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ニュースリリース

【参本会議】田村政調副会長が「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」について質疑

 田村まみ政調副会長(参議院議員/全国比例)は19日、参議院本会議において、「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」について質問しました。質問内容は以下の通り。

本会議質疑

国民民主党・新緑風会
田村まみ

 国民民主党・新緑風会の田村まみです。

 ただいま議題となりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問いたします。

 菅総理は前回2回目の緊急事態宣言の解除を決定した3月18日の会見で、再び緊急事態宣言を出すことがないよう、しっかりと対策を行うのが自身の責務だと語り、1)飲食の場での感染防止、2)変異ウイルスの監視体制の強化、3)感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施、4)安全・迅速なワクチン接種、5)次の感染拡大に備えた医療提供体制の強化を5つの柱としていく考えを示しましたが、5つの対策はどれだけ進んでいたのでしょうか。進んでいたのであれば、3回目緊急事態宣言の発出や延長には至らなかったと思いますが、総理、この5つの柱の具体的手段、それぞれの目標数値と完了期限と現時点での進捗を定量的な形でお示しを願います。

 また、総理のおっしゃるこの5つの柱の対策を「しっかり」と行わない限り緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の発令の繰り返しでは、経済を止めてしまうことになり国民の生活と命は守れません。安全安心の国民生活なくして「安全安心のオリンピック」にはたどりつきません。5つの柱の具体的な進捗状況を踏まえたうえで、オリパラ開催の判断の指標を総理にお伺いいたします。

 今回、後期高齢者の窓口負担割合が見直されることで生じる、現役世代の負担抑制額は2022年度で720億円にとどまります。忘れてはならないのは、現役世代の負担が増加し続けるという状況は変わらないということです。2割負担の対象となるのは、年収200万円以上かつ所得28万円以上の方とされていますが、これは後期高齢者の所得上位30%に過ぎません。率直に言って、今回の改革だけでは現役世代の負担軽減には不十分ですし、制度の持続可能性が確保されていません。現役世代は所得に関係なく3割を負担していることを考えると、2割負担の対象者を今後も拡大する必要があるのは明らかです。

 報道によると、総理は当初年収170万円以上の後期高齢者を2割負担の対象にする意向だったと伺っております。総理は、今回の見直しだけでは改革として不十分であり、対象者の更なる拡大が不可欠であるとの認識をお持ちなのでしょうか。率直な見解をお伺いします。

 今回の窓口負担の見直しについては、「施行に要する準備期間等も考慮する」との名目で、施行日が「令和4年10月1日から令和5年3月1日までの間において政令で定める日」とされました。医療保険財政が極めて厳しい状況にある中、なぜこのような幅を持たせる必要があったのでしょうか。

 また、施行日については、どのような会議体・メンバーで検討するのでしょうか。検討のプロセスやスケジュールに関する現時点での想定について、厚生労働大臣の見解をお伺いします。

 健保連が4月に公表した集計結果によると、後期高齢者支援金の負担増やコロナ禍による保険料収入減等の影響により、今年度は健保組合の約8割が赤字になるとされています。また、現役並み所得の後期高齢者の医療給付費には公費負担がなく、その分は現役世代からの支援金による負担となっているため、現役並み所得の対象者を拡大しようとすると、逆に現役世代の負担が増えていくという矛盾した状況が生じる構造となっています。健康保険組合の赤字の増加は、健保組合の解散に直結です。こうした懸念に対し、政府としてどのような対応を行うのか、厚生労働大臣の見解をお伺いします。

 厚生労働省の医療保険部会では、窓口負担割合の見直しだけでなく、市販品類似の医薬品の保険給付の在り方や、金融資産等の保有状況を反映した負担の在り方などについても議論が行われましたが、結局、「引き続き検討」というお決まりのフレーズで先送りにされてしまいました。

 政府は、セルフメディケーションを推進するため、税制面での対応を進めてきましたが恒久化されることなく、対象商品も分かりづらく残念ながらあまり利用されていないのが現状です。また、医療用医薬品のスイッチOTC化も少しずつ進められてきましたが、スイッチ後も医療用医薬品には保険が引き続き適用されるため、OTC医薬品より大幅に低い負担額で手にできます。

 医療保険部会の過去の議論では、OTC化された医療用医薬品については、保険適用から外すのが本来あるべき姿ではないかとの指摘もあり、医療保険財政の現状を考えると、今すぐ実行に移すべき課題であると考えます。セルフメディケーション税制の在り方とスイッチOTC医薬品の拡大による、セルフメディケーション推進による医療保険の適正化について、総理の所見をお伺いします。

 また、マイナンバー制度の活用も重要になります。マイナンバー法では、マイナンバー制度の目的の一つとして「公正な給付と負担の確保」を掲げています。マイナンバーカードの普及とカードの利便性を高めることはもとより、早期に行うべきことは、マイナンバーを活用することで、個人の金融資産や緊急所得を正確に把握し、それに応じた負担を求め、真の意味で能力に応じた公平な保険料負担・窓口負担を実現することです。総理の見解をお伺いします。

 本法案では、社会保険料の免除要件に関する見直しもわれることになりますが、育児休業取得の際、従来からあった月末日要件は維持されることとなっています。先般、本院を可決した育児介護休業法改正案では、新たに創設される出生時育児休業制度を含め、育児休業を最大4回に分割して取得できることになりますが、月末日を狙い打ちした恣意的な育児休業取得が行われる懸念がぬぐえません。

 特に社会保険料の企業負担を免れたい使用者側が労働者を誘導し、使用者・労働者双方の合意の下、制度趣旨と異なる恣意的な育休取得が行われることが懸念されます。

 このような社会保険料免除を目的とした育児休業取得が行われないよう、政府としてどのような対策を取るのか。厚生労働大臣の見解をお伺いします。

 そして、本法案では予防・健康づくりの強化のため、40歳未満の被保険者が受けた事業主健診の情報について、保険者が取得できる規定を整備することとしています。各保険者が、効率的・効果的な保健事業を実施する上では望ましい改正ですが、実効性には疑問が残ります。今回の改正で、市町村国保も加入者の事業主健診情報を取得できることとなりますが、市町村国保は被用者保険と異なり、加入者がどの事業所で働いているか把握することは困難です。

 40歳以上の加入者を対象とする特定健診についても同様の課題があると想像しますが、市町村国保は加入者が働いている事業所の情報をどのように把握するのでしょうか。また、加入者が働いている事業所の情報を現在どの程度把握できているのでしょうか。厚生労働大臣にお伺いします。

 また、今回の改正は、労働安全衛生法上、事業所に実施義務のある健康診断であれば、全ての労働者が受診しているという前提で議論されたものと推察します。しかし、事業主健診についても事業所の規模や業種によっては受診率が低くなっており、保険者による加入者の健康状況の把握という当初の目的が達成されない事態も生じ得ます。特定健診と異なり、労働安全衛生法に基づいて行われる健診は、事業所側だけでなく、労働者側にも受診義務が課せられています。しかし、そのことを知らない労働者も多いのではないでしょうか。

 政府が予防・健康づくりの取組を強化する上では、まずは事業主健診を受けることが労働者の義務であることを強調する必要があると考えますが、厚生労働大臣の見解をお伺いします。

 医療保険制度は、生まれてから亡くなるまで付き合うことになる我が国において最も身近な社会保障制度です。一方で被保険者・保険者・制度が分かれ複雑ですが、国民の皆様にも議論に参画して頂き所得格差・世代間格差解消を目指す提案・改善をし、持続可能な医療保険制度の実現していく決意を申し上げ、質問を終わります。