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ニュースリリース

【参本会議】川合孝典議員が高市総理の施政方針演説に対する代表質問で登壇

 川合孝典幹事長代行(参議院議員/全国比例)は26日、参議院本会議で議題となった高市総理の施政方針演説に対する代表質問を行った。全文は以下のとおり。

令和8年2月26日
参議院本会議

政府四演説に対する質問

国民民主党・新緑風会 川合孝典

 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。
 会派を代表して高市総理の施政方針に対して質問します。

1.予算審議に対する高市総理の基本姿勢

(1)予算の年度内成立に拘る高市総理の予算審議に対する基本姿勢を問う。(総理大臣)

 まず高市総理の予算審議に対する基本姿勢について質問します。
 高市総理は、予算の年度内成立に向けて強い意欲を示しておられる様子ですが、国民民主党としても物価高に苦しむ国民生活の底上げに資する予算を速やかに成立させることの重要性は重く認識しています。
総理は、今国会に大幅な政策転換を目指して過去最大規模 122 兆円を超える予算案を提出しておられます。新しい財政・経済政策を提案するにも関わらず、予算の年度内成立に拘ることで、国民の税金が有効かつ適切に使われているかをチェックするという、憲法が定める国会の役割を充分に果たすことが出来なくなることを我々は恐れています。
 経団連の筒井会長も「拙速な議論は好ましくない。熟議を凝らして欲しい」と年度内成立に拘るべきではない旨の発言をしておられます。
予算成立の遅れによる国民生活への悪影響を考慮するのであれば、暫定予算を編成することで、経常経費・継続事業費・社会保障費・国債費など行政の空白を防ぐことは可能です。  「責任ある積極財政」を掲げて、政策転換を目指す今だからこそ、「財政民主主義の観点から熟議を尽くす」ことが必要と考えますが、それでも予算の年度内成立に拘る考えなのか、総理の見解を求めます。

 なお税制関連法案については、年度内成立しないと昨年末に与野党合意した軽油の暫定税率の廃止や国民民主党の主張で廃止となった自動車購入時の環境性能割の廃止などが4月から実施できなくなり、国民生活に支障が生じることになりますので、こうした税制関連法案の年度内の成立については、国民民主党として協力する姿勢であることは申し添えておきます。

2.財政政策・物価高対策について

(2)過度な緊縮志向や未来への投資不足の流れが長年続いてきた理由の分析(総理大臣)

 総理は、「長年続いてきた過度な緊縮志向、未来への投資不足の流れを断ち切る」と宣言されました。政策の方向性については、私も強く共感します。
そこで質問ですが、一時期を除き一貫して自民党が政権を担ってこられたにも関わらず、現在に至るまで長年に亘り、過度な緊縮志向や未来への投資不足の流れが断ち切れなかった理由について、総理はどのように分析しておられるのか、見解を求めます。

(3)緊縮色が強い予算案の下、「押しまくる」成長のスイッチとは具体的に何か?(総理大臣)

 高市総理は、演説で「過度な緊縮志向の断ち切り」「責任ある積極財政」を強調し、成長スイッチを「押しまくる」とおっしゃっていますが、2026 年度予算は、基礎的財政収支 1.3 兆円の黒字見通しに留め、国債発行は 30 兆円以下への抑制、さらに補正予算は原則組まないなど、むしろ緊縮色が強いと考えます。
 近年毎年数兆円規模の税収の上振れが生じている中、昨年は 18.3 兆円、一昨年は 13.9 兆円と、巨額の補正予算を組んでいることを考えると、補正予算も組まない前提で具体的にどの成長のスイッチを「押しまくる」のか分からなければ、投資促進の予見可能性が高まらず、成長効果が薄れることを懸念します。
 高市総理が、押しまくると仰っている「成長のスイッチ」とは何なのか、より具体的にご説明下さい。

(4)「物価上昇を1%程度上回る賃金上昇」を実現させるための具体策とは何か?(総理大臣)

 物価上昇に負けない賃金上昇を実現する上での具体策について総理に伺います。
 高市総理は、「ガソリン・軽油の暫定税率廃止による値下げなどの物価高対策を着実に実施することで物価上昇を上回る継続的な賃上げを実現する」と表明しておられますが、これらは既に 2025 年臨時国会で成立・執行中の政策です。
 また総理は、「賃上げの責任を事業者の丸投げにせず」としておられますが、経済団体に賃上げを要請するだけで、具体的な「手取りを増やす」政策が見えません。
 実質賃金マイナスが続く中、今次春闘で、物価上昇を 1%程度上回る賃金上昇を定着させるため具体的にどのような対策を講じるお考えなのかご説明下さい。

(5)国会と「国民会議」の関係はどのように整理されるのか?(総理大臣)

 給付付き税額控除の制度設計を含めた社会保障と税の一体改革については、今後超党派で構成される「国民会議」において検討を進める、とのことですが、一部野党が国民会議から除外されているとの情報も伝わっています。国民生活に大きな影響を及ぼす政治課題を国会ではなく閉ざされた国民会議で行う理由がいまひとつ理解できません。
 国会と国民会議の位置づけはどのように整理されているのか、総理の説明を求めます。

(6)インフレ局面での税収弾性値の設定の在り方ついての基本認識を問う(財務大臣)

 名目 GDP が 1%変化したときに税収が何%変化するかを示す税収弾性値は、近年政府想定よりも高くなっています。税収見通しを低く見積もっている結果、直近3年間だけを見ても、減税を行っても、なお税収は 11 兆円上振れしています。
また政府債務残高の対 GDP 比も、急速に改善してきており、25 年度末にはコロナ禍前を下回る水準にまで戻る見通しであり、債務残高から政府保有資産を差し引いた純債務の対 GDP 比に至っては、実に米国を下回る水準まで下がります。
税収見通しを手堅く見積もること自体を否定するわけではありませんが、累進課税を中心とする税制を採用していることで税収弾性値が比較的高くなる日本で、手堅すぎる税収弾性値の設定が、国民の手取りを減らし、国庫だけが豊かになる現状を招いています。
政府が、インフレ率2%を目指しているのであれば、税収の見通しも2%を見積もるのが普通と考えますが、財務大臣の見解を求めます。

3.裁量労働規制の緩和に向けた動きについて

(7)裁量労働規制の緩和に向けた検討を指示した理由。(総理大臣)

 裁量労働規制の見直し論議について質問します。
 今国会に提出が予定されていた、「働き方改革」を推進するための労働基準法改正案は、自民党が公約に掲げた「働きたい改革」の推進を検討するため、として法案提出が見送られました。
総理は演説の中で、「労働の効率性などを表す数値は他国と遜色ありません」と言い切っておられますが、現在の労働時間規制が既に労基法上の過労死認定ラインであるにも関わらず、裁量労働規制の緩和に向けた検討を指示した理由をご説明下さい。

(8)日本より労働時間が短いドイツが、GDPで日本を追い抜いた理由についての認識(総理大臣)

 日本の国内総生産は、2023 年にドイツに抜かれ、26 年にはインドにも抜かれて 5 位に転落すると予想されています。ドイツの人口は 8400 万人で日本の 3 分の 2、そして、一人当たりの年間労働時間は 1300 時間台で日本の 1600 時間台より 300 時間短くなっています。
それにも関わらず GDP で日本がドイツに抜かれた理由を総理はどのように分析しておられるのかご説明下さい。

(9)近年過労死・労災請求件数が増加の一途を辿っている現状についての認識を問う。(厚生労働大臣)

 日本人の年間総実労働時間は 1600 時間台となっていますが、その内訳は、一般労働者が 1,946 時間、全労働者の 3 割を占めるパートタイム労働者が 962 時間となっており、一般労働者の長時間労働は全く是正されていません。
過労死と労働災害認定件数は増加の一途を辿っています。
厚生労働省令和7年度版、過労死等防止対策白書によると精神障害の労災支給認定件数は近年右肩上がりに増加しています。高市総理は、「心身の健康維持」が規制緩和論議の前提だと述べておられますが、過労死が増加している中で労働時間規制の緩和を行うことについてどのような認識をお持ちなのか、厚生労働大臣に伺います。

(10)パートタイム労働者の「働き控え」の原因となっている「社会保険料負担のあり方」の見直しに向けた方向性について、説明を求める。(総理大臣)

 日本の一人当たりの労働時間が減少している主な要因は、パートタイマー比率の増加と、もともと短いパートタイマーの労働時間がさらに短くなっていることにあります。
 そして、その最大の理由が、社会保険料負担を意識した就業調整にあることは広く認識されるようになりました。今後、大きな政治課題となるであろう、「社会保険料負担のあり方」の見直しに向けた方向性について、総理の説明を求めます。

(11)「自律的労働」とはどういう働き方であるべきと認識しておられるか?(厚生労働大臣)

 裁量労働制の対象は「仕事の進め方を自分で決める高度専門職」を前提としています。
 しかし実態として労働者は、企業の指揮命令下にあり、「納期」や「業務量」は会社側に決定権があるため、労働時間規制を外し、業務量を増やせば、もはや「自律的に働く自由」ではなく、「終わるまで無限に働く義務」へと変質します。事実、裁量労働制下でかえって労働時間が長くなる事例が散見されています。「自律的労働」とはどういう働き方だと認識しておられるのか、厚生労働大臣の見解を求めます。(12)労働時間の規制緩和によって少子化が加速する懸念がある、という有識者の指摘に対する総理の見解を問う。(総理大臣)

 2025 年の日本の出生数は、対前年比 2.7%減の約 66 万 7,542 人と過去最少を更新することが予測されています。
 労働時間規制の緩和によって、仕事と生活の境界が曖昧になれば、家事・育児・介護への参画が物理的により困難になります。共働き世帯が主流の現在、労働時間規制の緩和は少子化をさらに加速させ、将来的な労働人口の減少が国家の衰退を招くことも指摘されていますが、この点についての総理の認識を伺います。

(13)時間外労働割増率が25%に据え置かれている理由(厚生労働大臣)

 日本の時間外労働割増率は 25%であり、アメリカ・フランス・ドイツ・イギリスなどの50%。ノルウェーの 40%以上と比較して極めて低い設定となっています。
 そして、残業させるコストと、新たな人を雇用するコストが均衡する『均衡割増賃金率』は 50%です。つまり、日本以外の先進国では時間外労働には 1.5 倍払わなくてはならないので、経営者は残業させるよりあらたな人材を雇用したほうが安いと判断しますが、日本ではたった 1.25 倍なので残業させたほうが安いと判断する構造となっています。
 どういった根拠で、今も時間外労働割増率が 25%に据え置かれているのか、厚生労働大臣の説明を求めます。

(14)日本の時間外労働割増率の引き上げを通じて、長時間労働を是正し、企業の業務効率化やDXへの投資を促すべきと考えるが、総理の見解を問う。(総理大臣)

 労働時間が安く延長できる雇用環境では、経営者は雇用を増やさず残業で現場を回そうとします。その結果、業務効率化や DX への投資を怠ることに繋がっています。
 いま政治に求められていることは、企業の業務効率化や DX を加速させるための環境整備であり、「労働力の安売り」を許容する規制緩和は、日本企業の生産性を低迷させている元凶である「非効率な働き方」を温存させる結果にも繋がるものと考えます。
 こうした観点から、欧米との比較で低すぎる日本の時間外労働割増率を引き上げることが、企業の業務効率化や DX への投資を促すことにつながるものと考えますが、この点について高市総理の認識を伺います。

4.就職氷河期世代政策について

(15)「就職氷河期世代に対する新たな支援プログラム」における支援の方向性について説明を求める。(総理大臣)

 就職氷河期世代に対する支援策について質問します。
就職氷河期世代は就職時の出遅れから長期に亘り低賃金に苦しんできました。
こうした賃金停滞は個人のみならず、日本経済全体にも影響を与えています。就職氷河期世代の実質消費支出額は、上の世代より5~12%少なく個人消費の弱さが顕著であるという大手金融機関の分析結果もあります。
この世代間格差が将来的に最も顕在化するとされているのが、就職氷河期世代が高齢期に差し掛かる 2030 年代末から 2040 年代です。年金受給額が低く、貯蓄も乏しいまま高齢単身世帯となる方が今後急増する恐れ、いわゆる「2040年問題」が指摘されており、就職氷河期世代が最後まで割を食う悲劇を招かぬよう、早急な手立てが求められています。  高市総理は、新たに「就職氷河期世代に対する新たな支援プログラムを策定する」、とされていますが、具体的にどのような方向性で支援策を検討しておられるのか説明を求めます。

(16)石破前総理が掲げた「就職氷河期世代の高齢期を見据えた資産形成支援策」を検討・実施する取り組みを高市内閣は継承するのか?(総理大臣)

 2040年問題を間近に控えて、今後5~10 年は就職氷河期世代支援の「ラストチャンス」と位置付けてこれまでの集中的支援を一過性で終わらせず、雇用対策と社会保障政策を一体で講じる必要があると考えます。
昨年の参院選前に石破前総理は、就職氷河期世代支援の関係閣僚会議を設置して「高齢期を見据えた資産形成支援策の検討」を表明しておられます。
低年金者向け政策は、将来不安を軽減し、内需を活発化させる上で極めて重要と考えます。
 高市総理は、「就職氷河期世代の高齢期を見据えた資産形成支援策」を推進することについてどのような認識を持っておられるでしょうか。見解を求めます。

5.国内ものづくり産業の基盤強化

(17)成長戦略の一環としての官民連携による国内製造業の設備投資を促すことについての見解を問う。(総理大臣)

 長期に亘るデフレ不況下で国内製造業の空洞化が進み、設備投資が停滞してきたことによって、国内製造業を支える化学プラントや主要工場の多くは建設から半世紀以上が経過し、老朽化が深刻化しています。
 設備故障や事故リスクの増大は、現場で働く労働者の安全を脅かし、さらに建物自体の耐久性低下により、地震や台風など自然災害への脆弱性も高まっています。メンテナンス費用が企業収益を圧迫し、国際競争力の低下を招いています。
 この課題を単なる修繕ではなく、官民連携による危機管理投資・成長投資による強い経済の実現の一環として捉え、老朽化対策を契機に、GX・省エネ投資と一体化した設備更新、防災・国土強靱化分野と連動した建物補強や防災設備の強化、そして地域雇用を守る再投資を促すことが重要と考えますが、総理の見解を伺います。

(18)魅力あるメイドインジャパン製品の創出を日本の成長戦略に位置づけ、国内製造業の国内回帰支援と良質な雇用の創出に向けた具体的な取り組み方針を問う。(日本成長戦略担当大臣)

 日本が長期的な低成長に陥った最大の原因は、生産拠点の海外移転による国内製造業の空洞化とメイドインジャパンの製品の国際競争力(魅力)が低下したことにあるのは明らかです。
中長期的な経済安全保障の観点からも、基幹工業製品の過度の海外依存体質は改めるべきです。またものづくり中小企業は資金・人材両面で制約が大きく、税制・補助・金融支援を総動員した官民投資ロードマップと伴走支援が不可欠です。安全で持続可能な事業環境の確保は、単なるコストではなく成長の基盤となります。
 魅力あるメイドインジャパン製品の創出を日本の成長戦略に位置づけ、国内製造業の競争力強化・国内回帰と良質な雇用の創出を図るべきと考えますが、日本成長戦略担当大臣の見解を求めます。

6.外国人政策について

(19)深刻な労働力不足が進む中、在留外国人の受け入れに対する政府のスタンス及び共生の在り方について、高市総理の見解を伺います。(総理大臣)

 2024 年通常国会で、特定技能と連続する制度として技能実習制度に代わる育成就労制度の創設が決定され、現在移行への準備が進められています。
 技能実習制度の改正による在留の長期化や定住者の増加も視野に、現場では外国人材の活用にむけた労使の検討が進んでいる一方、政府は先月「外国人の受け入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を関係閣僚会議で決定したところですが、その内容は規制・管理強化の側面のみが全面に打ち出されており、本来の法改正の趣旨が見えにくくなっています。
 深刻な労働力不足が進む中、日本経済を維持発展させる上で必要不可欠な存在となっている在留外国人の受け入れに対する政府のスタンス及び共生の在り方について、高市総理の見解を伺います。

(20)外国人政策の基本理念を法律で定めて国のビジョンを明確に示す必要性についての認識を問う。(総理大臣)

 足下の労働市場では、未だ外国人労働者の人権を軽視し「安い労働力」として取り扱い、最低賃金近傍で雇用し続けるのみならず、賃金未払いや長時間労働、労災隠しといった労働関係法令違反の事例も散見されています。
 国際的に人権デユー・ディリジェンスの法制化も進む中、育成就労制度の施行に先立ち、「安い労働力」として外国人を捉える使用者のマインドを払拭することは、高市政権の経済対策が掲げる「成長型経済」、「世界から信頼される日本経済」の実現を目指す上で重要な視点であると考えます。
 外国人政策で目指すべきは、国籍を問わず労働者の権利が確保され、キャリア形成と処遇改善が連動する分断なき労働市場の形成です。
 目先の対症療法的な対応ではなく、開かれた議論のもと外国人政策の基本理念を法で定め、国のビジョンを示す必要があるものと考えますが、総理の見解を伺います。

7.日本の医薬品・ヘルスケア産業が直面する課題について

(21)市場実勢価格加重平均値調整幅方式による薬価引き下げをさらに下回る薬価引下げが今回行われていることについての見解。(総理大臣)

 次に日本の医薬品産業が直面する課題について質問します。
 政府は、物価上昇を上回る賃金上昇を実現するために、「医療・介護・保育・福祉等の公定価格の見直し」を成長戦略の柱として掲げられました。
 昨年末の大臣折衝の結果、薬価等についてはマイナス 0.87%、薬価全体では物価上昇を踏まえた引上げはゼロ回答どころか、マイナス改定となっているのが実態です。
 公定価格の見直しを掲げる総理として、これまでの市場実勢価格加重平均値調整幅方式による薬価引き下げをさらに下回る今回の薬価引下げをどのように認識しておられるのか、お答え下さい。

(22)「公定価格(医療・介護・保育・福祉等)の見直し」は本当に実施されるのか?(総理大臣)

 急激に物価が上昇する中、医療・介護・保育・福祉などの公定価格は長年据え置かれたままであり、その結果、医薬品関連産業の国際競争力を大きく毀損し、必要な医薬品の安定供給すら困難になるなど、国民の健康維持を図る上でも大きなリスクとなっています。
 今後、公定価格の見直しは確実に実施されるのか、総理の説明を求めます。

(23)アメリカの医薬品最恵国待遇政策が、国内医薬品産業に及ぼす影響についての認識(厚生労働大臣)

  医薬品産業が直面する課題について質問します。
 トランプ政権は 2025 年 5 月の大統領令で医薬品の最恵国待遇(MFN)政策を推進し、米国での薬価を他の先進国で支払われる最低価格に合わせるよう、欧米の主要製薬企業に価格引き下げを迫っており、世界の製薬業界に大きな影響を及ぼしています。
 今後、日本も参照国となることが見込まれますが、我が国の新薬価格は欧米と比較して元々低い水準にあることから、日本の低価格水準が米国市場に波及すること嫌う製薬企業が、日本での開発・上市を敬遠し、ドラッグラグ・ロスが拡大する恐れが指摘されています。
 アメリカの医薬品の最恵国待遇政策が、国内医薬品市場に及ぼす影響について、厚生労働大臣の認識をご説明下さい。

(24)政府が国家戦略技術に位置づけるバイオ・ヘルスケア分野をどのようにして基幹産業・成長産業として育成するのか?(総理大臣)

 日本の医薬品産業の創薬力・国際競争力は急激に低下しつつあります。
 総理はバイオ・ヘルスケアを国家戦略技術に位置付け、17 の戦略分野に創薬・先端医療を掲げるなど、医薬品産業を我が国の基幹産業・成長産業と位置付けられていますが、米国における医薬品の最恵国待遇政策(MFN 問題)をどのように認識され、どのような対策を講じられるのか、総理の説明を求めます。

8.公共交通政策について

 最後に公共交通政策、鉄道政策について質問します。
 第3次交通政策基本計画では、今後の交通政策の在り方に係る「基本認識」として、「人口減少という危機を好機に変え、一人ひとりが豊かさと安心を実感できる持続可能な活力ある経済・社会を実現」を掲げています。そこで高市総理に、公共交通とりわけ鉄道交通に対する政府の見解を伺います。

(25)高市内閣における公共交通の将来ビジョンを問う(総理大臣)

 我が国の今後の発展には、成長分野への投資はもちろんのこと、現在の日本社会を支える基礎的インフラの維持・拡充も欠かせません。交通政策は成長の礎となる人流・物流を促進する非常に重要な政策分野であると考えますが、高市総理の考える公共交通の将来ビジョンをご説明下さい。

(26)公共交通政策と親和性の高い他政策分野との連携を推進することに対する見解を求める。(国土交通大臣)

 成長分野を下支えする重要な政策分野に対しては予算措置の拡充はもとより、交通政策は、まちづくりや地域振興など、他の政策分野と親和性が高いことを踏まえ、一体的な政策推進、交通政策への他政策分野からの財政出動を推進すべきと考えますが、国土交通大臣の見解を求めます。

(27)中長期的視点から国土・交通のあり方について、より明確なビジョンやグランドデザインを示し交通政策を推し進めるべきではないか?(国土交通大臣)

 人口減少が想定より加速度的に進む中、長期的な視点から国土のあり方、交通のあり方について、政府が明確なビジョンやグランドデザインを示し交通政策を推し進めるべきと考えます。人口減少に合わせて単に交通網を縮小させるのではなく、安全・大量・高速・定時・環境に優位な鉄道特性を考慮し、交流人口の拡大を期するものであるべきと考えますが、国土交通大臣の見解を求めます。

(28)地方における今後の鉄道のあり方についての見解。(総理大臣)

 地方ローカル線について、JR各社が公表する線区別収支では、輸送密度 2,000 人未満の68路線・119区間全ての収支が赤字であり、新幹線や大都市圏の路線の黒字で穴埋めする収益構造となっており、現在廃線も視野に入れて鉄道の再構築を実施している路線は全国23路線に及びます。
 鉄道路線は一度廃止するとほぼ復活することはなく、駅のなくなった町は地域の高齢化とともに衰退に向かいます。
 また、コロナ禍を契機に鉄道会社では大量の離職者が出たことで労働力不足の影響は深刻化しており、現状設備のメンテナンスすら困難になってきています。
 地方における鉄路のあり方について、国として明確に鉄道インフラの将来ビジョンを示すべきと考えますが、総理の見解を求めます。

(29)国土の均衡ある発展と地方創生を目指す上で既存の鉄道整備スキームの改定や整備予算の見直しを行うべきではないか?(国土交通大臣)

 人口減少と人口の一極集中化が進む中、国土の均衡ある発展と地方創生を目指す上で、国内移動人口の拡大は重要な視点であり、整備計画路線・基本計画路線を含む新幹線ネットワークの建設推進と計画構築は成長分野への投資であると捉えるべきです。いわゆる「骨太の方針」でも言及されてはいますが、客観的なデータに基づき、鉄道整備による経済効果の検証を踏まえて、既存の整備スキームの改定を行うことや整備予算について、抜本的な見直しを行うべきと考えますが、国土交通大臣の見解を求めて質問を終わります。

以 上