ニュースリリース
【声名】「対話と協力と行動」の人権外交へ
令和3年2月18日
「対話と協力と行動」の人権外交へ
国民民主党
中国政府による香港あるいは新彊ウイグル自治区での人権弾圧や、ミャンマー国軍によるクーデターなど、アジアにおいて看過できない深刻な人権侵害が複数生起し、現在も継続している。日本政府は「対話と協力」を人権外交の柱に据えているが、この「対話と協力」路線のみによって、「人権」や「法の支配」といった普遍的価値を深化拡大していくことの限界を直視すべきタイミングにきている。
わが国と普遍的価値を共有している諸外国においては、加害者たる個人や団体に対し、人権侵害行為を理由に資産凍結やビザ規制などの制裁を行う枠組み(マグニツキ―法・人権侵害制裁法)が整備され、実際に制裁が発動されている。
また、サプライチェーンにおけるデューデリジェンス(企業が人権侵害に加担しないよう定めた注意義務)の強化に向けたガイドラインや法整備が進み、民間企業を含む国際社会が連携を強め、強制労働等を通じた利益の搾取を許容しないための枠組みづくりも拡大している。
「自由で開かれたインド太平洋」構想を主導する日本は、まさに今、自らが提唱する普遍的価値の実現に向けた行動力を試されている局面ともいえる。また、デューデリジェンス強化に向けた国際的な流れに十分対応できていない結果、日本企業が批判の対象となり企業イメージを毀損するリスクに晒されるケースも生じている。経済安全保障の観点からも、価値を同じくする国々とともに、「人権」を重視した国際秩序を形成し実効性を高めることが急務である。
もちろん、経済制裁やサプライチェーンの透明化によって国際的な人権弾圧を抑止していく一方、こうした人権弾圧の被害者たる人々を支援救済する役割をも強化していく必要がある。
そのため、「対話と協力」から「対話と協力と行動」へと日本の人権外交を発展させていくことが必要不可欠であり、国民民主党は党内に「人権外交と経済安全保障に関する研究会」を立ち上げ、具体的には以下の3点に取り組むこととする。
人権侵害制裁法(日本版マグニツキ―法)の迅速な成立
- 人権侵害制裁法(日本版マグニツキ―法)の迅速な成立
- サプライチェーンを透明化し、日本企業をレピュテーションリスク(評判の毀損による企業価値の低下)から守るための法制度ないしはガイドライン等の調査研究
- 「難民」認定基準の明確化と入管収容における人権課題の解決