ニュースリリース
国民民主党 代表定例会見(2023年6月20日)
【冒頭発言概要】
いよいよ明日で通常国会も終わりますが、この通常国会も結局党首討論が行われなかったのは極めて残念です。私自身、代表に就任して以降、安倍元総理と党首討論しましたが、それ以降本格的な党首討論をしていないと思います。与党と野党第一党の間でやるかどうか決めるということですが、解散の前にそれぞれの党首が国家観や政治観をぶつけ合うことが重要だと思います。2012年には、当時の野田首相と自民党の安倍総裁の党首討論によって解散が行われました。議員定数削減などいろいろなことを話し合っていましたが、党首討論の中でテーマを明確にして国民に問うていくのも一つのやり方だと思います。それをすれば、年中行事的に内閣不信任案を出すという話にはなりません。もちろん内閣不信任案の中で、その時の政権に対する野党側からの批判や対案を出すことはできると思いますが、それは党首討論でやるべきではないかと。
それが行われていないのは、1990年代以降進んできた国会改革が一つの限界に来ているのかなと思います。改めてあれから30年、国会改革、そして昨日も河野洋平氏から話があったようですが、選挙制度の見直しも本格的に行うべきではないかと思います。我々はよく給料が上がらない20年30年と言いますが、まさにこの30年給料が上がらない日本を作ってきた背景に、選挙制度や国会の改革として進めるべきものが、事実上塩漬けになっている状況が関係しているのではないかと思います。統治機構を担う側から考えれば、経済政策の問題に加えて、政治制度の問題や国会のありよう、こういったものも含めてもう一度見直し、検証、改革が必要ではないかということを会期末に改めて思います。繰り返しになりますが、今国会でも党首討論ができなかったことは極めて残念です。こうしたことを繰り返すことが果たしていいのか、改めて国会改革が必要だということは申し上げたいです。
そのうえで、いくつか積み残しになっているもの、最後の仕上げに入っているものがあります。国会は明日閉会となりますが、最後まで政策の提案、実現を行っていきたいです。昨日は日本維新の会、有志の会とともに、残されたテーマである憲法改正の共通条文案について発表しました。これはもともと、昨年12月に我が党がまとめたフルパッケージの緊急事態条項のうち、合意できるところから維新の会などの皆さんとやってきた中身です。ようやく、こうして党派をまたいだ形で成案を得られたことは良かったと思います。
さらに自民党、公明党、立憲民主党などの理解を得て、できれば秋の臨時国会で憲法審査会としての成案をまとめ、来年の通常国会には憲法改正の発議につなげていきたいです。というのは、我々が取り組んでいる中身は、大規模災害や感染症の大規模蔓延など、危機に備えるための憲法改正です。岸田総理におかれては、憲法改正を成し遂げてから解散する、あるいは憲法改正を次の衆議院選挙の争点にするくらいしていただきたい。岸田総理の進め方には、危機感が足りないのではないかと疑わざるを得ないところもあります。単に為にする憲法改正ではないので、与野党を超えた幅広い合意を得ていきたいと思います。
もう一つ、6月から電気代が上がっていますし、またガソリンの価格を引き下げるための支援策がこれから順次縮小されていきます。一方で、円安も進んでいます。暑い時期に向けて冷房の使用を控えるという家庭が出てくると思いますので、熱中症対策という観点からも、我々としては追加の電気代値下げ、ガソリン代値下げの政策を取りまとめました。今日、西村経産大臣のところに申入れに参ります。
これまで続けてきた支援策をもうあと半年くらいは続けるべきだということと合わせて、ガソリンで言えば揮発油税の暫定税率の問題、電気代で言えば再エネ賦課金の問題、こういった問題を根本から見直した議論を年末までにまとめ、抜本改革をすべきだということを、あわせて提案したいと思います。もちろん、原発の再稼働を急ぐことが、安価で安定的な電力供給につながります。いずれにしても、海外に多くを依存している日本のエネルギー体制については、抜本的な見直しが必要だということを伝えていきたいです。
最後に、明日は国会最終日ですが、夕刻に新橋SL広場で恒例の国民民主党大街頭演説会を行います。ぜひ皆様にもご参加いただきたいですし、党員・サポーターの皆さんにもお集まりいただいて、この通常国会を振り返っての我々の取り組みの成果や、来る衆議院選挙に向けての決意を申し上げたいと思っております。