ニュースリリース
国民民主党 代表定例会見(2025年5月20日)

【冒頭発言概要】
昨日も少しぶら下がりで申し上げましたが、江藤大臣が「米を買ったことがない。そして家には売るほどある」ということを発言し撤回されましたが、改めてこの発言は問題だと思います。ご本人も悪意はなかったと思いますが、ただやはり、いまお米の値段が高く買いたくても十分な量を買えないという方々が多い中で、大変配慮に欠けた発言だったと思います。
加えて私が一番問題だと思うのは、「売るほどある」という発言です。これは結構大事なポイントでして、いま米の値段が高止まりしてるのは、そもそも量はあるけれども、流通で目詰まりを起こして消費者あるいは小売に届かないということなのか、そもそもお米は不足しているのか。ここの認識が違うと取る対策も全然変わってきます。必ずしもよくわかりませんが、政府が今どう考えてるのか、江藤大臣の言葉を借りれば、売るほどあるということはある種お米が余っていて、毎年10万トンずつ需要が減っていくので生産調整・転作奨励しなければならず、そこに何千億円もお金をつけてきたと(いうことです)。
こういう政策体系を継続していいのかどうかが多分問われているのだと思います。そこの基本認識について、もし余っているという前提で政策をやっているとしたら、多分いくらやっても効果が出ないと思います。
例えば40万トンぐらい足りないというときに、31万トン出してもこれは解消されません。多分前提としては(政府は)米は十分な供給量はあるけれども、いろんな理由で目詰まりを起こして届いていないという認識でやっていますが、私どもとしては米はそもそも不足してるだろうと考えています。
その前提で、ある意味増産を促していかなければなりませんし、これまでの生産調整を前提とした、あるいは転作も含めた広い意味での生産調整、供給抑制といった政策を続けていいのかどうかが問われていると思います。それについてのメッセージは出ていませんが、米政策の見直しを再来年の2027年以降やるということになっています。ですが、むしろ米政策の見直しの方向性を速やかに出し、もし仮に十分再生産可能な所得を補償できない価格へ低下するということであれば、まさに我々が言っている新たな直接支払いによって、農家所得を補償していく政策が必要なんだと思います。
小手先の政策にとどまっていることと、あとそもそもお米が足りているのか、足りていないのか、この基本認識を曖昧なまま進めていることが、効果の出ない備蓄米放出政策などに繋がっているのではないかと思いますので、ぜひそういう本質的な議論を明日時間があれば党首討論でやりたいなと思います。
もう一点、もっと問題であると思っていますのは、昨日わが党の浜野議員の質問に対して、石破総理が「日本の財政状況は2009年のギリシャより悪く、問題である」ということをおっしゃいましたが、あれは一国の総理として大変問題のある発言だと思います。
日本国の総理大臣が、自国の国債市場に影響を与えるような発言を平気でするというのを私は信じられません。これは総理発言をきっかけに金利が急騰することだってありますし、国債価格が暴落することだってあり得るわけです。ちなみに当時のギリシャの財政赤字の対GDP比率は15. 4%です。それに対して、財務省・内閣府が出してる数字を申し上げると、今年度の日本の財政赤字の対GDP比率は1.8%です。アメリカよりも圧倒的に良いです。
こういう客観的なデータを示しつつ財政運営をやっていかないと、間違った認識と間違ったデータで、それで減税はしませんとかそういうことを言われても、逆に大丈夫かなと思ってしまう、そんなやり取りでありました。
もちろん、我々としても財政規律やあるいは財政の健全性には十分配慮しておりますが、ただそもそも間違った認識で、しかも自国の債券市場や自国の国債を、総理自ら下げるような発言は厳に慎んでいただきたいと思います。マーケットにも極めて大きな影響を与えますから、これは厳しく申し上げたいです。それこそトラスショックがありましたけれども、このことで国債が暴落したり、金利が急騰したら石破総理の進退に関わる問題ですよ。あのような発言は慎んでいただくよう強く求めたいと思います。