ニュースリリース
【衆本会議】岸田光広議員が所得税法等改正案に対する反対討論

岸田光広国対副委員長(衆議院議員/埼玉4区)は4日、衆議院本会議で議題となった所得税法等の一部を改正する法律案、自民党、公明党提出の修正案について反対、また、立憲民主党、国民民主党提出の修正案について賛成の立場から討論を行った。討論の全文は以下の通り。
国民民主党の岸田光広です。
初めに、岩手県大船渡市の山林火災は本日で7日目となります。依然として延焼が続いており、住宅にも広がるなど被害は拡大を続けています。岩手県によりますと、焼失した面積は4日午前6時の時点でおよそ2600ヘクタールに拡大しているとのことです。
この度の大規模火災にかかる災害等により、お亡くなりになられた方に謹んでお悔やみを申しあげますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申しあげます。また、消火活動に従事されているすべての関係者の皆様に感謝と敬意を申し上げます。
私は、国民民主党を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案、自民党、公明党提出の修正案について反対、また、立憲民主党、国民民主党提出の修正案について賛成の立場から討論します。
我々、国民民主党は、昨年の衆議院議員選挙において、手取りを増やすと訴えて有権者の皆様のご支持を頂き躍進をさせて頂きました。103万円の壁の撤廃において、我が党は、日本経済はデフレ経済から脱却できるか否かの分水嶺にあること、103万円の壁が労働供給の阻害要因となっていることを解消しようとするものだと訴えさせて頂きました。103万円の壁撤廃について国民の皆さんからの支持は、物価高等で苦しい生活を何とかして欲しいとの悲痛な声であると我々は、理解をしています。
基礎控除は、憲法25条の生存権にもとづき最低限の生計費には税金をかけないことが原則です。そのことで中間層を含めた全ての人に簡素な方法で取りすぎた税金をお返しする。消費を通じた経済の好循環を生み出し、壁をなくすことにより中立的な働き方ができる労働環境を作り出す。これらが、我が党が訴えさせて頂いた103万円の壁を撤廃しようとした本旨であります。
政府の当初の123万円に引き上げるという案は、引き上げ幅178万円を目指すという3党合意からはかけ離れていました。修正案の所得別引き上げ幅に4段階の差をつけ、複雑化させることは壁を壊して壁を作るようなもので、理屈に合わない所得制限をかけることには反対です。あるシンクタンクの調査では、一世帯あたり年間9万円もの支出増が生じております。物価高対策として、2万円の減税ではまったく足りません。年収200万円超の方への減税は2年間の時限措置ですが、恒久的な見直しで対応すべきです。財政規律を優先するあまり、国民生活を直視していないのではないでしょうか。予算フレームにこだわるあまり、改革の方向がずれてしまっているのではないでしょうか。今やるべきは、予算フレームを死守することではなく、国民のほうを向いた、手取りを増やし、経済を回す政策を作ることです。以上の理由から、「政府提出所得税法の一部を改正する法律案」、「自民・公明提出の修正案」に反対いたします。
次に、我が党と立憲民主党が合同で提出した修正案について、賛成の立場から討論いたします。
ガソリンの暫定税率は、出来てから50年が経ち、2009年にリーマンショックを受けて、当分の間ということで一般財源化されました。税は、理屈、根拠が重要でこれが納税者の納得感に繋がるものです。その意味において、ガソリンの当分の間税率はすでに課税の根拠を失っており、地方財政に影響を与えないように配慮した上で、一刻も早く廃止すべきです。
今、物価高で全国の皆さんが困っている。特に地方にお住まいの方々にとっては、通勤、買い物など車は生活になくてはならない必需品です。また、日本経済を物流の面で下支えして下さっている、エッセンシャルワーカーでもある、運送業の皆さんや、タクシー運転手の方々も、ガソリン価格の高騰に苦しんでいます。高知、長野などではリッター190円を越えており、一部では200円を超えているところもあります。また高いガソリン代が、すべてのモノの値段、サービス価格に転嫁され、物価高に拍車をかけており、中小企業、小規模事業者を中心に企業経営を圧迫しています。財政規律を守ることは、確かに重要ではあります。しかし、国民の暮らしを考えた時、今何が最優先事項かは、明白ではありませんか。
今回、103万円の壁が30年ぶりに動きました。大学生年代の就業調整対策についても、我が党の提案が取り入れてられ、特定扶養控除の要件が緩和されました。しかし、物価の上昇に賃金上昇は追いついていません。今まさに、デフレ脱却できるかどうかの瀬戸際です。国民に寄り添う対策を今こそ実行しなければなりません。
今回、自民党、公明党、国民民主党の3党の幹事長間で取り決めた、三党合意については残念ながら、実現することはできませんでした。しかしながら、私達は、決して諦めず、この2つの政策を今後も最優先政策として前に進めていく所存です。
私たち国民民主党は、引き続き「対決よりも解決」「正直な政治を貫く」といった結党以来の姿勢を堅持し、「手取りを増やす」経済対策をはじめ、国民の暮らしをよくする政策の実現に向け、全力を尽くしてまいることをお誓いして、私の討論とします。
ご清聴ありがとうございました。