国民民主党 つくろう、新しい答え。

ニュースリリース

国民民主党 代表定例会見(2023年5月23日)

【冒頭発言概要】

 先般、G7サミットが行われました。たいへん外交的な成果を上げたサミットになったと思います。まず、G7各国が一堂に会し、今の世界で最大の課題であるロシアのウクライナ侵攻に対し、力による現状変更は許されないという明確で強力なメッセージを、ウクライナのゼレンスキー大統領も来日した中で出せたことはよかったと思いますし、議長国としての役割を果たすことができたと思っています。合わせて、ロシアとの関係が強いインド、中国との関係が強い韓国をはじめ、ゼレンスキー大統領となかなか二国間で会えない国の首脳も、ゼレンスキー大統領と直接会って話をする機会を提供できたことも非常に意義が大きかったと思っています。また、やはり被爆地・広島において「広島ビジョン」という形で核なき世界に向けたメッセージを発することができたこともよかったと思います。もちろん内容については、特にG7側の核保有国に対して義務履行を求める中身がきわめて弱い内容になっているので、ロシア・中国に対してしっかりやれというメッセージを出す一方で、自分たちはどうするんだというところが薄いのは確かです。しかし、G7のみならず、ゼレンスキー大統領やグローバルサウスの国々の首脳も原爆資料館を訪れ、被爆の実相に触れていただいたというのは、これ自体が非常に大きな外交的資産になったと思います。核の威嚇は許さない、ましてや核の使用は許さないということを、まさに核の威嚇を受けているゼレンスキー大統領が資料館を訪れて、核なき世界や平和を祈る姿が世界に発するメッセージは大きいものがあったと思いますので、こういったことを含めて外交的成果の大きなサミットだったと思います。
 ただ、いくつか注文をつけるとすれば、先ほど申し上げた、核廃絶に向けたG7側、特にアメリカ、イギリス、フランスといった国々のコミットメントが結果として弱い形になっています。特に核保有国も含めてすべての加盟国に義務がかかっているNPT(核兵器不拡散条約)の第6条、軍縮条約締結のために誠実に交渉するというのは、核保有国も含めたすべての国が課されている義務です。この義務の履行を中ロには求める一方で、自分たちはどうするんだということには一切触れていないのは非常に残念だと思います。被爆者の方々、被爆者団体の方々が一番失望を感じているポイントだと思いますので、ここは非常に残念だということは付言したいと思います。一方で、大きな理念を掲げたことは評価できますので、ここに向けてG7の核保有当事国が何ができるのかということが問われます。核保有国と非保有国との間の橋渡し役を引き続き日本がしっかり果たしていかなければならないと思います。
 ウクライナ支援に関していえば、日本からはトラックと食料品ということになりました。できれば防衛装備移転三原則の運用指針を見直して、もう少し実効性のある、戦争の終結と平和の回復につながるような支援ができるような見直しがG7の前に行われていることが望ましかったと思います。トラックや食料品、一部の傷ついた兵士の受け入れなどは評価できますが、F16の提供を決断した欧米諸国と比べると見劣りします。ウクライナのゼレンスキー大統領も言っていましたが、本音を言えば軍事的な支援がほしいが、日本国内の法的制約もあるのは分かっているので感謝すると、留保付きの評価でした。ここはもう少し日本が踏み込んでできることがないか、G7までに運用指針の見直しができたのではないかという点は指摘しておきたいです。

 二つ目は、我が党で「こくみん政治塾」として、政治家志望の方、政治を勉強したい方の募集を昨日まで行っていました。当初100名で募集していましたが、3日で100名埋まってしまったので300名に枠を広げていましたが、昨日の締め切りまでで約640名の方にご応募いただきました。多数の方に関心を持っていただいたことに感謝申し上げます。この中から選考していきますが、たくさんの応募をいただきましたので、中身を吟味するととともに、枠をさらに広げることも含めて検討したいと思います。6月1日までに3万円の振り込みを含めた諸手続きを完了していただいて、6月6日に私が塾長として第1回の講義をして、都内でリアルとオンラインを組み合わせてスタートしていきたいと思います。合わせて、政治家になりたい人に対する政治家説明会というものを全5回で計画しており、昨日で4回まで終わりました。のべ約200名の方がこちらにもエントリーしていただき、実際に質疑応答のやりとりをしています。「こくみん政治塾」の選考に通った方と、説明会の参加者から、来たる衆議院選挙の候補者の擁立を加速していきたいと思っています。G7の成功を受けて、解散総選挙が行われるのではないかという話が与野党から挙がっています。総理が決める話なので、我々としては淡々と準備を進めるだけです。政治塾の応募者の中にも非常にいい経歴の方や、いい論文を書いている方もいますので、候補者擁立の一つのプールとして、その中からも候補者の擁立を図っていきたいと思います。すでに公募で良い方が何人か来ていますが、合わせて準備を加速していきたいと思います。