ニュースリリース
国民民主党 代表定例会見(2023年11月7日)
【冒頭発言概要】
政府の経済対策について改めてコメントします。規模としては17兆円ぐらいということです。まだ中身が分かりませんので評価は差し控えますが、週末の世論調査などを見ると、岸田内閣の行う減税について極めて評判が悪いということが出ております。ただ、ということは減税はいらない、増税でいいのかというと、そうでもないと思います。私は今の経済状況のもとでは減税は必要だと思いますが、今出している所得税(減税)の中身と、その説明が極めてまずい。そのことによって減税全体についてのイメージを悪くしているのが一番まずいと思います。何が一番まずいかというと、なぜ減税するのかという目的と、税制改正・所得税改革の哲学が全く伝わっていないことだと思います。唯一、選挙のためという目的だけは何となく伝わっています。
国民民主党はそうではなく、今いわゆる「ブラケットクリープ」と言って、物価や賃金が上昇するときに国民の所得の上昇率以上に税収の増える率が高まり、かえって可処分所得が減ってしまうので、インフレ時代に合わせた所得税改革(インフレ調整)をやらなければいけないので、基礎控除等の引き上げによる減税を提案しています。そもそも基本的な認識として「ステルス増税」といって、何も税率を変えていないけれども結果として国民の負担が増える、隠れた増税が行われています。これに対する対策を打たないと消費が非常に冷えてしまって、ようやく持続的賃上げの流れが出てきていますが、これが消えてしまうことが何よりも残念だと思います。
ですから改めて、今からでも遅くないと思いますので、もう一度この所得税減税についての目的と哲学をきちんと国民に説明する、「ステルス増税」対策なんだということをちゃんと言わないと。減税してまたすぐ増税するとか、時限とか、2万円じゃ駄目なので4万円にするとか、哲学のない話ばかりが出ていることが、減税に対する支持が非常に低い一因だと思います。こういったことはこれからも国会審議の中で、また具体的に補正予算が出てくれば予算委員会などでも議論がなされますので、改めて私からも総理にしっかりと伝えていきたいと思っております。
もう一つは、実感としてすぐ物価高騰対策に直接届く政策がないことが一番大きいと思います。そういう意味では、今非常に低迷する支持率を回復することを本当に考えるのであれば、ガソリン減税やるべきだと思います。トリガー条項の凍結解除でもいいし、我々が申し上げてる(ように「当分の間税率」を廃止して、)今補助金でやっているものを減税に変えて明確に25円10銭下げるとか、そういったわかりやすい直接届くメッセージを出さないと、ズルズルと支持が失われていくのではないかと思います。ぜひ、所得税減税などについての目的・理念をしっかり語ること、そして多くの国民が求めているガソリン減税を決断することを、引き続き求めてまいりたいと思います。