ニュースリリース
【党コロナ対策本部】新型コロナから子どもたちの暮らしと学びを守るための提言
国民民主党の新型コロナウイルス対策本部は8日、「新型コロナから子どもたちの暮らしと学びを守るための提言」を取りまとめ、公表した。全文は以下のとおり。
新型コロナから子どもたちの暮らしと学びを守るための提言
令和3年9月8日
国民民主党
新型コロナウイルス対策本部
従来の「子どもはコロナに感染しにくい、重症化しにくい」との認識がスパイク蛋白の変異によって覆されているとともに、集団生活が避けられない子から親への「逆流感染」 「ループ感染」など家族内感染の深刻さが指摘されている。保育所の休園はさらに増える 可能性があるだけでなく、学校においてはデルタ株の強い感染力が(特にワクチンを打て ない12歳未満に)及ぼす影響については予測困難な状況である。昨年4月の一斉休校のよ うに子ども達や子育て世帯が混乱しないためにも、感染拡大防止と子ども達の学びの継続 との両立を図っていく上で必要な措置を提案する。
第一 検査の拡充(見つける)
⒈有症状の子どもの外来受診
現在の医療体制は都道府県によって発熱外来を受診するか、かかりつけ医を受診するかに分かれている。とりわけ小児はかかりつけ医を受診することが多く、2次医療圏の小児医療提供体制(小児一般病棟、NICU等)を早急に再確認する。患児の健康観察は保健所ではなく、医療従事者が行う。かかりつけ医を持たない患児については発熱外来に小児科医を輪番制で常駐させる。
⒉ 無症状者の定期検査、「自宅無料予備検査」
PCR検査や抗原検査の簡易キットを保育所や幼稚園、小中学校に配付するにあたり、頻回な検査が可能なキット数を確保する。さらに、その場で結果が出る抗原検査を家庭に配布し、「自宅無料予備検査」を実現し、医療へつなぐ。また、「無料検査ステーション」の開設など、検査を「いつでもどこでも誰でも簡単に無料で受けられる体制」を国が支援する。
第二 感染拡大の防止(抑える)
⒈12歳未満のワクチン接種に関する検討の開始
6月から米ファイザーで生後半年~11歳の治験が実施され、FDAからは12歳未満の子どもに対するワクチンの緊急使用許可を今冬半ば頃に出すとの見通しが示された。これまでのようにワクチンで後れを取らないように日本としても最大限の協力を行う。さらに、現在は軽症の小児への治療薬がない状態であり、早急な開発を支援する。
⒉相談機能の強化、「子ども対応臨時医療施設」の設置
保健所は不安に陥る保護者の疑問や、ひとり親家庭などで保護者が陽性になった場合の子どもの居場所の相談等に小児科医とともに中心的な役割を担う。再確認した小児医療提供体制の下でも、入院病床が不足する場合は「子ども対応臨時医療施設」(NICU、一般病床等)の設置を検討する。小児にとって宿泊療養は困難であり、家庭内での感染予防対策をより強化する。
⒊小児に適用できる治療薬の開発
今後のウイルス変異に伴う子供の重症化に備えるため、抗体カクテル療法の子どもへの治験を進めるとともに、小児に適用できる治療薬の開発や実用化に向けた取り組みを国が支援する。
⒋妊産婦とお腹の中にいる子どもを守る
無料である妊婦健診の受診を強く勧奨し、感染時の対応と出産施設との協議を義務付ける。
第三 新型コロナとの共存(動かす)
⒈オンライン授業の支援等
小学校・中学校・高校・特別支援学校等におけるオンライン授業についても自治体による対応格差が顕著なため、国の支援体制を整える。また、オンラインでの読み聞かせボランティアが著作権法違反になる等、コロナ禍で明らかになった課題についても早期に対応する。
⒉学童保育等の支援体制の強化
保育園や学童保育が閉鎖した際の近隣施設への一時的入所や、学校閉鎖の際の学童保育の午前中開所など、家庭保育以外の選択肢をあらかじめ構築しておく。
⒊子どもに寄り添う保護者の支援
子どもが濃厚接触者に認定された場合、保護者の休業は長期化せざるを得ない。「両立支援等助成金・育児休業等支援コース・新型コロナウイルス感染症対応特例」の適用要件を緩和し、事業主申請ではなく個人申請を可能にする。同様の内容を雇用保険加入者以外にも拡大する。
⒋コロナ世代の子ども達を長期で見守る
一斉休校による学びの空白や、1年半以上に及ぶマスク学校生活による子ども達の心身への影響を経年にわたって調査し対策を講じる。感情を理解したり、共感したりすることに影響する、相手の動く表情に触れさせる環境を保障するため、表情の見える透明マスクを保育や教育現場に配布する。また、偏見や差別、誹謗中傷を生まないための学習指導や声かけを子どもとともに、保護者に対しても実施、強化していく。
以上