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【衆憲法審】玉木代表が参考人質疑で緊急事態における国会議員任期延長について質問
玉木雄一郎代表(衆議院議員/香川2区)は18日、衆議院憲法審査会に出席し、大石眞・京都大学名誉教授、長谷部恭男・早稲田大学大学院法務研究科教授の両参考人に対する質疑を行った。内容は以下の通り。
憲法審査会発言要旨(2023年5月18日)
国民民主党代表 玉木雄一郎
東日本大震災の時、翌月に予定されていた統一選挙ができず、地方議員の任期を延長する特例法を作り、最大11ヶ月任期を延長した経験がある。私たちは、同じような大規模災害等が国会議員の任期満了時に発生し、70日を超える長期にわたり選挙ができない事態を想定し、国会機能を維持するため国会議員の任期延長を可能とする条文案を作った。
(問1)その前提として、私は憲法の統治に関する条文は準則として厳格に解釈すべきと考える。長谷部先生も2004年1月のジュリストの記事で、「一般的に法規範と言われるものの中には、ある問題に対する答えを一義的に定める『準則』と、答えを特定の方向へと導く力として働くに止まる『原理』とがある。憲法の規定で言えば、参議院の任期を6年とする憲法46条は『準則』に当たると考えるべきであろう」と述べておられる。そこでまず伺いたいのは、憲法で明確に定められた国会議員の4年や6年の任期の延長を解釈や立法で行うことは可能か、それとも、やはり憲法改正が不可欠だと考えるが、両先生のご意見をを伺いたい。
(問2)緊急集会の権能を解釈で「70日を超えて長期に」、また「本予算や条約締結にまで」無制限に広げることは、二院制、そして両議院同時活動を原則とする憲法の規定に違反すると思うが、長谷部先生の考えを伺う。解散から40日以内に総選挙、そして選挙から30日以内に特別会の開会は憲法に明確に規定されている準則であり柔軟な解釈をしてはならない条文だと思う。よって、緊急集会は最大70日以内の期間で国の重要事項を決定する一時的・暫定的な仕組みと解すべきと考える。
(更問)厳格な解釈が求められる準則(条文)とそうでない準則(条文)の境目はどこか。また、その境目は誰がいかなる基準と根拠で確定させるのか。
(問3)あまりに緊急集会を解釈を広げ過ぎると、長谷部先生編の注釈日本国憲法(3)693ページで佐藤功先生も指摘している緊急集会の「濫用の危険」も出てくるのではないか。例えば、内閣が対立する衆議院を解散して、本来は国会会期中に審議すべき案件を、参議院と提携して緊急集会で成立させるという、緊急集会を「国会対策の技法」として用いる危険性も指摘されている。よって、ずるずると解釈で緊急集会の権限を広げてしまうと「緊急集会の濫用」が起こる可能性があると思うが、両先生の考えを伺う。
以上