ニュースリリース
国民民主党 代表記者会見(2021年8月26日)
【冒頭発言概要】
昨日、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の対象地域が拡大をされ、総理が会見をされました。様々な対策を出しておりますが、非常に失望したのは新たな病床確保の具体的な政策が出てこなかったことです。国立病院機構に対し東京で200床の病床追加を求めるという話がありましたが、これに関する資料を厚労省から取り寄せたところ、7月末時点で確保病床が128ということになってますので、200といっても追加でどんなに多く見ても70ぐらいしか増えないということです。かつ先月末の時点で用意していた128病床に対して受け入れ患者数が70名ということなので、病床があっても、そもそも人、つまり医師、看護師、また必要な機器がないので、受け入れることができないような状況になっているところに、数字上200という数字を出して積み増しても、実際に受け入れができないんじゃないのかということがこの厚労省の資料からも明らかなので、果たして本当に実効的な病床確保策が取れているのか、というのはむしろ昨日会見を聞いて非常に不安になりました。
一方で、対象地域が拡大することによって、飲食店に限らず経済的な影響が相当出てくると思います。すでに(影響が)出てきていると思いますが、それに対する具体的な支援策の拡充のメニューも全く語られませんでした。総合支援資金の申請の期限を11月末にするなど、延ばしたことによって自動的にやるような話がありますけれど、それだけではなく、さらに困窮する国民に現金給付を行うとか、あるいはかつての持続化給付金のような事業者支援、我々が提案している事業規模に応じた支援策ということが全く示されないままに、一部予備費を使うことになりました。今こそ、必要な法改正や補正予算編成のために速やかに国会を開くべきだと思います。国会を開かないで何を言っても、それはもう弾が入っていない鉄砲を撃つようなもので、全く効果がないというふうに思われます。
それにも関わらず、昨日会見で総理が「明かりははっきりと見え始めています」と発言されています。緊急事態宣言を解除する会見で、明かりがはっきり見えるというなら分かるんですが、日本のほとんどの地域に緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置を拡充するという会見で「明かりがはっきり見える」というのは不適切な発言だと思います。
厳しい状況なので緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置を拡充する、だからこの緊張感を持って国民の皆さんに協力してくださいというなら分かりますが、毎回プラスのメッセージとマイナスのメッセージを混在したメッセージを伝えるので、「緊急事態宣言だからしっかり自粛しなきゃいけないんだ」と思わせるよりも、「明かりが見えてるんだったら、もう別に何もしなくても自然体でその明かりに近づいていくだろう」というふうに、受け取ってしまう人もいると思います。方向の異なるメッセージを出し続けていることが、効果が出ない一番の理由だと思います。緊急事態宣言下でオリンピックやったこともそうですし、振り返ればGoToキャンペーンをやりながら、感染が抑えましょうということもそうです。前に進んでいいのか、後ろに下がらなきゃいけないのかが伝わらないので、国民は困惑しているし、下がろうという気持ちが出てこない。本当の危機のときのリーダーの発言、コミュニケーションとして、昨日の発言は不適切だと思いますし、典型的なその例だと思いますので国民の皆さんに何かお願いするのであれば、伝え方については相当言葉を選んでいただきたいです。以上です。