国民民主党 つくろう、新しい答え。

ニュースリリース

国民民主党 代表定例会見(2023年3月14日)

【冒頭発言概要】

 いよいよ今日、明日、明後日が春闘の集中回答日ですが、明日われわれが求めてきた政労使会議が行われます。大手で比較的いい結果が出ております。満額回答もけっこう出ていると承知していますが、これをいかに労働組合も無いような中小企業や非正規労働者に広げていくかが最大の課題であり、山場を迎えていると思います。

 その中で政府としても、予備費を使って追加の対策を行うという話が出ています。17日にも与党から政府に対して、取りまとめた内容を申し入れをするという話になっています。それに先立ち、我々として2月7日の時点ですでに総理に申し入れをしておりますけれども、改めて賃上げを実現できる環境を、特に中小企業で作るために、以下の提案をぜひ実施してほしいということを、昨日礒﨑参議院議員から岸田総理に質疑の中でも申し入れましたし、自民党・公明党・国民民主党の三党の協議会の場でも同様の趣旨を申し上げています。

 我々として重視しているのは、とにかく可処分所得を上げる、賃金を上げるためには中小企業における賃上げ原資の確保が重要だということです。気になるのは、昨年10月から12月のGDPの改定値で個人消費が下方修正され、縮小してきているとはいえ需要不足が11兆円程度存在していることです。エネルギー価格の高騰が中小企業が賃上げをすることの大きな足かせとなっています。ここは予備費が4.7兆円ありますので、予備費を活用した追加の電気代の値下げ、また支援対象外となっている特別高圧の電気代の値下げ、同様に支援対象外となっているプロパンガスの値下げ、これをしっかり使って追加の値下げをやってほしいと改めて強く申し入れます。昨日の礒﨑参議院議員と総理とのやりとりで、総理の指示の中に我々が求めてきた特別高圧の値下げやプロパンガスの値下げの検討も入っていたことが分かりました。我々がこれまでずっと求めてきた成果が出てきているのかなと。また昨日浜野参議院議員と自公との賃上げの実務者協議の中でも特別高圧について、すべては難しいにしても一部は検討しているという話、またプロパンガスについてもさらなる値下げの検討をしているという話がありましたので、実現に近づいていると思います。もう一声言ってさらなる値下げを実現していきたいと思います。

 あとはこれまで我々がずっと主張している、あと15億円あればできる障害児福祉の所得制限撤廃などの子育て支援の強化、あとは所得が上がると年収の壁に引っかかってきますのでこれを突破するための給付などの対応を是非してほしい。

 貧困の子育て世帯に対して5万円を給付するという話が自民党からも公明党からも出ていて、また先般出された立憲民主党の法案でもそうなっていますが、我々は一律給付にこだわりたい。困っているのは子育て世帯だけではありませんし、またいわゆる貧困層と呼ばれる世帯だけに限らないので、消費の減少を抑えるという意味では、一律給付のインフレ手当を行うべきです。額については予備費の範囲があるので検討が必要だと思いますが、我々としては一律給付にこだわり、後で所得の増えた人は課税して戻してもらうという形でやりたい。子育て政策をやるのであれば所得制限は入れるべきではないと思いますし、貧困対策を行うのであれば子どもの有無を問うべきではない。所得の低い子育て世帯に限って5万円を給付するというのは社会の分断を生んでしまうのではないか。哲学が見えにくいと思います。子育て支援であれば所得制限を外す。貧困対策であれば子どもの有無にかかわりなく給付する。我々は経済対策として必要だという視点がありますので、インフレ手当を一律給付するのがシンプルではないかと思っています。

 最後に全国旅行支援について。経済波及効果も大きくなってきていますので、引き続きサポートする。特にコロナで傷んだホテル、観光、旅館、バス、鉄道事業者、航空運輸、こういったところを集中的に支援する意味でも、全国旅行支援は非常に相乗効果も高く効果があると思うので、予備費で対応して継続していくべきです。

 今週は本当に重要な一週間だと思います。持続的な賃上げ、来年にもつながっていく賃上げが果たして実現できるかどうかというのは、今週に懸かっているといっても過言ではないと思います。政労使会議の場で中小企業にも広げていくというときに、「政府としてはこういうことをするから、ぜひ企業の皆さんにもできるだけ頑張って賃上げの流れをさらに加速させてもらいたい」と、政府も自分がやることを言ったうえでやらないと。「はい、労使頑張ってください」というだけでは足りません。ぜひ今私が申し上げたことを今後まとめる追加対策の中にも入れて、政治としてそうしたメッセージを出しながら労使の交渉をしっかり応援する、あるいは労使の交渉がないような職場で働く人のためにも頑張る必要があります。今週は賃上げ加速週間ということで、ありとあらゆる手段を講じる。そして統一したメッセージを出す一週間にしていきたいと思います。