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ニュースリリース

【衆本会議】田中けん議員が令和7年度補正予算案に対する賛成討論で登壇

 田中健政調会長代理(衆議院議員/静岡4区)は11日、国民民主党を代表し、衆議院本会議で議題となった令和7年度補正予算案に対する賛成討論を行った。討論の全文は以下のとおり。

令和7年度補正予算案に対する討論

令和7年12月11日(木)
国民民主党・無所属クラブ
田中健

国民民主党の田中健です。私は、会派を代表し、令和7年度補正予算案に対し「賛成」の立場から討論を行います。

私たち国民民主党は、「対決より解決」「政局より政策」を貫き、国民の生活を守るために必要な政策を是々非々で判断する政党です。
今まさに国民が強いられている最大の困難は、言うまでもなく「物価高」です。生活必需品からエネルギーまで値上がりが続き、将来への不安がかつてなく高まっています。
だからこそ、手取りを増やす政策を一つでも実現する。これが国民民主党に課された使命であります。

今回、補正予算案に「賛成」するのは、私たちが長年訴えてきた政策が、複数、確実に盛り込まれたからです。また、運営交付金の見直しや投資減税について、単年度での評価にとどまらず、複数年度にわたって税収の増減を見通し、成長を促すダイナミックな政策設計に踏み込んだ点も、高く評価いたします。

とりわけ、ガソリンの暫定税率廃止、自賠責保険料の繰り戻しは、国民民主党が一貫して主張し続けてきた政策であります。

本日12月11日、ガソリン補助金がリッター5円10銭上乗せとなり、暫定税率と同額の25.1円となりました。そして12月31日、暫定税率は廃止され、ついにガソリン減税が実現します。
この成果は、偶然ではありません。まさに一年前の12月11日の自民党・公明党・国民民主党3党幹事長合意があり、公党間の正式な約束として明文化されたからです。さらにその前の2021年衆議院選挙追加公約から、私たちは4年にわたり、ぶれることなく政策を訴えてきました。

時に厳しい批判にさらされても、政策が正しいと信じているからこそ、訴え続けてこられました。そしてその背中を押してくださったのは、国民の皆様であります。ここに、深い敬意と感謝を申し上げます。

また、自賠責保険の特別会計への繰り戻しも、浜口誠参議院議員が2021年に問題提起して以来、磯崎哲史参議院議員とともに粘り強く議論を重ね、国民民主党は議員立法まで提出して提案し続けてきたものです。
重度後遺障害被害者の支援や事故防止に充てられるべき積立金約6千億円が一般会計に貸し出されたままだったことは、看過できませんでした。今回、繰り入れが完了し、被害者支援の強化や事故防止のための各種事業が拡充されることを強く期待します。

しかし、課題も残されています。
昨年の3党幹事長合意には、「いわゆる103万円の壁を、国民民主党が主張する178万円を目指して引き上げる」と明記されています。
この約束は、まだ果たされておりません。ここを避けて通ることはできません。
手取りを増やすことにつながることはもちろんのこと、働き控えを解消し、何より今の日本に必要な人手不足に大きく寄与するものだからです。

加えて、「年少扶養控除の復活」や「障害児支援の所得制限撤廃」など、私たちが累次に求めてきた政策について、政府が依然として後ろ向きであることは極めて残念です。
扶養控除を維持・拡大し、年少扶養控除を復活させることは、少子化の現実を踏まえれば、まさに時代の要請そのものです。

ここで、財源の議論にはっきり申し上げます。
2025年度の国税収入は、6年連続の過去最高、80兆円を突破しました。当初見込みより税収が2.9兆円、税外収入1兆円、不用額1.1兆円、生み出された財源は合計約5兆円です。
これは、赤字国債を増やさずとも、年収の壁を178万円に引き上げることも、年少扶養控除を復活させることも可能であることを意味します。

税収増の背景は、物価高による消費税収と、賃上げによる所得税収です。「インフレ増税」と言っていい状態が生じており、国はインフレで潤っています。
であるならば、その増収分を、インフレで苦しむ家計に戻すのが筋であります。

しかし、今回の減税規模は、国民民主党が提案した「ガソリン暫定税率廃止」1.5兆円、「年収の壁の見直し」1.2兆円、合計2.7兆円にとどまります。
それぞれ、51年ぶり・31年ぶりの大英断であることは評価しつつも、なお政策余地があることは、申し上げておきます。

「103万円の壁」については、税制協議は確実に前進しています。重要なのは、どこまで178万円に近づけるか、そしてより広い所得層にメリットを行き渡らせるかです。
ここは、これからの政治の勝負どころです。真摯な協議を重ね、最後は高市総理の政治判断を強く求めます。

この国を前に進めるのは、与党だけではありません。
政策本位で、現実的な提案と交渉ができる健全な野党の存在こそが、日本の未来を切り開きます。

国民民主党は、その責任を果たし続けます。
国民の皆様におかれましては、具体的政策と現実的交渉で政治を動かす国民民主党を、より一層お支えいただくことをお願い申し上げ、討論を締めくくります。

ご清聴、ありがとうございました。