ニュースリリース
【参本会議】後藤ひとし議員が政策評価年次報告などに対する質疑で登壇
後藤斎政調筆頭副会長(参議院議員/山梨県)は13日、国民民主党を代表し、参議院本会議で議題となった政策評価年次報告に対する質疑を行った。質疑の全文は以下のとおり。
令和8年7月13日
令和7年度政策評価等の実地状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告についての代表質問
国民民主党・新緑風会の後藤斎です。会派を代表し、令和7年度政策評価等の実地状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告について質問します。
政策の目的は、国民生活をより良くすることにあります。そのためには、政策を評価し、その結果を次の改善に結び付ける不断の努力が不可欠です。政策評価制度は、評価書を作成し、報告書を取りまとめること自体を目的とするものではありません。限られた財源の下で政策効果を客観的に検証し、その結果を次の政策へ反映させる、いわゆるPDCAサイクルを実質的に機能させるための重要な基盤です。しかし現実には、評価書の作成が自己目的化し、評価結果が政策改善に十分結び付いていないのではないかと思われる事例も見受けられます。国民が求めているのは、評価を行ったという事実ではなく、評価を踏まえて何を改め、どのような成果につなげたのかという結果です。評価結果が予算要求、制度改正、事業の廃止・見直しにどう反映されたかまで示されて初めて、国会による行政監視も実効性を持ちます。
政府は、政策評価制度の実効性をどのように高め、各府省のPDCAサイクルをどのように機能させていく考えなのか、総務大臣に伺います。【質問①】
次に、官民ファンドについて伺います。
官民ファンドは、民間だけでは十分な資金供給が難しい成長分野に政策的に投資し、産業競争力の強化や新たな需要の創出を図るため設立されてきました。しかし、先日、クールジャパン機構の累積赤字が約540億円に達したことが明らかとなり、官民ファンド制度全体の在り方にも厳しい目が向けられています。すべての官民ファンドが政策目的に照らして十分な成果を上げているのか、政府全体で検証すべきです。損益だけでなく、民間資金の呼び水となったのか、政策目的の達成に資したのかという観点も不可欠です。
現在、政府が所管する官民ファンドは何件あり【質問②】、投融資総額及び累積損益はどのような状況か【質問③】、官房長官に伺います。
次に、クールジャパン機構について伺います。
我が国の優れた文化、コンテンツ、食、ファッション・ビューティー、観光などを海外に発信し、新たな需要を開拓するという政策目的は、今なお重要です。しかし、多額の公的資金を投入している以上、成果と責任は厳格に検証されなければなりません。
クールジャパン機構のこれまでの成果と課題をどのように評価しているのか【質問④】、また、制度の見直しや官民ファンド全体の統廃合も含め、今後どのような方向性で取り組むのか【質問⑤】、経済産業大臣に伺います。
次に、リニア中央新幹線について伺います。
私は国土交通委員会において、累次にわたりリニア中央新幹線の整備状況と今後の見通しを質してまいりました。そうした中、7月7日に静岡県知事が着工容認を表明されました。当初は2027年開業予定でしたが、現在も新たな開業時期は示されていません。東海道新幹線は、老朽化や南海トラフ地震等により長期不通となるリスクを抱えています。東京、名古屋、大阪を結ぶ大動脈を二重系化するリニア中央新幹線は、国土強靱化、地方創生、国際競争力の観点からも、我が国の将来を左右する国家プロジェクトです。政策評価の観点からも、当初計画と現状を冷静に分析し、一日も早い開業に向けた工程を示すべきです。国としてJR東海任せにせず、関係自治体との調整を含め、責任ある関与を強めるべきです。
早期開業の見通しについて、国土交通大臣に伺います。【質問⑥】
次に、花粉症対策について伺います。
今や花粉症は、日本人の二人に一人が罹患するとも言われる国民病です。労働生産性の低下、医療費、医薬品費などを含む社会的損失は極めて大きく、民間研究機関によれば、経済損失は一日当たり約2,450億円、一か月では7兆円に上るとの推計もあります。政府は2023年に花粉症対策に関する閣議決定を行い、総合的な取組を進めていますが、社会的損失の大きさに見合う実効性が問われています。
農林水産省が開発を進めてきたスギ花粉症緩和米は、20年以上研究が続けられ、安全性確認など一定の成果が得られながら、いまだ実用化に至っていません。2010年度に約5億5,000万円、2011年度に約6億500万円の予算が計上された時期もありましたが、継続的な予算措置は十分とは言い難く、研究成果が国民生活の改善に生かされていないのではないかと考えます。研究を続けてきた以上、出口戦略を明確にする責任があります。
政府は、これまでの研究成果をどのように評価しているのか【質問⑦】、実用化に至っていない要因をどう分析しているのか【質問⑧】、農林水産大臣に伺います。
また、当初はご飯としての実用化を目指し、その後、医薬品としての開発へ重点を移してきましたが、医薬品に加え、機能性食品としての実用化も並行して検討すべきではないでしょうか。
早期実用化に向けた新たな検討を進める考えはないのか、農林水産大臣に伺います。【質問⑨】
次に、米価と食料システム法について伺います。
昨年来高騰していた米価については、備蓄米の放出による価格上昇の抑制効果は限定的でした。足元では過剰在庫圧力等から米価が低下し、秋以降の新米価格の大幅下落も懸念されています。消費者にとって米価下落は歓迎すべき面がありますが、生産者が再生産を維持できない水準まで価格が下がれば、我が国の主食であり、食料安全保障を支える米づくりそのものが持続できません。必要なのは、消費者に過度な負担を求めず、同時に生産者が将来にわたり安心して生産を続けられる適正な価格形成です。本年施行された食料システム法は、食品等の持続的な供給を実現するため、取引の適正化と、合理的な費用を考慮した価格形成を進める法律です。価格上昇時だけでなく、価格下落時にも、生産者と消費者の双方にとって望ましい価格形成が図られるよう運用されるべきです。
政府は、生産コストも踏まえた適正な価格形成を実現するため、同法をどのように運用していくのか、農林水産大臣に伺います。【質問⑩】
最後に、ナフサについて伺います。
中東情勢の緊張緩和等を背景に、原油やナフサの国際価格は一時的に落ち着きを取り戻しましたが、先週米・イラン暫定和平合意が機能不全に陥ったことにより不透明感が強くなっています。塗料、樹脂、包装材など、ナフサを原料とする製品価格はなお高い水準にあります。多くの中小企業や国民生活への影響は続き、今後価格の動向は予断を許しません。私は6月の本会議代表質問において、燃料価格抑制策の対象にナフサを加えるべきではないかと質問しましたが、再質問の総理答弁は、「“現時点では” 対象に加える考えはない」との内容でした。
政府は、再び中東情勢が緊迫化しているこの局面でも、ナフサを対象に加える考えはないのか、改めて経済産業大臣に伺います。【質問⑪】 また、ナフサ製品は我が国産業を支える基礎素材であり、経済安全保障の観点からも安定供給の確保が極めて重要です。ナフサ備蓄制度の創設に向け、どのような検討を進め、今後どのように具体化していく考えなのか【質問⑫】、経済産業大臣に伺います。
行政評価制度は、過去を振り返るためだけの制度ではありません。評価を国民への説明責任の起点とし、改善に結び付け、改善を成果に結び付け、その成果を国民一人ひとりが実感できる制度へと高めていくことを強く求め、私の質問を終わります。 ( 2,985文字 )
以 上