ニュースリリース
国民民主党 代表定例会見(2024年1月9日)
【冒頭発言概要】
能登半島地震によって多くの方の命が失われました。亡くなられた方に心からのお悔やみを申し上げます。そしてたくさんの方が被災をされています。お見舞いを申し上げるとともに、被災者支援、生活の再建、そして道路をはじめとした崩壊したインフラの復旧復興に全力で我々としても取り組んでいきます。
今朝の7時半の時点で内閣府防災からいただいた資料を見ますと、まだ1万5500戸が停電をしております。加えて6万3562戸で断水中ということです。発災から1週間経って、数万を超えるご家庭にまだ電気も水も供給されていないということは、いかに今回の震災の復旧が難しいかということを表していると思います。北陸電力の現場で働く皆さんからも声を直接いただいておりますけれども、復旧はしたいけれども現地に行けないと。これは道路が陥没・隆起していることに加えて、道路渋滞が非常に厳しくなかなかたどり着けないこともあります。先般の与野党の党首会談でも、災害対策基本法に基づく道路規制をかけて、まずは緊急車両やインフラの復旧のために必要な車両・人員が現地に行けるようにしてくれと総理に申し上げました。合わせてこの3連休は、不要不急の一般車両の乗り入れについては控えてほしいと、X(Twitter)などで私も発信しましたし、ご協力を求めてきたところです。
ただ発災からも1週間経ちまして、過去の例を考えると、これからいわゆる震災関連死が非常に増えていく段階に入ってきます。特にエコノミークラス症候群や、インフルエンザ、コロナといった感染症の拡大は既に報告されております。こういった避難所、被災者支援ということに、よりきめ細かく万全を期していく必要があると思っております。その上で、プッシュ型支援を政府もしっかりやってることについては評価いたします。
来年度の予算案が昨年の12月に決定されましたが、今日、その予備費を増額する閣議決定が行われると思います。これは総理からも説明がありましたが、私は4月以降に使える予備費を増やすという対応では間に合わない可能性があるので、年度内、つまり今月、来月2月、再来月の3月と、年度内における財政出動・財政支援を万全にするために、令和5年度第2次補正予算をすみやかに編成すべきだと思います。過去の例を一つ申し上げると、阪神淡路大震災は、通常国会の開会前の1月17日に発生しました。翌2月の24日に提案理由説明が行われて、与野党の協力で2月28日には平成6年度第2次補正予算が成立しています。つまり発災から40日で1兆円を超える、1兆223億円でしたけれども、補正予算が編成されております。4月以降の予備費を増やすということは否定しませんが、急ぐのは1月2月3月の対応です。4600億円の予備費が余っていると言いますが、足りないと思います。ですから政府におかれては、今日閣議決定いたしますが、同時に今年度の第2次補正予算編成に着手すべきだと改めて求めていきたいと思います。40日で同じように成立することができるということであれば、今度は1月1日が発災ですから、2月の10日には補正予算の成立が可能です。我々も全面的に協力しますから、年度内の財政出動・財政支援に不足が生じないように、速やかに補正予算の編成に入ることを求めたいと思います。
その中で特にこれから重要になってくるのが、被災者の生活再建です。被災者生活再建支援法に基づく支援金がこれから出ていくと思います。ただ全壊のご家庭については、生活支援のための100万円と家屋の再建のための200万円、最大300万円というのが上限です。ただこれは2004年の20年前から1円も変わっていません。なぜかというとデフレだったからです。ただ今、大阪万博を見ても、資材や人件費などいろいろな物価が上がってるということで、1.9倍になった例は皆さんご存知の通りだと思います。であれば、被災者の家屋の再建等についても、やはり物価が上がっていますから、この上限300万円という額は法改正をして、引き上げるべきだと思います。それに伴う財政支援は補正予算で万全の措置を行うということをセットで、まもなく始まる通常国会の冒頭で処理すべきだと思います。もちろん当面、今申し上げたエコノミークラス症候群であるとか、感染症対策といった、災害関連死をどう防いでいくのかが非常に重要です。けれども同時に、我々立法府の人間ですから、予算をどうするのか、法律をどう改正するのかということを先手先手で取り組んでいくことが必要だと思います。国民民主党としても必要な法律の改正案は、急ぎ提出を行っていきたいと思います。我々はもちろん現地に行ってボランティアをしますが、立法府の人間しかできないことを、今は先手先手でやることが重要だと思います。国民民主党は政策先導型ということを掲げてまいりましたので、この震災復興においても、そういった先導的な役割をしっかりと果たしてまいりたいと思っております。
次に、池田佳隆議員が逮捕されました。また、さらに自民党の議員が逮捕されるという話も聞いております。この件については極めて深刻かつ重大な問題だと捉えております。現職の国会議員が逮捕されると。いくつか例が出ているので我々としても慣れてしまっているような感覚になってるのは非常に問題だと思います。政治資金規正法の収支報告書に不記載ということで逮捕者が出たのは、これも20数年ぶりではないかなと思います。それだけ深刻な事態が生じていますし、かつ池田議員や他の議員の証言によると、派閥の指示で記載しなかったということであれば、一個人の問題ではないはずです。また一部報道によると、当時の安倍会長がやめるべきだということに対して、一部議員から反発が出たので継続をしたという話も聞いております。であれば、その時点で明確に違法性の認識があったわけですから少なくともそれ以降の、会計責任者のみならず派閥のお金を扱っていた事務総長を初めとした関係者にも、やはり責任を問わないとおかしいことになってしまうと思います。
この捜査の全容がどのようになるのかということは、しっかりと我々としても見守っていきたいと思いますが、同時に事実関係を最も知るのは自民党であり安倍派の幹部の皆さんです。ぜひこれは自民党としての自浄作用を発揮していただいて、全容解明に最大限努めるべきだと思います。捜査機関に単に委ねる話ではないと思います。そのことができなければ、先般立ち上がった刷新本部が出してくる中身についても、不十分なものになってしまうと多くの国民の皆さんも思ってしまいます。ぜひ事案の究明というものは自民党としてもやるべきだし、同時にかなり踏み込んだ、本当に変わるんだ、こういうことが二度と起きないんだと思われるような改革案を自民党からもしっかり出していただきたい。特に若手には、おかしいと思っている人もいると思います。ですから若手が奮起して、かなり大胆な改革を出していかないと、政治に対する信頼も、自民党のみならず日本の政治に対する信頼が回復しないと思います。まもなく具体的な議論が始まると思いますが、特に自民党の若手にはどんどん上を突き上げて、しっかりしたものをまとめてもらいたいと思います。
我が党は、明日も政治改革本部を古川本部長のもとで開いて、この通常国会に提出する改革案の概要をまとめたいと思います。すでにいくつか頭出しをしていますが、本人自身の責任が問われる連座制を導入するなど会計責任者だけの責任に押し付けないような仕組みが必要ではないか。また組織的に不正を犯した政党に対しては、政党助成金の交付を停止するとか減額するとか、そういったペナルティも検討する必要があるのではないか。また、領収書がいらないお金として非常に透明性の低い旧文書交通費、そして組織活動費、これらの透明性をどう高めていくか。これも改革していかなければいけない課題だと思います。通常国会までには政治資金規正法等の改正案を国会に提出したいと思います。