、消費税5%への引き下げやガソリン減税など、家計減税で家計の消費力を高めるとともに、家計を守るため「インフレ手当」を導入し、一律10万円の現金給付を行うことを提案しています。政府として、物価高の長期化を見据え、どのような家計支援策を講じていくのか、また、物価が上がり景気が低迷するスタグフレーションを回避するために、どのように対応していくのか、伺います。

 原油価格高騰対策について伺います。国民民主党、自民党、公明党の3党によるトリガー条項の凍結解除などを検討する「検討チーム」の成果として、4月28日から石油元売り会社への補助金上限35円への引き上げ、基準価格の引き下げ、航空機燃料への補助追加、タクシーの燃料である LP ガスへの補助拡充が、実施されたことは、評価します。他方、今回の対策は、9月末までとなっていますが、10月以降の対策は、どのように考えているのか、お答えください。国民民主党は、ウクライナ情勢などにより、原油価格高騰の長期化が懸念される中で、これまで提案を続けてきたトリガー条項の凍結解除を、今後も徹底して求めていく決意です。トリガー条項の凍結解除について、見解を伺います。

 円安への対応等について、以下、伺います。円ドルの為替レートは、今年の 3 月以降、急速な円安となっており、今年の2月までの1ドル115円近辺から、足元では、130円近辺になり、1ドル135円まで円安が進むとの声もあります。円安は、原油などの輸入価格を押し上げるため、あらゆる輸入製品の値段や事業のコストが上昇します。3月の輸入総額は、1 年前から3割も増加しました。円安が進めば進むほど、日本は貧しくなっていくとの指摘もあります。足元の急激な円安が、日本経済に及ぼす影響について、見解を伺います。また、円安が進んでいる直接的な要因は、日本と米国の金融政策の違いによって、日米の金利差が拡大しているからです。現在は、為替の緊急事態です。円安の加速で輸入コストが一気にあがり、多くの企業が苦しい状況に直面しています。自国通貨の価値を守ることは、中央銀行の最大の責務です。日銀は、早期に、これまでの金融緩和路線の政策を転換すべきです。見解を伺います。また、元総理から日銀は、政府の子会社との発言もありましたが、日銀は、政府の子会社なのか、ご所見を伺います。

 コロナ対策に関して伺います。先進国を中心に、水際対策の緩和、観光目的の入国者の受け入れなど、経済と社会を動かす対応を強化しています。日本においても、6月から入国者の上限を1万人から2万人とする方針です。一方、外国人観光客の入国を認めていない国は、中国や日本など極めて少数派となっています。外国人観光客の本格的な受け入れを早期に再開すべきと考えますが、見解を伺います。また、今国会において薬機法が改正され、新型コロナ用の国産飲み薬の緊急承認に期待が高まっています。今後の承認見通しを伺います。また、国民民主党は、感染症等の健康危機対応は、国家安全保障であると考え、感染症対策の司令塔機能強化のため、米国のCDC(疾病予防管理センター)を参考に、「日本版 CDC」を創設すべきと提案しています。日本版CDCに対するご所見を伺います。また、新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけを、2類相当から5類に見直す議論も、本格的に行うべきと考えますが、見解を伺います。

 カーボンニュートラルに関して伺います。政府は、脱炭素社会の実現に向けて、クリーンエネルギーへの移行や、蓄電池の生産、次世代の自動車の導入などを後押しするため、20兆円規模の財政支援を行い、財源は、環境債を発行するとしています。カーボンニュートラルを実現するとともに、環境分野で世界と戦うためには、必要な投資と考えますが、環境債の法的な位置づけや、2兆円のグリーンイノベーション基金との違いについて、説明を求めます。

 愛知県の矢作川から、農業用水や工業用水を取水する堰の施設である「明治用水頭首工」で大規模な漏水が生じ、先週末時点では、農業用水が止まり、工業用水も必要量の3割程度の供給となるなど、大きな影響が生じています。地元からは、少しでも漏水を防ぐため、国が、現場で、迅速に対応を判断していれば、農業用水や工業用水への影響を減らすことができたのではないか、との声も上がっています。国の初動の遅れに対し、どのように考えているのか、見解を伺います。

 日本は、1996年をピークに実質賃金が下がり続けています。世界一勤勉で、懸命に働く日本人の給料が、何故、下がり続けて続けているのか、最大の原因は、国の経済政策の失敗であると考えます。見解を求めます。国民民主党は、給料が上がる経済の実現に向け、日本の競争力や成長力の源である人への投資を徹底して増やすため、教育国債で教育・科学技術予算を年間10兆円規模に倍増することを提案しています。また、エネルギーや食料、半導体等の重要物資や基本的な生活物資の海外依存を出来る限り低減し、自立したサプライチェーンによって、日本の富が海外に流失しない経済システムに大転換すべきと考えます。給料が上がる経済の実現に向け、何をすべきか、ご所見を伺います。

 最後になりますが、国民民主党は、給料が上がる経済の実現、積極財政への転換、人づくりこそ国づくり、自分の国は自分で守る、正直な政治を貫く、この政策5本柱の実現に向け、全力で取り組むことを宣言し、質問を終わります。