国民民主党 つくろう、新しい答え。

ニュースリリース

国民民主党 幹事長定例会見(2023年10月27日)

【冒頭発言概要】

 第212回臨時国会が始まって、一週間経過しました。今朝、連合の清水事務局長や総合政策局の皆さんから、国民民主党に対する税制を含めた政策の要望をお受けしました。物価高に対抗すべく賃上げ、そして暮らしの底上げ、税制含めて連合の要望を受けました。それを反映するためにも、我々しっかりとこの国会、対応していきたいという議論をしたところです。
 代表質問が衆参で終わり、今日から予算委員会が始まっているところです。代表質問は、我が党は衆議院で玉木雄一郎代表、そして参議院で大塚耕平政調会長が行いました。岸田総理の「経済、経済、経済」というフレーズに対して、玉木代表は「賃上げ、賃上げ、賃上げ」だと、そして大塚政調会長が参議院では「人、人、人」と連呼して、これに答えたわけでございます。大塚さんの言った「人」は「人づくりこそ国づくり」、そして玉木代表が衆議院本会議で言った賃上げは「給料が上がる日本経済を取り戻す」、この二つの大きな柱なくして岸田総理の訴えた経済復活や経済成長はないわけです。しっかりと我々もこの問題に対して、限られた国会でもう残り四十数日になりましたが、議論をしていきたいと思います。
 来る予算委員会では、衆議院では浅野哲議員、そして参議院では舟山康江参議院議員会長が質疑を行います。ぜひ現実的な政策議論に期待いただきたいと思います。

 外交に関する報道で、気になる問題が二つありました。この二点について触れておきたいと思います。
 ガザでのアル・アハリ病院で爆撃事件がありました。世界の報道、そして日本のメディアも一斉に、ガザにあるこの病院を爆撃したイスラエルはとんでもないと一斉にイスラエルを非難しました。しかし、今各地でフェイクニュースや情報戦が飛び交っています。結果、欧米では、これはやはりイスラエルの攻撃によるものではなく、パレスチナ側のテロ集団のミサイルが誤爆をしてこの病院に墜落したと、おそらくイスラム聖戦のミサイルではないかと言われています。
 パレスチナが攻撃の被害に遭うときは大々的に報道します。一方で、外務省の小林麻紀報道官が、ガザのアル・アハリ病院で17日に起きた爆撃について、イスラエルによる攻撃ではないと明言しました。こういう記事はほとんどベタ記事でニュースになりません。BBCやニューヨーク・タイムズは、大々的に報じて社が謝罪をしています。あたかもイスラエルが攻撃したかのような一方的な報道の情報をうのみにして記事を書いたことに対する謝罪や、その弁明を書いています。ウクライナもそうですが、紛争になると、紛争になる前でも、あらゆる情報操作やフェイクニュースが飛び交います。こういった間違った報道が混乱の要因になり、もしくは混乱に拍車をかけています。私自身も含めて、慎重にこういった情報は扱わなければなりませんし、やはり間違ったということが判明したならば、それもしっかり報道してほしいと思います。

 そしてもう一点、これは自民党政府に猛省を促したいと思います。主要7か国(G7)が、ハマスからテロ行為を受けたイスラエルに当然自衛権があるという声明を共同で発信しましたが、日本はこれに乗りませんでした。私もびっくりしましたが、主要7か国のうち日本だけが乗らなかった原因について、松野官房長官が会見で、日本以外の6か国は今回の事態の中で誘拐にあったり行方不明になった犠牲者を発生している当事者だ、日本は被害が出てないのでこの共同声明に乗らなかったと言っています。最悪の説明です。罪のない千人余のイスラエル人がハマスによって殺戮され、200名を超える方々が拉致誘拐をされてガザに引きずり込まれ、今でもほとんどの方が解放されていません。この中にはイスラエル人だけではなく26か国の方がおり、拉致された方のおおむね三分の一はイスラエル以外の方々です。これは国際問題です。しかし日本は、日本人の被害者がいないのでG7と足並みを揃えることなく、議長国日本だけがこの声明に乗りませんでした。世界から見たら、日本は何やっているんだという話です。
 日本は現在、自由や平等、法の支配といった基本的価値観を共有するG7の議長国です。加えて、松野官房長官は拉致担当大臣でもあります。我が国は世界に対して、この拉致問題について協力してほしいと、人道問題だと訴えているにもかかわらず、イスラエルで日本人の被害者がいないのでG7の共同声明には入りませんと。こんなことで本当に各国が、日本が訴えている拉致問題を我がこととして共に解決しようと思いますか。私も拉致議連の役員をしていますが、こういうとんでもない説明に対して、与党のいわゆる保守派といわれる方々も、声を大にして何やってるんだと言わなきゃだめです。北朝鮮の拉致被害に遭っている国は日本だけではなく、中国や韓国、ルーマニアやイタリア、フランスなど十数か国が被害に遭っています。拉致の被害に遭っていない他のおおむね180の国々は拉致問題に無関心でいてけっこうだという誤ったメッセージになります。自国の被害者がいないからG7の共同声明に入らないなんてありえないと思います。松野さんはおそらく記者からの質問が来て、手元のメモを探して答弁をお読みになったんでしょう。松野官房長官のことはよく存じ上げているので、非常に聡明かつ人権や外交問題にも長けた方ですし、地味ながらも官房長官として確実な仕事をされている方です。こういう答弁書を書いた官僚の方を含めて、あまりにも当事者意識と危機感、政治的センスが問われると思います。
 ぜひこれは撤回すべきです。これだけ大きな被害が出ており、子どもや女性、お年寄りを含めて両サイド死者をこれ以上出すべきではありませんから、それぞれの攻撃やテロの中断を含めて冷静な対応が求められますが、イスラエルが最初に被害に遭っているわけです。テロに遭っているわけですから、その自衛権を認めないということは外交としても安全保障の議論としても人道的にもありえないと思います。ぜひこれを撤回して、きっちりした正しいメッセージを、今からでもいいので政府に発していただきたいと思います。