ニュースリリース
国民民主党 代表定例会見(3月22日)
【冒頭発言概要】
二点ございます。一つは岸田総理のキーウ訪問についてです。率直に高く評価したいと思います。国民民主党としては、岸田総理だけがG7の首脳の中でキーウに行っていませんでしたので、G7の議長国として是非行くべきだと言ってきました。被害の実相を直接見て、5月に行われる広島でのG7サミットで、より効果的なウクライナ支援の方向性を打ち出すことが必要だと思いますので、今回いろいろな困難を乗り越えて決断し、実現したことは高く評価したいと思います。結果としてそうなったのだと思いますが、中国の習近平国家主席がロシアのプーチン大統領と会うためにモスクワにいる同じタイミングで、岸田総理がウクライナの首都であるキーウにいる。アジアの二つの国のリーダーがそれぞれロシアとウクライナの首都にいたわけですが、どちらのアジアのリーダーが民主主義と法の支配の守護神であるかということを世界にアピールする最大の機会になったと思いますので、意義があったと思います。中国の習近平主席としては、中立あるいは仲介の役割を果たしたい、そうした印象を世界に与えたいのだと思います。しかし、岸田総理がキーウを訪問しウクライナのゼレンスキー大統領と会ったことで、権威主義の二つの国が他方にいて、一方で民主主義と法の支配を尊重する国々の中心として岸田総理がメッセージを発することができました。わが国の外交にとっても、また世界の平和と安全にとってもプラスだったと思います。
ただ一つ苦言を申し上げると、電撃訪問ということが結果として電撃にならなかった、つまり訪問の直前にポーランドにいる時点で一部のメディアが報道し、それを追う形で政府も発表せざるを得なかったということは、情報管理・危機管理の点から問題を指摘せざるをえないと思います。ほぼ同じルートでアメリカのバイデン大統領もキーウに入りましたが、その際は事前の情報漏洩やメディアの報道もなかったわけです。これは岸田総理自身のセキュリティと同時に、いつどこにゼレンスキー大統領がいるのかを知らせてしまうことにもなるので、政府の情報管理のあり方、メディアの報道のあり方についても、今後こうしたケースを念頭に一定のルールが必要ではないかと思います。ぜひ総理には無事に帰国いただきたいと思いますが、もしいざ何かあったときに事前の報道等がきっかけになったとすれば、責任の取りようがありません。セキュリティを万全のものにするという観点から、情報管理のあり方、メディアを含めた情報の出し方については、ぜひ政府やメディアにおいて検証していただきたいと思います。
もう一点は、本日2兆円の予備費を使って追加の物価高騰対策が決定されました。これは国民民主党が2月7日に総理に申し入れた内容をかなり踏まえたものになっているので、一定の評価をしたいと思います。たとえば特別高圧を含む電気代の追加値下げや、支援の対象となっていなかったプロパンガスが対象になりました。また、すぐにではありませんがいわゆる「年収の壁」を解消するための対策も取り組むとのことですので、我々が2月7日に申し入れたことがかなり反映されたと思います。
ただ残念なのは、我々はインフレ手当の一律給付ということを申し上げてきました。困っているのは子育て世帯に限りませんし、低所得者に限りませんので、その意味では一律給付が必要だと再三再四申し上げてきました。これが低所得者、あるいは低所得の子育て世帯に限定されてしまったことは残念だと言わざるをえません。
もう一つは、地方創生臨時交付金を拡充して柔軟に使うということで、今言ったような電気代の追加値下げやプロパンガス対策を行うということですが、本来は地方創生臨時交付金で地方が独自に勝手にやってくださいということではなく、国が一律にやるべき話なので、やり方については不十分な点もあると思います。さらに効果などを見極めていきたいと思います。
また、政労使会議も3月15日に行われましたので、ぜひメディアの皆さんにも賃上げの情報を(発信していただきたい)。春闘でも満額回答が結構出ていますし、4%、5%、6%、7%といった高い賃上げ率が報道されていて、これがまた他の企業にも非常に影響を与えていると思います。これからも中小企業、労働組合のない中小企業や非正規の方も含めて賃上げの流れをさらに広めていくために、これからが重要だと思います。そういった政労使会議での合意、あるいは問題意識を社会全体に広げていくことが大事です。これから我々としても、引き続き給料が上がる経済の実現に向けて、さらに政策的な推進をしていきたいし前向きな提案を続けていきたいと思います。