ニュースリリース
【衆本会議】田中けん議員が子ども・子育て支援法等改正案に対する反対討論
田中健政調副会長(衆議院議員/静岡4区)は19日、国民民主党を代表し、衆議院本会議で議題となった子ども・子育て支援法等改正案に対する反対討論を行った。討論の全文は以下のとおり。
子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案に対する討論
2024年4月19日
田中健(国民民主党・無所属クラブ)
国民民主党・無所属クラブの田中健です。
私は、会派を代表して、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」に対し、反対の立場から討論を行います。
国民民主党は「子ども子育て支援の拡充」そのものには賛成です。また、我が党が重ねて訴えてきた「ヤングケアラー」や「児童手当の所得制限撤廃」などが、内容に含まれていることは、一歩前進と評価をします。
政府は、少子化対策の財源として、「子ども子育て支援金」を新設し、健康保険料に上乗せをして国民と産業界から徴収するとしています。最大の問題は、健康保険に充てるべき保険料の目的外流用であることです。将来の予期せぬ病気や介護などに備えるのが社会保険の本来の役割で、受益と負担の関係が明確であるのに対し、今回の支援金は、この関係が不透明なため、実質的なステルス増税に他なりません。
それでも、岸田総理が無理筋の支援金制度に固執してきたのは、国民の反発が強い増税を避けたいとの思惑があり、給料から天引きされる社会保険料であれば、国民は痛みを感じにくい、何ら合理的な理由がないにも関わらず、まさに取りやすいところからとるという発想です。
また政府は「支援金は歳出改革と賃上げによって実質的な負担生じない」と繰り返し強弁してきました。社会保障の歳出改革で社会保険料負担が抑制されれば、国民の追加負担も抑えられる。そして大幅な賃上げが実現すれば、実質的な国民負担は生じないとの論法です。しかし、年収によっては、毎月の負担額が1000 円や1500円をこえることも明らかになり、この政策で保険料負担が増える以上詭弁であります。春闘においても、 賃上げに至っていない中小・零細企業が数多く存在する中で、子ども子育て支援金を新設することは「負担が増えない」という発言と矛盾します。
さらに、上乗せ分は世代一律ではなく、現役世代に偏って負担が増すことになり、子どもを産み育てる世代への支援と言う少子化対策と逆行します。
また、保険料の事業主負担分は、雇用者報酬の一部ととらえることもでき、事業主の保険料負担が増加することで、従業員の賃上げが抑制されるといった懸念が生まれ、国を挙げて取り組む賃上げに水を差すことになりかねません。
異次元の少子化対策のためには、若者世代、子育て世代、両世代の異次元の可処分所得対策が必要であり、1 日も早く教育無償化を実現し、子どもたちを奨学金返済から解放し、結婚や出産がリスクだと思わない社会を創らなくてはなりません。
国民民主党は結婚したくてもできない、子どもを産みたくても産めない、社会保険料負担で手取りが増えない、もう限界だ、そういった国民から寄せられた一つ一つの声を大切に、人づくりこそ国づくりを愚直に訴えていきます。
税、社会保障、そして国債発行を含め、ごまかすことなく、真正面から堂々とあらゆる選択肢を視野に入れて財源の議論をし、真の意味でこの国の未来のための、子ども子育てをはじめとする「人づくり」の政策に取り組むべきであることを強く訴え、本法案に対する反対討論といたします。