ニュースリリース
「中小企業・非正規賃上げ応援10策」を発表
国民民主党は28日、「中小企業・非正規賃上げ応援10策」を発表した。
今年の春闘の⼤⼿企業の賃上げ率は、5.25%(第2回集計、定期昇給を含む正社員)と1991年以来、33年ぶりの⾼⽔準となった。こうした流れを、中⼩企業、パート・派遣労働者などの⾮正規労働者を含む、すべての働く⼈の賃上げに波及させるため、国⺠⺠主党は3⽉18⽇から25⽇にかけてインターネットで意⾒募集を⾏い、約2,600件(党公式ホームページからのフォーム入力は1,016件)の声が寄せられた。
このうち集計可能な形式での回答を分析した結果、賃上げが「実施されない」(42.6%)とする回答が「実施される」(34.1%)を上回り、賃上げにあたっての課題としては「社会保険料」、「税金(法人税等)」、「電気代・燃料代」等の幅広い項目が挙げられるなど、中小企業や非正規労働者の賃上げに当たって課題が多い実態が明らかになった。(※回答者の属性は記事末尾に記載)
国民民主党はこの切実な声を政策の形に変え、⽇本社会の構造的、根本的な課題である『賃⾦デフレ脱却』につなげていくため、以下の施策を提⾔する。
【中小企業・非正規の賃上げ原資を確保する】
①社会保険料負担軽減
⾮正規から正社員登⽤時の事業主の社会保険料負担半額免除、低所得者等の社会保険料負担軽減、中⼩企業等への代⾦⽀払いの約束⼿形廃⽌・即時払い徹底、ゼロゼロ融資の返済負担軽減。
②消費税減税・インボイス廃止
消費税減税5%(単⼀税率によるインボイス廃⽌)
③ガソリン代・電気代・ガス代値下げ
トリガー条項発動及び「当分の間税率」廃⽌等によるガソリン・軽油等燃油価格引下げ、再エネ賦課⾦徴収停⽌及び5⽉以降の補助⾦継続による電気・ガス料⾦引下げ。
④賃上げ減税拡充
賃上げ減税拡充(価格転嫁等の取引条件改善企業等への適⽤拡⼤、法⼈事業税・固定資産税・消費税への適⽤拡⼤、税額控除額の引上げ)、賃上げ幅の開⽰義務付け、都道府県政労使会議の継続的開催。
⑤医療・介護・保育従事者等の賃上げ
公定価格を引き上げ、医療・介護・保育従事者等の賃上げを図る。
【中小企業・非正規の賃上げを制度で支える】
⑥適正な価格転嫁
公正取引委員会の「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の産業界への周知・浸透、厳格な履⾏、悪質事例・好事例の公表。運送業に係る「標準的な運賃」を確保した荷主への税優遇。
⑦農林水産分野の支援拡充
農林⽔産分野の適正取引、農業者に対する⾷料安全保障基礎⽀払いの実施
⑧下請法・独占禁止法の実効性強化
下請法の適⽤拡⼤(資本⾦3億円以下から1千万円超)、下請法・独禁法の罰則、優越的地位濫⽤の課徴⾦強化、公取等の取締強化、不適切事例公表・改善。下請け・トラックGメン等による適正取引の徹底。
⑨人手不足対策・育成支援
資格取得等(⼤型⼀種、⼆種免許等)につながる教育訓練給付の更なる拡充、企業内の⼈材育成を図る若⼿・中堅の教育プログラム作成、リカレント教育、リスキリング等への⽀援
⑩年収の壁対策
「年収の壁」の解消に向け、本質的な課題(働き⽅に中⽴的な社会保障制度への転換を踏まえた第3号被保険者制度の⾒直し、配偶者⼿当の⾒直し、家庭内ケア労働⽀援、性別役割分業観等)への対策
※意見募集に対する回答者の年齢・属性別割合は次の通り
〈年齢〉10代:0.6%、20代:15.4%、30代:31.3%、40代:32.5%、50代:17.4%、60代:2.6%、70代以上:0.2%
〈属性〉正社員:54.5%、非正規:21.7%、フリーランス・個人事業主:10.8%、経営者:13%