ニュースリリース
国民民主党 代表定例会見(2021年2月10日)
【冒頭発言概要】
緊急事態宣言が延長になっていますが、一部解除される動きがでてきています。特措法改正により新たに設けられた「まん延防止等重点措置」は、法改正議論のなかで何度も問題点を指摘しましたが、いまの措置よりも厳しい措置になっています。緊急事態宣言からまん延防止措置にダウングレードされると一般的に言われますが、実際ダウンするのは協力金の金額だけではないでしょうか。より厳しい命令や罰則がかけられる措置になる一方で、緊急事態宣言発令地域ではなくなるので、地方創生臨時交付金の支援などがかえって薄くなってしまい、いま出されてる協力金が出なくなる心配があります。
また、移行にあたりさまざまな問題が生じる可能性があります。今日、山尾議員が予算委員会で質問に立ちますが、特措法改正の問題は引き続き取り上げます。地元の香川や島根で聞きましたが、自粛要請に応えると協力金がもらえるため、知事に対して自粛要請を出してくれと声が上がっているそうです。奇妙な話です。特措法にもとづく要請あるいは命令は、影響をうけた事業者、とりわけ飲食店・ホテル・宿泊施設は業種を絞らずに、国の法律に関わらず、苦境に立たされている事業者を救う新たな仕組みが必要だと考えます。
そういった意味から、かつてから提案している日本版「PPP」(給与保護プログラム)の速やかな導入を求めます。さまざまな諸経費をすみやかに融資し、一定条件をみたせば返済免除する。アメリカのPPPを参考にした、事業の規模に応じた支援ができるような、新たな支援策を提案していきます。法案の概要がまとまったので、各党にも呼び掛けて、事業規模に応じた支援が可能となるような仕組みをぜひつくりたいです。そうしないと、宣言が解除になることは望ましいですが、それによって支援も薄くなり、罰則は厳しくなります。ちぐはぐなことが起こらないように、支援措置の充実、規模に応じた支援づくりがこれから必要になってきます。対案がまとまってきたので、各党を巻き込んで実現したいと思います。
中国海警法の施行でステージが変わりました。南西諸島の島嶼防衛の守りをより強固なものにしなければなりません。我が会派の井上議員が先週の予算委で質問して明確に答えがありました。武器使用はわが方からもするし、海警局も今回の法改正で武器使用するということです。政府は、尖閣周辺で武器の使用がたがいに行われる可能性を否定しませんでした。これは結構重大なことです。そういったことに備える構えが十分かどうか議論になりました。現在の海保の船、あるいは人員体制、これでは不十分だろうと考えます。我々は「領域警備法」という法律を2019年に単独で出していますが、新しい事態の変化にともなって、その中身でいいのかどうか、アップグレードを含めて検討をはじめているところです。やはり対外的な我が国の防衛の拡充の観点からも、法改正も含めて提案したいですね。
以上が、コロナとそして領域警備に関するわが党からの方針です。
もうひとつ、孤独対策について。一歩前進です。政府が連絡会議を設置することになりました。「望まない孤独」という言葉を総理・長官も使うようになり、かなり進展してきたと感じています。やはり責任者としての担当大臣を置いてほしいということと、政策として向き合う“望まない孤独”の定義、指標の開発を提案しています。あわせて、孤独対策基本法を超党派でつくって、国として総合的に向き合う姿勢が大事です。ぜひ積極的に立法提案をしていきたいと思います。
依然として(森会長の)発言の波紋がとどまらないどころか、世界各地に届いています。IOCも相当厳しい。inappropriateと言って強く非難する方向に舵を切っています。17日にバッハ会長と会談があります。国際的にも問題になっているので、日本として姿勢を示していくべきです。矢田わか子(男女共同参画推進)本部長が橋本大臣に面会して、この問題については橋本さんに権限はないが、速やかにやめたほうがいいとお伝えしました。あわせて、根本的なジェンダー平等の社会にしていくべきだいうことで、とん挫した選択的夫婦別姓の推進の話、女性差別の撤廃条約を批准し前に進めないといけないという話もしました。「ILO111号」条約、労働における性差別の禁止、およびさまざまな国際的なルールや約束、価値観に、日本はきちんと向き合わないといけない。それが今問われています。森会長の問題だけではなく、このことが象徴している「日本のジェンダーイクオリティを早期に改善するべきだ」というメッセージを発するべきだと伝えてもらいました。我が党としてもそういった観点で取り組みたいです。
(以降は動画を参照)