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ニュースリリース

【衆本会議】長友慎治議員が「福島復興再生特別措置法改正案」について質疑

 長友慎治議員(衆議院議員/宮崎2区)は26日、国民民主党を代表し、衆議院本会議で議題となった「福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案」に対する質疑を行った。質疑の全文は以下のとおり。

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第23号)に対する質問

令和4年4月26日
国民民主党・無所属クラブ
長友慎治

 国民民主党の長友慎治です。私は会派を代表して、只今議題となりました法律案について質問します。

 東日本大震災と東京電力福島第1原発の事故発生から12年目にして立ち入りが制限されていた帰還困難区域に、やっと人々の暮らしが戻ってきます。大熊町と葛尾村はこの春、双葉町は6月の避難指示解除を目指しています。

 福島県によれば津波で被災した県管理公共土木施設の復旧事業は帰還困難区域を除き河川や海岸、道路、防災緑地など全524か所のうち90%超が完了しています。大津波に襲われた沿岸部では、震災前より1メートルから2.5メートルかさ上げされた防潮堤が完成しました。生活を支える福島の道路も災害に強い路面づくりが進みました。各地に整備された交通網は物流や広域観光の活性化など復興への効果が期待され、これらのインフラを活用することで住民帰還に結び付け、にぎわい再生につなげることが期待されています。つまり東日本大震災発生から11年が経ってやっとハード整備の完了が見え復興・ 再生が本格的に開始できる環境が整ったわけです。

 震災・原発事故から1年が経った今も、福島では子どもが花を摘んだり、土遊びをしたり、微笑ましいはずの光景にも放射能の不安が影を落としています。子どもの成長のために自然の中で存分に遊ばせてあげたい一方、被曝を心配するあまり「あれもダメ、これもダメ」と子どもから経験を奪ってしまう。その矛盾に苦悩する保護者がまだまだいらっしゃいます。

 チョルノービリ原発事故後、被害の大きかった隣国ベラルーシ共和国では子どもたちが3週間以上放射線量の低い土地に滞在し、健康的な食事をとることで心身のリフレッシュを図る「保養」が生まれ、30年以上経った今も国策として続けられています。被災地の子どもの心を休ませたり、震災の影響でできなくなった体験の機会を補ったりする保養は東日本大震災後、全国各地で始まり活発な活動が展開されましたが震災関連の助成金や補助金打ち切りと共に減少に転じています。新型コロナウイルス感染拡大の影響で保養の機会も減りました。しかし、除染で出た汚染土は袋に詰められ、福島県内の庭や公園など生活環境のすぐそばにまだまだ残されています。

 一般的に、細胞分裂が活発な子どもの方が、放射線被ばくに対して感受性が高いと言われています。放射能の心配をしないで自然の中で思いっきり遊ばせてあげたいと考える子育て中の方々に寄り添うために「保養」に取り組む団体をこれからも国策として支援すべきだと考えますが、政府の認識を伺います。

 福島県では震災と原発事故に伴う避難の影響で体調を崩すなどして死亡し、「関連死」と認定された人は今年3月時点で、2331人に上ります。

 地域で見ると南相馬市が520人で最も多く、次に富岡町454人、浪江町441人。避難指示が出るなどした12市町村で2119人と全体の90%になります。「震災に関連する福島県内の自殺者の数は今年1月末までで119人。岩手県の55人、宮城県の68人に比べて約2倍の数で、甚大な被害を受けた被災地3県の中でも突出しています。 福島県内の震災関連死、震災関連自殺者を一人でも減らすことが急務だと考えますが、このことについての政府の見解と、今後講じられる対策につい てお答えください。【復興大臣】

 最後に、大震災からの5年間は集中復興期間として財源の集中的配分を条件にハード事業の早期実施が自治体に半ば強制され、復興に住民の意見が反映されにくくなるようなことがありました。ハード面の整備に目途がたったこれからこそ、住民の意見を最大限尊重した、住民が主役の復興に取り組んでいただくことを政府に強くお願いして私の質問を終わります。