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ニュースリリース

【衆本会議】玉木代表が総理訪米報告について質問

 玉木雄一郎代表(衆議院議員/香川2区)は20日、衆議院本会議において、総理の訪米報告について質問しました。質問内容は以下の通り。

【コロナ対策】

 総理、10都府県に適用されているまん延防止等重点措置は、感染の予防にも拡大抑制にも効果が出ていません。そもそも、まん延防止等重点措置は、緊急事態宣言との差がわかりにくく中途半端で、その創設に国民民主党は反対しました。少なくとも感染の「波」が立ち上がり始めた段階での効果は薄いことがはっきりしてきました。もはや、大阪等に加え東京など首都圏にも早急に緊急事態宣言を速やかに発令すべきです。総理の見解を伺います。

 変異ウイルスは感染拡大が早く、重症化しやすいと言われています。医療崩壊を避けるためにも、病床確保が喫緊の課題です。総理がリーダーシップを発揮して、現在5月中とされている「病床・宿泊療養施設確保計画」の見直しを前倒しすべきです。できないのなら、なぜできないのか、その理由を明確にお答えください。

 経済・社会活動に対する規制が長引いており、飲食業に限らず、事業者の経営に深刻な影響が出ています。国民民主党は4月2日に国会に法案を提出しましたが、地域や業種を問わず、事業規模に応じて家賃や光熱水費などの固定費を支援すべきです。総理の考えを伺います。
 予備費で支出を決めた低所得世帯への給付金について伺います。ひとり親家庭ですら早くて5月と伺いました。総理が方針を表明した3月16日から1ヶ月以上経ちましたが、低所得のふたり親世帯には一体いつ支払われるのでしょうか。せっかく予算を付けたのだから、待っている低所得の家庭に一刻も早く届けるべきです。遅すぎます。

 先が見えないのはワクチン供給も同じです。本会議の前にファイザー社のブーラCEOのSNSを見て驚きました。4月17日には「日本の総理大臣と追加供給について議論した」とだけ記す一方で、4月18日には「EUに本年中に追加で1億本供給しトータル6億本となる」と記しています。本当に9月までに必要な量のワクチン確保ができるのか甚だ疑問であることは指摘しておきたいと思います。

【日米首脳会談】

 日米首脳会談について伺います。

 共同声明に約半世紀ぶりに「台湾」が明記されたことは歴史的ですが、安全保障で米国と緊密に連携しつつ、中国との経済的結びつきを維持することは、今後とも可能だと考えているのでしょうか。対中外交に関する菅政権の基本方針を伺います。共同声明に台湾が明記された以上、台湾有事の際、日本はより重い責任を負うと考えます。台湾有事は、自衛隊が後方支援を行う「重要影響事態」となり得るのでしょうか。また、米国のインド・太平洋軍司令官は3月9日に上院の公聴会で「6年以内に中国が台湾を侵攻する可能位がある」と証言しましたが、自衛隊の最高指揮官である菅総理は同様の想定をしているのか、併せて認識を伺います。

 我が国固有の領土である尖閣諸島について伺います。中国海上保安機関の海警局に武器使用を認めた海警法の施行からまもなく3ヶ月となる中、尖閣諸島周辺での中国海警船による挑発行動が急増しています。尖閣防衛に万全を期すためにも、海上保安庁への支援と情報収集などの警戒監視活動を自衛隊の本来任務とする自衛隊法の改正が必要です。国民民主党は海上保安庁法の改正も検討した上で法案を国会に提出する予定ですが、総理の見解を伺います。

 一方で、偶発的な武力衝突を避けるために日中の防衛当局間の「海空連絡メカニズム」を的確に機能させる必要があります。特に、防衛当局の幹部間で直接通話できる「ホットライン」の開設を急ぐべきです。3月29日に開催した年次会合で協議したと承知していますが、「ホットライン」開設の見通しをお聞かせください。

 オリンピック・パラリンピックに関して、総理は「科学的、客観的な観点から、安全、安心な大会を実現すべく、しっかりと準備を進めてまいります。」と述べました。仮に、東京で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されていても、安全、安心なオリンピックは実現できると総理はお考えでしょうか。また、コロナ対応を理由に五輪への医師や看護師の派遣要請を断ったり、人数を減らす病院も出ています。延期前には約1万人とされた五輪に必要な医療従事者の数は、一体何名を想定しているのでしょうか。そして、コロナ患者対応やワクチン接種に多くの医療関係者が駆り出されている中で、安全、安心な大会開催に十分な医療スタッフの確保は本当に可能なのか、総理の見解を伺います。

 人権外交について伺います。中国新疆ウイグル自治区やミャンマーなどで起きている民族迫害行為は許されるものではなく、自由や平等という人類の普遍的価値を守らなければなりません。外国での虐殺や強制労働など、重大な人権侵害に対し、出入国制限や資産凍結などの制裁措置を可能とする人権侵害制裁法、いわゆる「日本版マグニツキー法」を制定すべきです。併せて、上場企業の行動規範を定める東京証券取引所のコーポレートガバナンス・コードに「環境」とともに「人権」に盛り込むよう、政府として促すべきです。総理の見解を伺います。

 総理は米国シンクタンクでの講演で「主権に関する事項や、民主主義、人権、法の支配などの普遍的価値で譲歩する考えはない」と述べ、「中国側の具体的な行動を強く求めていく」と強調されたそうですが、そうであれば、中国側に行動を求めるだけでなく、我が国としても行動を起こすべきときです。人権や民主主義、法の支配という普遍的価値を守るためには、対話と協調だけでなく具体的な「行動」が必要です。国民民主党は、人権外交を推し進め、経済安全保障に万全を期すため、これからも主体的で現実的な提案を続けていきます。総理に改めて「行動」を求めて質問を終えます。