ニュースリリース
【国会同意人事】当面の財政金融政策運営に関する党見解
本日、衆議院にて日本銀行政策委員会審議委員を含む国会同意人事が可決された。可決に際し、国民民主党政務調査会は「当面の財政金融政策運営に関する見解」を取りまとめ、公表した。全文は添付のとおり。
当面の財政金融政策運営に関する見解
令和4年3月24日
国民民主党政務調査会
ロシアによるウクライナ侵攻及びコロナ禍に伴う主要国の金融緩和に伴う原油等資源価格高騰、それに伴うインフレ傾向に対応した主要国中央銀行による金利引上げ等、日本の財政金融政策が留意すべき外部環境は著しく変化している。
こうした中、政府による財政運営、及び日本銀行による金融緩和政策の舵取りが一段と難しさを増している。
財政政策は、コロナ禍等に伴う需給ギャップに対応するとともに、賃金水準底上げ、技術革新促進、人材育成・確保、災害対策、安全保障強化等の諸課題に対応するためには、「積極財政に転換」することが引き続き求められる。
金融政策は、米国FRB(連邦準備制度理事会)の利上げ、円安進行、出口戦略を睨みつつ、現下においては引き続き緩和的政策の継続が必要である。
国民民主党は、昨年12月23日付の「財政金融政策に関する考え方」(別添)の中で以下の内容を提示した。
積極財政、成長戦略、金融政策正常化(出口戦略)の3つに対する姿勢を同時に示すことを企図して、第1に日銀保有国債の一部永久国債化、第2に日銀保有のETF、REITの日銀取引先金融機関への売却(日銀資産圧縮)を行うとともに、名目賃金上昇率が安定的に「物価上昇率+2%」となるまで積極財政と金融緩和を継続する。
その間に、新設する「教育国債」等を活用し、教育・科学技術予算を10年間で倍増させ、経済と産業を巡行軌道に乗せ、その先の財政金融政策正常化を目指す。財政金融政策においても、客観的事実を共有する「正直な政治」、普遍性が保証されない意見に囚われない「偏らない政治」、実現可能性のある「現実的な政治」を追求することにより、自ずと合理的な選択肢、政策手段に到達する。
こうした財政金融政策の舵取りには、現実主義に基づいた客観的な認識力、経験と知見に裏付けられた専門性が必要となる。
この度、新たに日本銀行審議委員に就任する2名には、こうした観点から適任と判断する一方、著しく環境の異なる過去の定石や理論に拘泥することなく、客観的な認識力と経験と知見に裏付けられた専門性を発揮し、難しい局面での金融政策の舵取りに貢献することを期待する。