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ニュースリリース

【参本会議】浜野よしふみ議員が環境影響評価法改正案に対する質疑

 浜野喜史選挙対策委員長(参議院議員/全国比例)は6日、国民民主党を代表し、参議院本会議で議題となった環境影響評価法改正案に対する質疑を行った。質疑の全文は以下のとおり。

令和7年6月6日(金)
国民民主党・新緑風会 浜野喜史

「環境影響評価法の一部を改正する法律案」本会議質問

 国民民主党の浜野喜史です。環境影響評価法の一部を改正する法律案について、会派を代表し、質問いたします。

 浅尾環境大臣に伺います。今回の法改正によって、建替配慮書は、位置が大きく変わらないことから、事業実施想定区域に係る周囲の概況などの調査が不要となります。対象は陸上風力を中心とした再生可能エネルギーのみならず、安定供給の要として我が国の電力供給を支える火力発電所、原子力発電所の建替も含んでいると認識しておりますが、見解を伺います。

 電力の安定供給や脱炭素化のために、火力発電所の高効率化・CCSの導入に向けた建替や、原子力発電所の効率性・安全性を高めた次世代革新炉への建替は、必要不可欠であります。これまでは旧来施設と同規模・同敷地での建替であっても、新設事業と同様の手続きが求められ、事業の負担となっていました。今回の法改正で、具体的にどのような合理化が図られると考えているのか、説明願います。

 次にアセス図書の継続公開に関して伺います。従来、アセス図書は一定期間を過ぎると閲覧できなくなり、事業者が事後的に情報へアクセスすることが困難でした。一方、長期間にわたる事業運営においては、アセス図書に記載された予測値の妥当性を後に検証・確認する必要性が増しています。今回の改正で、アセス図書のオンラインによる継続的な公開義務が盛り込まれましたが、具体的にどのように公開されるのか、制度設計について伺います。

 不要なプロセスを合理化する今回の法改正は、脱炭素化に向けたGXを進めていく上でも有意義なものであります。GXを進めていくためには、合理化できるものは合理化し、無駄のない対応を進めていくと同時に、必要な施策に対する積極的な投資が必要です。従来までの考え方に縛られると、到底2050カーボンニュートラルは達成できません。こうした観点から、我が国の経済・財政政策について伺います。

 武藤経産大臣に伺います。脱炭素化を進めていく上では、電力や石油、化学、紙パルプやセメント産業といった、様々な産業において大胆な技術革新が必要です。一方、製品・サービスの創出プロセスを脱炭素化しても、製品・サービスの価値自体は基本的には変わらず、事業者にとってはコスト増となり、GXに向けた技術革新を促進していくには、政府からの支援が必要不可欠です。政府はGX経済移行債で20兆円程度の支援を行うとしており、その償還財源は、化石燃料賦課金制度や有償オークションで賄う事としております。そのうち、有償オークションについては、火力発電事業者に対して導入するということですが、火力発電事業者に限定する理由について説明願います。

 加えて、GXに関するコストは、社会で公平に広く負担されるべきものであり、特定の事業者に負担を寄せるべきではないと考えておりますが、見解を伺います。

 次に加藤財務大臣に伺います。GX経済移行債を発行せず、一般財源でGXを推進することも可能ではないかと考えます。何故GX経済移行債を発行することとしたのか、改めて説明願います。

 GX経済移行債に関連して、この際、国債について伺います。
「変動相場制のもと、自国通貨である円建てで発行されている日本国債が債務不履行となることは考えられるのか」、見解を伺います。

 なお、2002年に財務省が公表した外国格付け会社宛意見書についての説明を求めている訳ではありません。また、財政危機があるのかについて質問している訳でもありません。「変動相場制のもと、自国通貨である円建てで発行されている日本国債が債務不履行となることは考えられるのか」について質問しておりますので、その点に留意してお答えください。

 加藤財務大臣は、厳しい財政事情の中、災害、コロナといった予想外の事態に対処をする中であっても、財政健全化目標を掲げ、財政健全化に向けた意思を示すことで市場からの信認を維持してきた事から、国債の償還、借換えは安定的に行われていると説明しております。そういうことではなくて、日本国債は債務不履行が考えられない最も安全な金融商品であることから、安定消化できているのが現実ではないでしょうか、見解を伺います。

 同じことを別の表現で問います。民間銀行が国債を購入する際に用いる日銀当座預金は、民間銀行が自らの預金の一部を日銀に預け入れている訳ではなく、日銀が民間銀行に供給しているものです。また、日銀当座預金はあくまで決済用の預金であるため、基本的に金利が無いことから、民間銀行は躊躇なく国債を購入できます。こうしたことから、我が国の国債は、当然に安定消化されているのが現実ではないかと考えておりますが、見解を伺います。

 加藤財務大臣は、「一たび財政の持続可能性に対する信認が失われたという場合には、金利の急上昇、また、過度なインフレが生じ、日本経済、社会、そして国民生活に多大な影響を与える可能性は否定できない」というおどろおどろしい説明をしております。国債の不履行が考えられない以上、一たび財政の持続可能性に対する信認が失われたという場合があるのか、疑問です。仮にあったとしても、金利の急上昇があれば、国債の買いオペなどを通じて、日銀が適時・適切に対応すれば良いのではないかと考えますが、見解を伺います。

 また、過度なインフレが生じるおそれがあるともしております。一方で、石破総理は「賃金が上がり、家計の購買力が上がることで消費が増え、その結果、物価が適度に上昇することを目指す」としております。現状の物価高は、海外からの原料・燃料高、また供給力不足に由来するコストプッシュ型のインフレと見るべきです。こうした中、需要が供給を上回ることによるデマンドプル型の適度なインフレ、物価上昇を目指すという石破総理の方向性は極めて真っ当です。その上で、望んでいる需要が引っぱるデマンドプル型の適度なインフレすら見通せない中で、過度なインフレなど今心配すべきことではないと考えますが、見解を伺います。

 加藤財務大臣は、様々な有事に備え財政余力を確保するということは政府の責任であるとしております。しかし、有事に備え確保すべきは、国家安全保障戦略に示されている外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力といった総合的な国力ではないでしょうか。経済の状況を見極めつつ、必要な財政支出を的確に行うことにより、国力を維持・強化することが日本の未来を創る王道であると考えますが、見解を伺います。

 石破総理は、我が国の財政は、ギリシャよりもよろしくない状況と説明されました。EUに加盟し、ユーロを通貨とし、金融財政政策を独自に行えないギリシャと、自国通貨である円建てで国債を発行し、金融財政政策を独自に行う事ができる日本を比較することが妥当なのか、甚だ疑問です。
 このような誤った考え方に立ち、誤った説明を続ければ、国民の将来不安を助長し、消費は増えず、経済成長も望めません。それどころか、医療・介護・教育・農業・研究開発などの各分野に加え、年金生活者を含めた国民の生活は疲弊を続けます。
 30年余の経済停滞が続く今こそ、国の懐より、国民の懐を豊かにすべき時です。考え方の転換を求め、質問を終わります。