2022.04.13-国会

【衆本会議】鈴木敦議員が「関税暫定措置法」及び「外為法」について質疑

 鈴木敦国会対策副委員長(衆議院議員/神奈川10区)は12日、国民民主党を代表し、衆議院本会議で議題となった「関税暫定措置法」及び「外為法」について質疑を行った。質疑の全文は以下のとおり。

関税暫定措置法及び外為法について質疑

令和4年4月12日
国民民主党・無所属クラブ
鈴木 敦

 国民民主党の鈴木敦です。私は会派を代表して、ただいま議題となりました関税暫定措置法の一部を改正する法律案、外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律案について質問します。

 質問に先立ち、ロシアのウクライナ侵略に対して最も強い言葉で非難するとともに、ウクライナの方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。ウクライナでは、無辜の市民が残虐に殺害される戦争犯罪が行われました。憤りを禁じえません。同時に、我が国にとっても許し難いことが、かつての旧ソ連、今のロシアで行われたことを我々は忘れてはなりません。いわゆるシベリア抑留です。第二次大戦後、50万人以上の我が国国民が旧ソ連により囚われ、奴隷的強制労働を強いられました。シベリアの極寒の地で満足な食事や休養も与えられず、5万人もの国民の命が奪われました。このような国際法違反の非人道的行為を将来再発さないためにも、後世に伝承し、風化させてはなりません。岸田総理はシベリア抑留についてどのような思いをお持ちでしょうか。シベリア抑留に関する今後の政府の広報活動についても併せてお伺いします。

 ロシアのウクライナ侵略により、エネルギーや食糧等の価格が上昇し、円相場の下落も国民の負担となっています。本法案による関税率の引上げは輸入者の負担を増加させ、価格転嫁を通して事業者や消費者に直接影響を及ぼします。関税率引上げの影響について総理にお伺いします。また現下の状況に鑑み、国民民主党でも緊急総合対策を策定しましたが、政府の経済対策についても併せてお伺いします。
本法案により暗号資産に係る規制が強化されますが、暗号資産は分散処理される特性から、本人確認と紐付かず、実態把握が困難との指摘があります。制裁強化の実効性について、財務大臣にお伺いします。
 ウクライナ侵略は中長期的に我が国の外交・経済・安全保障にも多大な影響を与えます。特に中国の動向を注視しなければなりません。西側諸国が依存度を下げていくロシア産の資源・エネルギーの獲得に中国が動くことは容易に想像できます。中国が狙うのは、ロシアに対する経済的な影響力を増大させ、中国の意向を無視できない程度にコントロールすることではないでしょうか。中長期的な中国のロシアに対する影響力拡大について、総理の認識をお伺いします。

 中国は「債務の罠」を伴う経済協力などにより、途上国に対する影響力を強め、さらには、ポスト・ウクライナ戦争を見据えながらロシアをも取り込み、資源、エネルギー、食糧などを自給できる経済圏の構築も視野に入れていると考えるべきです。
 一方、基軸通貨ドルへの依存度を下げることは、西側諸国の制裁の効果を削ぐことにつながります。ロシアは、クリミア半島併合以降、外貨準備に占めるドルの割合を下げる代わりに、人民元を大きく増やし、中国も1990年代以降、外貨準備のドルの比率を約8割から6割まで徐々に引き下げています。また、IMFによると、各国政府や中央銀行の外貨準備に占めるドルの比率は、この20年余りで10%以上低下しています。基軸通貨ドルの優越的地位の将来見通しと、ドルへの依存度低下が制裁の効果に与える影響、また、通貨システムが中長期的にドルと人民元に分散化・ブロック化していくのかについて総理の見解をお伺いします。

 デジタル人民元は決済においてswiftを介す必要がないとされます。自らの通貨で経済圏を広げていくことで、制裁の影響を減衰させることができます。中国は一帯一路などを活用し、デジタル人民元を途上国を中心に広め、今すぐには無理ですが中長期的には決済のサプライチェーンを構築することで、制裁の影響を受けない独自の国際決済網の構築も視野に入れていると思われます。
 また、デジタル人民元を決済で使用すれば、払う側、受ける側、動いた金額等、決裁情報が瞬時に中国当局に把握されることを意味します。中国はそれらの情報を統合・分析し、外交、安全保障など様々な戦略に活用できることになります。 
 将来的なデジタル人民元決済網の拡散が西側諸国の制裁及び経済安全保障に与える影響について、また、デジタル人民元拡散に対する対処方針について総理にお伺いします。

 昨今、日本、EUがロシア産石炭の禁輸に踏み切るなど、一段と制裁が強化されつつあります。しかし、我々は80年余り前の出来事を忘れ去ることはできないのであります。すなわち当時の我が国政府は、国際社会から石油・金属などの禁輸をはじめとしたありとあらゆる制裁を受け、国際連盟からの再三の非難にも耳を貸さず、あるいはこれを脱退した結果、南太平洋をはじめとするアジア全域に戦火を広げ、残虐極まる原子爆弾の投下を2度も受け、結果として数百万の同胞を失い、戦後しばらく国民に燦燦たる貧困生活を強いたうえ、北方領土を一方的に不法占拠されるに至りました。さらには、今現在に至るまで祖先より受け継いだ国土の守りを、一部外国軍隊に委ねなければならなくなったのです。

 我が国としては、ロシアによる国際法違反の残虐行為は、人類に対する挑戦として毅然と対応するとしても、ロシアに対して「かような行動をとり続ければ、ロシアという国家だけでなく、そこに住む1億4千万の国民生活に多大なる影響をもたらす」ということを、我が国の過去の経験に照らしてしっかりと伝え、翻意を促すべきではないでしょうか。これが、我が日本が取りうる、我が国独自の、最も効果的な平和的外交手段であると考えますが、岸田総理のご見解を伺います。

 本法案はロシアに対する制裁の効果を高めることが目的ですが、ロシアに対してだけでなく、国際法に違反し、一方的な現状変更を試みようとするいかなる国に対しても、そのような行為を絶対に許すことはないとの強い意志を表明し、私の質問といたします。ご清聴ありがとうございました。

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