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ニュースリリース

【衆本会議】長友政調副会長が「所得税法等改正案」について賛成討論

 長友慎治政調副会長(衆議院議員/宮崎2区)は22日、国民民主党を代表し、衆議院本会議で議題となった「所得税法等の一部を改正する法律案」への賛成討論を行った。討論の全文は以下のとおり。

所得税法等の一部を改正する法律案に対する賛成討論

令和4年2月22日
長友慎治(国民民主党・無所属クラブ)

 

 国民民主党の長友慎治です。私は、国民民主党を代表し、本法案に賛成の立場で討論いたします。本法案の目玉政策である賃上げ税制については、賃金を引き上げることは日本経済にとって喫緊の課題であり、国民民主党も先の衆議院総選挙では「給料が上がる経済」を公約に掲げました。

 しかし、資本金1億円以下の法人は約6割が赤字であり、本税制のインセンテイヴは働きません。わが党は、賃上げのためのインセンテイヴとして、法人事業税、固定資産税などの軽減措置を提案しています。中小企業にとっては、社会保険料の減免をインセンテイヴにする方策もあり得ます。

 そもそも、企業の生産性が向上しない限り、賃金は上がりません。政策のターゲットは企業の生産性向上であるべきです。減税があるからといって賃金を上げる企業などありません。これまでの制度でも、生産性が上がり賃金の引き上げができた企業が、結果として減税の恩恵を受けているだけで、その政策誘導効果は疑問です。

 政府も補助金の補助率引き上げや下請け取り引きの適正化など、税制以外の環境整備を進めるとのことですが、国税以外の地方税や社会保険料の減免など総合的な施策を講じることが必要だと考えます。

 さらに言えば、国民の税金で給料を上げるくらいであれば、直接、所得型の給付付き税額控除の実施を提案します。その財源を株式配当などへの金融所得課税に求めれば、所得の再分配にも資することになり、格差是正が進みます。財源は所得控除の整理・縮減でも捻出できます。所得控除から税額控除に移行すれば、富裕層の負担を増やし、所得の再分配効果がさらに強化されます。

 政府はガソリン補助金制度を実施していますが、現場のガソリンスタンドでは値下げは一部に限定され、据え置きもしくは引き上げたスタンドすら見られました。現場はたいへん混乱しています。補助上限の引き上げを検討するなど政府も政策の不十分さを認識しています。そこで、先の臨時国会でわが党と「日本維新の会」で法案を提出した「トリガー条項の発動」が今こそ必要であり、法案審議を求めます。

 本法案審議の過程で、租税特別措置についてスクラップアンドビルドの原則を維持することにつき、財務大臣の前向きな答弁がありましたが、コロナとの戦いが終息したあかつきには財政規律を守る姿勢を堅持していくべきです。

 東日本大震災の後、巨額の復興予算が必要となった際に、当時の国会は将来の世代にツケをまわさないために震災復興特別税を決めました。その結果2年間の復興特別法人税に加え、25年間、2.1%の所得税の付加税を徴収し、住民税は10年間、1,000円引き上げる形で財源に充てることができています。

 コロナ禍に対応するため、真に国民の命と暮らしを守るための歳出増加はやむを得ないと考えますが、そのための債務は特別に管理し、将来は震災復興特別税のような仕組みで、後代に負担を残さないようにすべきです。

 そのことを申し上げた上で、本法案の狙いである、成長と分配の好循環及びカーボンニュートラルの実現に向けた改正案の内容は必ずしも十分なものとはいえないものの、わが党の政策と方向性において軌を一にするものであり、今後、わが党の提案を真摯に取り上げていただくことを前提に本法案に賛成するものであります。

 そのような我々の姿勢を、自信をもって堂々と国民の皆様に対して訴えていきます。そしてこれからも是々非々で、政策先導型の改革中道政党として、与野党問わず連携し、国民の皆さんが望む政策を一つでも多く実現することを誓いまして、私の討論といたします。

ご静聴、ありがとうございました。

以上