ニュースリリース
【参本会議】竹詰仁議員が令和5年度地方財政計画ならびに地方税法等の一部を改正する法律案および地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問
竹詰仁議員(参議院議員/全国比例)は 10 日、国民民主党を代表し、参議院本会議で令和 5 年度地方財政計画ならびに地方税法等の一部を改正する法律案および地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する質問を行った。質問の全文は以下のとおり。
令和5年度地方財政計画ならびに
地方税法等の一部を改正する法律案および地方交付税法等の一部を改正する法律案
本会議質問
令和 5 年 3 月 10 日(金)
国民民主党・新緑風会 竹詰仁
国民民主党・新緑風会の竹詰ひとしです。
会派を代表して、令和 5 年度地方財政計画ならびに地方税法等の一部を改正する法律案および地方交付税法等の一部を改正する法律案について松本総務大臣に質問いたします。
国民民主党は「給料が上がる経済の実現」を最も重要な施策と掲げ、今通常国会を「賃上げ国会」にする決意です。賃上げのため、与野党問わず総動員して施策を実行しなければならないと考えます。2023 春闘は労使交渉の山場を迎えようとしており、労使交渉を後押ししなければなりません。また労働組合がない企業にも賃上げを後押しするため、政府も国会も賃上げに資する行動をしなければなりません。
地方税および地方交付税は地方の行財政の要であり、各地域の企業活動と市民生活に直結するものです。地方税および地方交付税が賃上げ、生活の底上げ・底支えにつながることを強く期待します。
【地方税法等の一部を改正する法律案について】
車体課税について
「地方税法等の一部を改正する法律案」では、車体課税に関し、①環境性能割の税率区分の見直し、②グリーン化特例の適用期限の延長、③燃費・排ガス不正行為への対応などが盛り込まれています。環境性能割については半導体不足等の状況をえた措置と理解しますが、今回も抜本的な改革は先送りとなりました。自動車関係諸税は、国・地方の財源に大きな影響を及ぼすと同時に、自動車ユーザーの選択、メーカーの企業戦略、企業行動にも関わり、ひいては雇用や働き方にも関連してまいります。
2050 年カーボンニュートラルの実現に向けて、政府は 2035 年までに新車販売で電動車 100 %とする目標を掲げていますが、メーカーおよび働く側の立場からも目標達成につながる車体課税の在り方を速やかに示す必要があると考えますが、見解を伺います。
また地方の財政需要に対応した税源をどのように安定的に確保していくのか伺います。
固定資産税の特例措置の創設について
中小事業者等の生産性向上や賃上げの促進に資する機械・装置等の償却資産の導入に係る特例措置を創設するとしています。
雇用労働者の 7 割を占める中小事業者の賃上げに資する施策を評価します。
国民民主党は 2 月 28 日、令和 5 年度予算案に連動した税制の見直しのうち、賃上げに資する税制に関しては、赤字企業・事業者が賃上げ原資を確保できるようにするため、法人税、法人事業税、固定資産税も対象とする内容に修正する動議を提出したところです。
一方で、市町村側からは、固定資産税が市町村財政を支える安定した基幹税であることから、こうした国全体の政策的措置は市町村の基幹税を用いて行うべきではないという意見も出されています。
本特例措置による市町村税の減収に対しての、国の支援について、伺います。
法人事業税に係る外形標準課税の見直しの動きについて
外形標準課税について伺います。
平成 16 年度改正において、税負担の公平性の確保、応益課税としての税の性格の明確化、税収の安定化、経済活性化の促進等を図るため、資本金 1 億円超の普通法人を対象に法人事業税の外形標準課税が導入されました。
外形標準課税の対象法人数は、令和 2 年度は約 2 万社となっており、ピークであった 16 年前の平成 18 年度の約 3 万社と比べ、 3 分の 2 まで減少しています。この減少には、外形標準課税の対象外となるために、資本金を 1 億円以下に減資している、または組織再編している背景があるとされています。
全国知事会は、外形標準課税について、資本金 1 億円超の法人を対象とすることを基本的に維持しつつ、安定的な税収や税負担の公平性の確保等の観点から、減資や組織再編の動きに対応するための追加的な基準について検討を求めています。
一方で、日本商工会議所は、外形標準課税は「賃金への課税」が中心であり、人を雇用するほど税負担が増すことから、雇用の維持・創出に悪影響をもたらすのみならず、賃上げの政策に逆行し、経済の好循環の実現を阻害する。外形標準課税の適用拡大には断固反対する」としています。
政府として外形標準課税の在り方について、どのように検討していくのか伺います。
【地方交付税法等の一部を改正する法律案について】
国と地方の税源配分の在り方について
地方交付税に関して質問いたします。
平成 21 年 11 月の地方分権改革推進委員会第 4 次勧告では「国と地方の歳出比率が 4:6 であるのに対し、税源配分が 6:4 であることや、国と地方が対等・協力の関係にあることを考慮し、国と地方の税源配分を 5:5 とすることを今後の改革の当初目標とすることが適当である」とされました。
政府としてこの勧告を尊重しているのでしょうか。
国と地方の歳出比率および税源割合の比率は、この当時から大きく見直されていないと認識しますが、国と地方の税源配分の在り方について政府の考えを伺います。
物価高騰への対応について
物価高騰への対応について質問いたします。
自治体の施設の光熱費の高騰を踏まえ、一般行政経費を 700 億円増額するとされています。
電気代・ガス代は令和 4 年中に高騰していますが、本予算案は令和 4 年 12 月に策定されたものであり、この 700 億円という規模は、令和 4 年の電気代・ガス代の実績は反映できていないと思われます。
また、電気代・ガス代が本年 1 月使用分から値引きが実施されています。
足元における電気代・ガス代の高騰、一方で値引きも実施されているなか、700 億円の算定根拠について伺います。
マイナンバーカードの交付率に応じた普通交付税の割り増しについて
マイナンバーカードの交付率に応じた普通交付税の割り増しについて伺います。マイナンバーカードの普及に向けては、各自治体が創意工夫して鋭意努力を続けております。
「マイナンバーカード利活用特別分」として 500 億円を計上し、マイナンバーカードの交付率が「上位 3 分の 1 の市町村が達している交付率」以上の市町村には、当該市町村の交付率に応じて割り増すとしています。
交付率に応じた割り増し算定を行う理由について、政府は「マイナンバーカードの交付率の高い市町村については、各種証明書のコンビニ交付サービスなど、カードを利活用した取り組みに係る財政需要が多く生じることが想定される」旨、説明しています。
しかし、マイナンバーカードが全国の市町村で相当程度普及してきたなか、こうした財政需要は全ての自治体に共通するものと想定され、交付率で差を設ける合理性があるのか疑問です。
マイナンバーカードの交付率で算定することについて、自治体側とはどのようなコミュニケーションを図り、また自治体はどのように受け止めているのか伺います。
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金について伺います。
令和 2 年度第 1 次補正予算で「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」が創設され、以来令和 4 年 12 月までに累計で 17.1 兆円が予算計上されてきました。
令和 4 年度には、エネルギー等の価格上昇を踏まえ、地方創生臨時交付金に「コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分」および「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」が創設され、臨時交付金の増額・強化が図られました。
令和 5 年度予算策定にあたり、地方創生臨時交付金をめぐっては、地方六団体からは更なる拡充等の要望が出された一方で、財政制度等審議会においては縮減・廃止していく必要があると建議されています。
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが本年 5 月 8 日から 5 類に位置づけられる予定ですが、地方の財政運営に大きな支障が生じないことも重要であり、今後の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の在り方について政府の方針について伺います。
結びに、国と地方が一体となって取り組み、何が何でも賃金が上がる経済を実現しなければならないこと強く主張し質問を終わります。
以上