ニュースリリース
【衆本会議】玉木代表が高市総理の施政方針演説に対する代表質問で登壇
玉木雄一郎代表(衆議院議員/香川2区)は25日、衆議院本会議において、高市総理大臣の施政方針演説に対する代表質問を行った。全文は以下の通り。
第221回国会における高市内閣総理大臣施政方針演説に対する代表質問
令和8年2月25日
玉木雄一郎(国民民主党・無所属クラブ)
国民民主党代表の玉木雄一郎です。まず、高市総理に対して祝意を申し上げます。国民から与えられた大きな政治的パワーを使って、これまで長年できなかった政策の転換を期待します。私たち国民民主党も、対決より解決、政策本位の姿勢で、日本経済の成長と国民生活の向上、日本の独立自尊を守る政策には協力します。そして、大勝した今こそ、野党の意見や野党に託された多様な国民の意見にも耳を傾け、丁寧な政権運営を行うことを求めて質問に入ります。
■ 選挙結果と政権運営の基本姿勢
(来年度予算案は、従来に比べて本当に積極財政か)
最初に、高市総理が政策転換の「本丸」と呼ぶ「責任ある積極財政」について伺います。 まず、「積極財政」の意味について伺います。総理は施政方針演説で、これまでの財政運営を「行き過ぎた緊縮志向」だったと批判されました。しかし、高市政権で編成した来年度予算案を見ると、①1.3兆円のプライマリーバランスの黒字を実現、②国債発行額は30兆円以下に抑制、③医療費を高齢化率以下に抑制、④補正予算を前提としない予算編成など、私にはむしろ、来年度予算の方が従来以上に引き締まった予算に見えます。また、施政方針演説に、昨年の臨時国会で講じた物価高騰対策についての言及はあったものの、新たな物価高騰対策についての言及はありませんでした。来年度予算は、どういった点で「行き過ぎた緊縮志向」を脱却し、「これまでの政策の在り方を根本的に転換して」いるのか説明してください。
(「責任ある積極財政」とは)
次に、「責任ある積極財政」のうち「責任ある」の意味について伺います。高市総理が、単年度のプライマリーバランス目標を見直し、複数年度で管理する財政運営に転換したことは評価しています。一方、金利の急騰や過度な円安を招かないためには、マーケットの信任を得ることが不可欠であることは言うまでもありません。
まず、高市内閣が提唱する「責任ある積極財政」の「責任ある」とは、具体的に何を意味するのか、その責任を具体的にどのような「指標」で達成しようとしているのか、内外のマーケット関係者、とりわけ債券市場の関係者に向けて具体的に説明してください。
そして、マーケットとのコミュニケーションを具体的にどのように取っていくのか伺います。政府が「責任ある」「責任ある」と連呼するだけではダメです。市場関係者がどう受け取るかが重要であり、発行年限構成などの国債管理政策を透明化する必要があります。そこで、国民民主党は、アメリカの財務省に設けられている国債発行諮問委員会 (TBAC:Treasury Borrowing Advisory Committee)のような市場参加者を入れた専門的な助言機関を創設することを提案します。内外の市場関係者から見たときの高市政権の経済政策の解像度をもっと上げる必要があると考えます。
(「名目成長率(g)>名目利子率(r)」をどう保つのか)
次に、金利と成長率の関係について質問します。高市政権では、債務残高の対GDP比率を安定的に低下させることを財政の持続可能性の指標にしていますが、そのためには、名目GDPの成長率が国債の利子率を上回っている状態、すなわち「ドーマー条件」が満たされていることが必要です。しかし、先月22日に政府が発表した「中長期の経済財政に関する試算」の「過去投影ケース」では、来年度2027年度にも金利が成長率を上回ることになっています。そうなれば「責任ある積極財政」を続けられなくなります。政府債務が発散しないためにも、金利を上回る成長率をどのように維持していくのか、その戦略をお示しください。
■「もっと手取りを増やす」政策
手取りを増やす方法は3つです。①減税、②社会保険料負担の軽減、③電気代など生活コストの引き下げ、です。今日はこの順に、政府の具体策を伺います。
(基礎控除の所得制限の撤廃)
昨年12月に所得税の「103万円の壁」を178万円まで引き上げる合意ができたことは、現役世代の手取りを増やすための大きな「第一歩」となりました。年末調整や確定申告で戻ってきたと喜びの声も届いています。ただ、宿題も残っています。その一つは、政府・与党の強い要請で残ってしまった基礎控除の所得制限、「665万の壁」と「850万の壁」です。2019年以前は、基礎控除には所得制限が全くありませんでした。中高所得者層の労働意欲を削ぐ基礎控除の所得制限については撤廃すべきではないでしょうか。昨年末に厳しい交渉をさせていただきましたが、来年度予算案でプライマリーバランスの黒字が1.3兆円もあるなら、所得制限の壁を撤廃しても財源的には十分対応可能だったのではないでしょうか。総理の見解を伺います。
(住民税控除額の引き上げ)
宿題のもう一つは住民税の「110万円の壁」です。所得税のみならず住民税の控除額もインフレ等に連動して引き上げなければ、国民の「手取り」は増えません。働き控えも十分に解消されません。国民民主党は、地方財政に十分配慮することを前提に、住民税の控除額についても、インフレ等に連動させて178万円目指して引き上げるべきと考えますが、高市総理の考えを伺います。なお、低所得者支援の基準として「住民税非課税世帯」を採用している各種福祉制度があり影響を心配する声もありますが、所得に加え資産も反映した新たな基準に見直していくべきです。
(インフレ調整制度の導入)
今回、国民民主党の提案により、30年ぶりに所得税・住民税の控除額の見直しを行うことができましたが、今後とも、インフレ率や最低賃金上昇率に自動的に連動させるインフレ調整の仕組みが必要と考えますが、政府の方針を伺います。
(年少扶養控除の復活)
参院選の前から全国を回って一番多かった政策要望が、16歳未満の子どもがいる親の年少扶養控除の復活でした。15年前までは16歳未満の子ども一人につき、所得税38万円、住民税33万円が控除されており、所得税率10%の世帯で子ども一人あたり年約7万円以上の減税になります。年少扶養控除を復活させることにより、子育て世帯の手取りを増 やすべきと考えますが、高市政権の考えを伺います。
(障がい児福祉の所得制限撤廃)
また、年少扶養控除と同様要望が多いのが、障がい児福祉の所得制限の撤廃です。補装具の補助については所得制限撤廃を実現できましたが、特別児童扶養手当など障がい児福祉の所得制限は全廃すべきだと考えます。総理の見解を伺います。また、18歳を超えた障がい者の居場所づくり、いわゆる「18歳の壁」対策についてもあわせて伺います。
■ 食料品消費税ゼロの検討と実務的課題
次に、高市総理の選挙公約の目玉である「2年間限定の食料品消費税ゼロ」について伺います。もし、それが民意であり、総理がやりたいのであれば実現に協力します。ただ、 心配な点が多々あるので、そうした課題の解決が大前提です。今から懸念を10個申し上げます。国民会議で検討しましょうと逃げずに、ぜひ、誠実な答弁をお願いします。
(食料品消費税ゼロの開始時期)
まず、実施時期です。食料品の消費税ゼロは具体的にいつから可能となるのかお示しください。スマートレジの整備が経済産業大臣への指示書の中に入っていましたが、スマートレジが入ったとして、最短でいつ食料品の消費税はゼロになるのでしょうか。選挙期間中に総理が仰った「来年度中の実施を目指す」意向に変わりがないか確認します。
(非課税取引か課税取引か)
次に、税法上の位置づけです。「飲食料品については、2年間に限り消費税の対象としない」と公約にも書かれていますが、これは、「非課税取引にする」という意味か、それとも「課税取引だが免税あるいはゼロ税率」という意味なのか。仕入れ税額控除や還付が認められるかどうかなど事業者への影響も大きく変わってくるので、「消費税の対象としない」ことの税法上の位置づけを明確にお答えください。
(対象品目は何か)
3つめとして、「飲食料品」の範囲です。酒類や外食、ケータリングなど、現在は軽減税率8%の対象となっていない品目も含めて飲食料品の消費税をゼロにするのか伺います。
(飲食店や農家への支援策)
4つめとして、影響を受ける飲食店や農家への対策です。週末地元に帰って農家と飲食店の経営者と話をしましたが、食料品消費税ゼロだけは絶対にやめてくれと強い反対の声をいただきました。議場の皆さんも、同じ声を聞いているのではないでしょうか。
免税あるいはゼロ税率にするなら、事業者や農家には、仕入れ税額の還付制度が必要になります。その際、還付申告書や明細書の作成など、増える事務負担に対しどのような支援を行うのか、さらに、還付を受けるまでの資金繰り対策をどのように考えているのか、あわせて伺います。
5つめとして、「外食離れ」への対策です。飲食店は、外食とテイクアウトの価格差が現在の2%差から10%差に大きく開くことになり、「外食離れ」が進むと懸念されています。食料品消費税ゼロによる「外食離れ」が外食産業に与える影響とその対策について、どう考えているのか伺います。
6つめとして、簡易課税を選択している事業者への影響です。農家全体の9割を占める売上高5,000万円以下で簡易課税を選択している農家は、売上税額がゼロになるので控除自体もゼロになり、負担した仕入れ税額分を控除できなくなります。インボイスを導入して課税事業者に切り替えるか、販売価格にコスト分を上乗せして値上げするか、自腹を切るしか選択肢がなくなります。いずれにせよ農家の経営を著しく圧迫することになります。簡易課税を選択している事業者への影響とどのような対策を考えているのか、総理の見解を伺います。
(3つの複数税率による事務負担の増加)
7つめとして、税制の複雑化です。そもそも、消費税率が10%・8%・0%の3つになればややこしいし、インボイスが不可欠となり事業者の実務はさらに複雑化します。消費税率10%・8%・0%の3つの税率が混在する税制は、税の3原則である「公平・中立・簡素」 に反するのではありませんか。総理の考えを伺います。
(2年後に戻せるのか)
8つめとして、減税期間です。「2年間限定」の減税といっても、本当に2年後に戻せるのでしょうか。仮に、2年後に景気が悪くなっていたら、食料品の消費税を0%から8%に上げることは、大幅な増税になるため景気に悪影響を与えることになります。景気が悪くても必ず2年で食料品の消費税を8%に戻すのか、それとも、減税が2年以上続く可能性があるのか伺います。もし2年で戻せない場合は、本則税率を10%以上に、例えば12%に引き上げることも考えているのか、あわせて伺います。
(地方の財源の確保)
9つめとして、地方税収への影響です。消費税を減税すれば、地方消費税分の税収が減ります。地方自治体が行っている子育てや介護サービス等の停滞を招かないよう、国による減収補填を行うつもりがあるのかどうか伺います。
(5兆円の財源確保)
これで最後になりますが、10番目として、財源確保の問題です。高市総理は「赤字国債を発行せずに、租税特別措置や補助金の見直し、税外収入で対応する」との方針を示して います。私も、消費税減税だけの財源なら何とかなると思います。ただ問題は、今後、防衛力の強化や社会保障関係費の増大などへの財源確保措置も必要になってきます。トータルとして赤字国債の発行を増やさずに消費税減税を実施できると考えているのか、それとも、他の歳出項目は赤字国債で賄わざるを得ないと考えているのか、歳出・歳入の全体像を語ることが「責任ある積極財政」だと考えますが、総理の見解を伺います。
(日銀保有ETFの売却期間の短縮による財源確保)
財源確保について、国民民主党の案をいくつか提案しておきます。昨年の予算委員会でも提案しましたが、現在、日銀は大規模金融緩和の一環で大量に買い入れた時価約100兆円の上場投資信託、ETFを110年以上かけて売却しようとしています。このETFの売却期間を、買い入れにかけた時間と同程度の15年から20年に短縮すれば、年間約4~5兆円の売却収入を得ることができます。高市総理、株高によるメリットを国民に還元するため、真剣に検討してもらえないでしょうか。その他にも、外国人の消費税免税措置を止めることによる増収も提案しているので、新たな財源確保策として検討をお願いします。
(「国民会議」の位置づけ)
「国民会議」が税と社会保障の問題について、党派を超えて議論する建設的な場になることを期待していますが、仮に、「国民会議」で意見がまとまらなかった場合は、野党の反対を理由に食料品消費税ゼロをやめるのでしょうか。それとも、意見がまとまらなくても食料品消費税ゼロを実施するのでしょうか。総理の本音をお答えください。
国民民主党としては国民会議の参加を否定するものではありません。ただ、建設的かつ迅速な議論をするためにも、まずは、衆議院で3分の2以上の議席を占めている自民党に、今、私が指摘した懸念への回答を含む具体的な消費税減税案をお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(消費税は単一税率+インボイス廃止が望ましい)
なお、国民民主党としては、もし消費税の減税をするなら、食料品だけゼロにするのではなく、全ての品目を単一税率で引き下げた方がいいと考えます。仮に5兆円の減税財源があるなら、例えば一律8%に減税することも一案です。単一税率であればインボイスがなくても帳簿保存方式で対応可能であり、より「簡素」な税制となりますが、総理の見解をお示しください。
■ 国民民主党版給付付き税額控除→「社会保険料還付付き住民税控除」
(給付付き税額控除までのつなぎ措置は、消費税より所得税・住民税の減税で)
次に、「給付付き税額控除」について伺います。高市総理が、消費税減税はあくまで「給付付き税額控除」までのつなぎの措置であり、本丸は給付付き税額控除だと考えているなら、給付付き税額控除を優先的に議論してはいかがでしょうか。
そして、給付付き税額控除への「つなぎ」としての減税を考えるなら、それは消費税の減税ではなく、所得税か住民税の減税でやるのが筋です。なぜなら「税額控除」は、結局、 所得税・住民税の税額控除としてやることになるからです。消費税減税から所得税・住民税の減税への移行は税目が異なるので「つなぎ」になりません。そこで、国民民主党が実行可能な対案として提案しているのが、「社会保険料還付付き住民税控除」です。
(「社会保険料還付付き住民税控除」)
国民民主党が提案する「社会保険料還付付き住民税控除」は、まず、所得に関係なく税率10%の住民税の控除額を178万円目指して引き上げ、年間1人最大約6万円の住民税の減税を行うことで、事実上の「税額控除」を実現するとともに、減税分を引ききれない所得階層の方には、負担している社会保険料相当分を上限として「還付」を行うものです。 この「社会保険料還付付き住民税控除」の財源は5兆円もかかりませんし、物価高騰対策としても即効性があります。そして、マイナンバーを使って新たに所得や資産の把握を行う必要もありません。
高市総理、いつ実現するか分からない政策を時間をかけて議論するより、我が党の提案する現実的かつ即効性のある「社会保険料還付付き住民税控除」を採用しませんか。これはまさに、総理が施政方針演説で述べられた「物価高や税・社会保険料負担で苦しむ中低所得者の負担を軽減」できるドンピシャの政策です。
(社会保険料の「年収130万円の壁」対策)
次に、社会保険料の「130万円の壁」についても伺います。政府は「年収の壁・支援強化パッケージ」として、収入が一時的に130万円を超えても、事業主がその旨を証明することで扶養に入り続けることを可能にしていましたが、政策効果には疑問があります。高市総理は、これまでに行った「130万円の壁支援強化パッケージ」の効果をどう評価、検証しているのか。また、来年度予算に、「130万円の壁」対策の関連予算がいくら計上され、どの程度の働き控え解消につながると想定しているのか、あわせて伺います。
なお、国民民主党の提案する「社会保険料還付制度」をうまく活用すれば、130万円を超えても年収が減ることなく、なだらかに収入が増える設計にできます。ぜひ、「130万円の壁」対策としても、「社会保険料還付制度」の導入を前向きに検討してください。
■ 社会保障の抜本改革と高額療養費制度
(後期高齢者医療制度の窓口負担の原則2割への見直し)
現役世代の社会保険料負担の軽減について伺います。国民民主党は、「現役世代から豊かになろう」というスローガンのもと、現役世代の社会保険料負担の引き下げを訴えて続 けてきました。その基本となる考え方の一つが「年齢ではなく能力に応じた負担」です。現在、現役世代から高齢者への仕送りとも言える、協会けんぽ、健康保険組合、市町村国保から後期高齢者医療制度への「拠出金」は年間約7兆円にも及んでいます。食料品消費税ゼロに使えるお金が年間5兆円あるなら、これを拠出金の代わりに充てることで、現役世代の社会保険料負担を引き下げた方がいいのではないでしょうか。
また、現役世代の社会保険料負担を抑えるためには、後期高齢者医療制度の窓口負担を、前期高齢者と同様、原則2割にしてはどうですか、高市総理の見解を伺います。
(高額療養費制度の見直し→年齢区分と「外来特例」の見直し)
高額療養費制度の上限額の引き上げについて伺います。現役世代の社会保険料負担を軽減するためには、高額療養費制度の上限額を安易に引き上げるのではなく、高額療養費制度における年齢区分をなくすのが先ではないでしょうか。特に、70歳以上の高齢者を対象とした「外来特例」は、現役世代との公平性の観点から、将来的な廃止を含めて見直すべきではありませんか、総理の見解を伺います。
(医療費4兆円削減と保険料引き下げは本当に可能か)
連立与党の日本維新の会は、医療費4兆円の削減と年間6万円の社会保険料の引き下げを訴えておられます。野心的な目標だと思いますが、本当に実現可能な目標と言えるのでしょうか。実際、来年度予算案を見ると、医療費の国庫負担分だけで3,650億円増えており、社会保険料の負担はもっと増えるはずです。子ども・子育て支援金も含めて、来年度の保険料負担は年間平均でいくら増えるのか見通しを示してください。また、現役世代の社会保険料をいつまでに年間6万円引き下げるのか、具体的な工程表を示してください。
(年金積立金の超過運用益を使った年金保険料の引き下げ)
健康保険料も高いが、年金保険料も高いと感じている現役世代の方も多いのではないで しょうか。国民民主党は年金保険料を引き下げる政策も検討しています。今、GPIFによる年金積立金の運用益は、近年の国内外の株高や円安によって、2019年の財政検証時の想定に比べて約70兆円ほど上振れています。この上振れ分を使って、将来受け取れる年金額を減らすことなく、厚生年金の保険料を、5年間の時限措置として18.3%から17.3%に引き下げることは可能だと考えます。これができれば、平均的な所得の給与所得者で年間数万円、事業主の負担も年間数百万円軽くなり、従業員の手取りが増えます。それと同時 に、事業主は賃上げの原資を確保でき、中小企業の賃上げの促進にもつながります。法改正が必要ですが、現役世代の手取りを増やすために、年金保険料の引き下げを一緒に実現 していただけないでしょうか。総理の見解を伺います。
(薬価改定及び中間年改定の廃止)
薬価改定について伺います。物価上昇の中での薬価の引き下げには、製薬メーカーや卸などから悲鳴が上がっています。賃上げもできず、医薬品の安定供給にも支障が生じています。高市総理、薬価引き下げによる医薬品関連産業の悲鳴をどう受け止め、是正する考えはあるのか、お答えください。
国民民主党は、薬価を毎年切り下げる「中間年改定」を廃止し、企業の研究開発投資を促すことでドラッグ・ラグやロスを解消すべきと考えます。高市総理、2016年の4大臣会合で決まった中間年改定こそ、「長年続いてきた過度な緊縮志向」の象徴ではありませんか。ここで断ち切りましょう。
(介護従事者の確保)
介護従事者の確保について伺います。国民民主党が主張してきたケアマネージャー資格の更新の仕組みのについて検討が進んでいることは評価します。しかし、他産業に比べて依然として低い介護従事者の賃上げを進めるためには、介護報酬の抜本的引き上げが必要だと考えますが、高市総理の方針を伺います。
(就職氷河期対策、孤独・孤立対策、ヤングケアラー対策)
就職氷河期対策、孤独・孤立対策、ヤングケアラー対策が、施政方針演説で言及されたことは評価しますが、それぞれ具体的に何をいつまでに行うのか、お示しください。
■ 積極財政と科学技術投資
(教育国債の発行)
未来への投資として、教育・子育て、科学技術分野に使い道を絞った「教育国債」を発行し、教育・科学技術予算を倍増させ、「科学技術立国」へと大胆に舵を切るべきです。 特に、博士課程の学生への支援は、その社会的リターンを考えても、教育国債の発行に馴染むと考えます。この教育国債の発行こそが、高市総理の進める「責任ある積極財政」を推し進める象徴的な政策になると考えますが、総理の見解を伺います。
(大学無償化と奨学金債務の免除)
経済的理由で学びや研究を諦める若者をゼロにするため、奨学金債務の免除や軽減に大胆に踏み込むべきです。特に、公立学校の教員や自衛官など、人材不足が指摘されている公的部門の職業に就職した学生については、奨学金債務を全額免除してはどうでしょうか。総理の見解を伺います。
(AI時代の教育と人材戦略)
この間、教育の無償化など経済的負担の低減に重点が置かれてきましたが、AIやロボットの活用が広がる中で、どのような人材を育てるべきかという「教育の質」の議論が手薄だったと思います。AI時代において、日本の将来を支える子どもたちにどういった教育を施すべきか、「教育の質」についての高市総理の考えを伺います。
人口減少で人手不足が深刻化し、外国人労働者の受け入れは不可避とも言われますが、本当にそうでしょうか。先月、経済産業省が公表した「2040年の就業構造推計」によれ ば、人口減少でも「大きな人手不足は生じない」とされる一方、生成AIやロボットの普及によって、事務職や文系人材は「人余り」になると予測されています。また、海外では専 門スキルを持つ現業職であるブルーカラーの仕事に対する需要と評価が高まり、高収入を得る「ブルーカラー・ビリオネア」も出てきています。これからの日本には、AI・ロボッ ト時代に対応した教育・人材育成と同時に、現場人材の育成が必要になると考えますが、AI時代における高市総理の人材育成戦略について伺います。
■ 安全保障・危機管理
(連邦最高裁判所による相互関税違憲判決の影響)
次に、外交・安全保障政策について伺います。先日、アメリカの連邦最高裁判所が、相互関税については大統領には権限がないとして違憲判決を下しました。すぐさま、トランプ大統領は代わりの関税を課すことを発表しました。高市総理は、自民党総裁選の最中、 日米関税交渉の「再交渉」の可能性について言及しましたが、今回の判決を受けて、約85兆円の対米投資も含めて「再交渉」する可能性はあるのか、総理の見解を伺います。また、日本企業の中にも、支払った関税の返還を求める動きが出てきていますが、政府として返還をサポートするつもりはあるのか、あわせて伺います。
(インテリジェンス態勢強化の法制化)
国民民主党は、経済安全保障の実効性を高めるため、スパイ防止を含む「インテリジェンス態勢強化法」を、昨年の国会に提出しました。政府はスパイ防止法制の創設に向け、夏から有識者会議で議論を始めるとのことですが、遅過ぎませんか。もっとスピードを上げるべきです。また、年内にも策定と報道されている「国家情報戦略」を速やかに策定・公表し、国民的な理解を促すべきです。総理の見解を伺います。
(台湾有事の抑止と邦人保護)
当面、急ぐべき安全保障上の対応の一つが、地下シェルターの整備だと考えます。台湾は10万5,000か所、人口の3倍以上を収容できるシェルターが整備されています。総理大臣として、国民の命と暮らしを守るシェルターの整備をどのように加速させていく方針か、お答えください。
また、台湾有事の際、在台湾の邦人をどのように救出するのか。現行法制下で自衛隊機を飛ばして在台湾の邦人を救出することは可能なのか、あわせてお答えください。
(南鳥島レアアースの事業化の加速)
レアアースの確保について伺います。高市総理は、本年1月に行われた南鳥島沖におけるレアアース泥の試掘の成果をどのように評価していますか。国民民主党は、早期の事業化による「資源自給国家」への道筋をつけるために、「海洋開発基本法」を制定して「海洋資源開発庁」を創設し、国家プロジェクトとして強力に推進すべきと考えています。高市総理にも、ご協力いただけないでしょうか。
(次世代革新炉の開発・設置及びフュージョンエネルギーへの国家投資強化)
安価で安定的な電力供給がなければ経済成長は実現しません。その意味で、17分野の重点投資対象のうち、資源・エネルギー安全保障こそ「最重点」で取り組むべきです。具体的には、原発の新増設、次世代革新炉の開発・設置や、早期の社会実装を目指したフュージョン・エネルギーの開発に対して、数兆円規模の投資枠を、複数年で確保すべきだと考えますが、総理の考えを伺います。
(暗号通貨の税制改正前倒し)
暗号通貨の税制改正について伺います。昨年12月の税制改正大綱に、これまで雑所得扱いで最大55%の税率だった暗号通貨の売却益に対する課税を、申告分離課税20%とすることが明記されました。しかし、実施時期として2028年1月というのは、あまりにも遅すぎます。今国会に提出予定の金融商品取引法改正案の施行時期を前倒しし、暗号通貨の税制改正の実施時期も2027年1月に前倒しすべきです。必要なら国民民主党から修正案を出すので、ぜひ協力していただけませんか。
■ コメ政策と食料安全保障の抜本改革
(政府備蓄米の回復計画)
2024年、2025年の「米不足」の教訓を踏まえ、政府備蓄米を速やかに元の100万トンの水準に戻すべきではないですか。32万トンまで減った政府備蓄米をいつまでに元の100万トンに戻すのか、方針と計画を伺います。
(「食料安保基礎支払」の導入)
コメ政策について伺います。補助金による転作奨励や、生産数量目標の目安の提示など、国が供給量を管理する政策を見直さない限り、コメの値段は下がらないと思います。増産に舵を切ることによって消費者には手ごろな値段のコメが届き、他方、農家には営農継続可能な所得を直接支払いによって政策で補償する、新たなコメ政策に転換するべきです。国民民主党は、新たな直接支払い制度として、10アールあたり2万円程度の「食料安保基礎支払」を提案していますが、高市総理のコメ政策見直しに向けた基本方針を伺います。
■ 憲法・皇室
(憲法改正案の早期発議)
憲法改正について伺います。憲法改正といっても様々なテーマがありますが、2024年の衆議院憲法審査会では、大規模災害時等における国会機能維持に関する改憲条文案について、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党、当時の有志の会の5つの会派で合意に至った実績があります。まずは、こうした議論の積み上げのある項目について、幅広い合意を得ていくことが、憲法改正に向けた現実的なアプローチだと考えます。
9条改正については、同じ与党でも、自民党案と日本維新の会の案は異なっていると認識しています。高市総裁としては、いわゆる「自衛隊明記論」を維持するのか、それとも、日本維新の会が主張しているような9条2項削除論をとるのか伺います。また、高市総理は、自衛隊が9条2項に規定する「戦力」にあたると考えているのか、自民党総裁としての意見を聞かせてください。
(皇位継承問題の立法化)
皇位継承について伺います。安定的な継承を確保するため、女性皇族が結婚後も身分を保持できる制度や、旧宮家の男系男子との養子縁組を可能とする制度の創設などについて、今国会中に結論を出すべきです。自民党総裁として、意見集約に向け、どのようなリーダーシップを発揮するつもりか伺います。
■政治改革・行政改革
(抜本的な選挙制度改革)
選挙制度改革案について伺います。衆議院議長の下に設けられた協議会において3月末を目処に改革案を取りまとめることになっていたはずですが、自民党や日本維新の会からは党としての案すら出てきていません。いつ提出する予定なのか伺います。本気で議員定数削減を伴う選挙制度改革を進める気があるのか、高市総裁の意気込みを伺います。
(企業・団体献金の受け手規制の導入)
政治への信頼を取り戻すために、企業団体献金を受け取ることのできる政党の支部を限定する、いわゆる「受け手規制」を導入し、企業団体献金の透明度を高めるべきと考えます。今のまま何もしないのでは国民は納得しません。多数の議席を得た今こそ、自民党が率先して、政治とカネの問題を前に進める時だと考えますが、総理の見解を伺います。
(「特別市」制度の創設)
第34次地方制度調査会の審議が始まりました。国民民主党が提案する「特別市」制度は、一元的な大都市行政と圏域全体の活性化を両立させるものですが、地方制度調査会の検討対象に「特別市」は含まれますか。また、いわゆる副首都の要件として、特別区が設置される「都」に限定せず、「特別市」も対象とすべきと考えますが、総理の見解を伺います。
(国会改革)
国会のデジタル化について伺います。私は今、紙の原稿を読んでいますが、今だに本会議場では、この原稿を書いたタブレットを持ち込んで読み上げることができません。「品位に欠ける」として議員運営委員会で認められないからです。しかし、原稿を書いたタブレットを持ち込んで読み上げても品位を欠くことにはならないと思いますが、議場の新人議員の皆さん、いかがでしょうか。こんなことも認められないようでは、国会のデジタル化はいつまで経っても進みません。自民党総裁として、議員運営委員長に指示を出し、本会議場でタブレットを使って読み上げることを可能としていただけないでしょうか。
(終わりに)
日本は治安もいいし、世界が認める「安定した国」いわば、Country of Stabilityです。 しかし、日本を、Country of No Change、つまり、「変化のない国」にしてはなりません。そのために必要なのは、現役世代の手取りを増やし、未来への投資を厚くする政治です。高市総理の登場で、「日本は変わるかもしれない」そんな期待が生まれています。 その期待を現実に変えるために、私たち国民民主党も、対決より解決、政策本位の姿勢で、手取りを増やす政策と日本経済の成長を同時に実現します。特に、不安と負担に苛まれている現役世代の皆さんの頑張りが正当に報われる社会にしていきます。
議場にいらっしゃる各党各会派の皆さん、ともに負担の世代を希望の世代に変え、不安の世代を安心の世代に変えていきましょう。子ども達が夢を叶えることができる日本をつくっていこうではありませんか。ご清聴ありがとうございました。