ニュースリリース
国民民主党第6回定期党大会 玉木雄一郎代表挨拶(全文)
5日、第6回定期党大会が行われ、玉木雄一郎代表(衆議院議員/香川2区)は党を代表して挨拶した。全文は次の通り。
国民民主党の定期党大会にご参加の皆さん、ネット中継をご覧いただいている党員・サポーター、そして全国の皆さん、ありがとうございます。本日、こうして全国から集まってくれた仲間の皆さんに、代表として心から感謝を申し上げます。
そして、ご多忙の中、ご臨席いただいた連合の芳野会長、経団連企業人政治フォーラムの片野坂会長はじめ、来賓の皆様に、深くお礼申し上げます。
まず最初に、率直に申し上げなければならない現実があります。
今年2月の衆議院議員総選挙で、私たちは28議席という結果に終わりました。選挙前の議席は上回ったものの、104名の候補者のうち多数の候補者が涙を飲んだことも事実です。急な選挙だったことは間違いありません。しかし、結党当時の我武者羅さをいつしか失い、どこか守りに入っていたのではないか、これが私自身の一番の反省でもあります。結党から5年。私たち国民民主党も、知らず知らずのうちに新鮮さを失い既存政党の一つと見なされるようになっていたのではないか。今こそ、「つくろう新しい答え」、この結党時に定めた原点に立ち返る必要があります。本日の党大会を、国民民主党をアップデートし、新たな時代の変化に対応できる国政政党に進化させるための第一歩にできればと思います。自らをアップデートできない政党に、日本のアップデートを任せることはできません。
■ 政策は正しかった。だから今度は「力」をつける。
私たちが訴え続けてきた「手取りを増やす」政策は、決して間違っていませんでした。30年ぶりに103万円の壁を178万円に引き上げる。50年ぶりにガソリン暫定税率を廃止する。大胆な投資減税を実現する。自動車の環境性能割を恒久的に廃止する。これらはすべて、参院選・衆院選で国民の皆さんからいただいた「議席」という力を梃子に、実現に繋げることができた政策です。いずれも当初はとてもできないと言われていた政策です。
しかし一方で、従来の自民党ではできなかったこれらの政策を高市内閣が取り入れたことで、政策の同質化が進んだことも事実です。そして、自民党が衆議院で310議席を超える大勝をした今の政治状況では、少数与党と交渉して政策を実現していく手法にも限界が出ています。
ならば、今後、私たちがやることは明確です。3つあります。まず、もう一度、自民党では出せない国民の希望と安心を生み出す「新しい政策」を打ち出していくこと。そして、その政策を分かりやすくシンプルなメッセージで伝えていくこと。最後に、その政策を実現できる「地力」を徹底的につけること。今年度の活動方針の核心はこの3つにあります。
■ 「地力」をつける―自治体議員700名が必達目標
そのための具体的な目標と数字を今からお示しします。
まず、最優先の目標として、来年の統一地方選挙終了までに、現在約340名の地方議員を700名へ倍増させます。これを党全体で実現する「必達目標」とします。まずは、各都道府県連ごとの擁立目標を定めて、本部、地方組織あげて候補者擁立と当選に全力を傾けます。
地方に根を張る議員がいてこそ、国民の思いを汲み取り、地に足のついた党勢拡大ができます。地方議員は、全国津々浦々で国民民主党の旗を立て、活動を続けてくれる大切な仲間です。皆さんの活動こそが、党勢拡大の土台です。
あわせて、党員・サポーターを10万人にする目標を掲げ、国民民主党を「自分たちの政党」と感じてくれる仲間を全国に広げていきます。そのために、党員・サポーターとなっていただくメリットをより明確にして分かりやすくお伝えするとともに、党員・サポーターの皆さんとの連絡・連携体制を強化していきます。
そして、来年の統一地方選挙で地方議員の数を倍増にした上で、2年3か月後に迫った参議院選挙で勝利を収め、国民民主党の交渉力・政策実現力を高めていきます。そのために、公認候補者の選定を先手先手で進めます。あわせて、衆議院の総支部長選定も前倒しで行い、日常活動を強化します。
■ 「未来先取り政党」として党をアップデート
国民民主党は結党から6年目に入りました。この節目に、改めて、国民民主党は、何のために存在するのか。誰のために政治をするのかを見つめ直します。
「給料が上がる経済の実現」「自分の国は自分で守る」「人づくりこそ国づくり」この基本政策は変わりません。しかし、時代は急速に変化しています。国民民主党を結党した2020年9月、チャットGPTも、米国の関税も、ホルムズ海峡の事実上の封鎖もありませんでした。AIが産業と社会を変え、そして、安全保障環境も激変する中、結党時に掲げた綱領や具体的な政策が、この変化に追いついているのか、今一度、私たちは虚心坦懐に点検しなければなりません。
そこで、党の綱領や政策の総点検を行うため、若手の国会議員と地方議員を中心とした「未来先取りチーム」を立ち上げます。各界の次世代をリードする有識者にも参画いただき、年内を目途に、党の綱領と政策を総点検してアップデートし、2040年に目指すべき国家像を示していきます。その際、党員・サポーターの皆さんの声を幅広く丁寧に聞きます。現場の声を政策に反映させてこそ、国民民主党らしい将来ビジョンになると考えています。
「未来先取り政党」は、看板だけであってはなりません。政策の中身を、そのヴィジョンを紡ぐ言葉を、次の世代に響くものへとアップデートしてまいります。
■ 地方組織を「党勢拡大の前線基地」として強化
目標を掲げるだけでは絵に描いた餅になります。それを実現する組織力が必要です。
先日、鳥取県連が立ち上がったことで、ついに47都道府県全てに県連組織ができました。しかし、地方組織の実態は都道府県によって大きく異なります。体制が整っている県連もあれば、まだ脆弱な県連もあるのも事実です。この差を埋め、全国で党勢拡大を図る体制整備を行うことが、党本部の役割です。
そのため、党本部主導で、SNS研修、選挙対策研修、コンプライアンス研修などを定期的に行います。自治体議員が一堂に会する場も設けます。体制が弱い県連には、近隣県連や党本部が支えるブロック単位の仕組みも構築します。
広報においても、動画やバナーの制作にAIなど新しい技術を積極的に活用し、よりタイムリーで効果的な発信へとアップデートしていきます。
■ 「対決より解決」の姿勢は不変
国会での活動方針についても申し上げます。
私たちは今後も「対決より解決」の姿勢を貫きます。与野党を問わず、政策ごとに一致できる政党とは連携し、国民生活の向上のために「政策本位」で働きます。
特に、イラン情勢の緊迫化に伴う経済状況の悪化には迅速に対応することが必要です。放置すれば物価高と景気後退が同時に起こる「スタグフレーション」に陥る可能性があります。賃上げの流れを持続し、日本の潜在成長率を引き上げる新たな経済政策を政府・与党にも積極的に提案し、「有事に強い国民民主党」として、国民生活の下支えに貢献・協力していきます。
また、現在、社会保障国民会議では、給付付き税額控除や食料品消費税ゼロについての議論が始まっていますが、この国民会議の場を通じて、我が党が選挙で訴えた「社会保険料還付付き住民税控除」の実現を図ってまいります。食料品消費税ゼロについては、農業者や飲食店への悪影響など具体的な懸念を伝えていきます。
その際、昨年12月18日の自民党高市総裁との合意に明記した「所得税の人的控除の抜本改革」についても、国民民主党が議論を先導します。年少扶養控除の復活などにとどまらず、複雑になった税制をシンプルにすると同時に、現役世代や子育て世代の頑張りが正当に報われる制度に抜本的に改革していきます。
■ 仲間の皆さんへ
ここにいる皆さんは、厳しい選挙を共に戦った仲間です。結果が出ない中でも地元で地道に活動を続けてくれている仲間もいます。その姿は私たちの誇りです。
政治は、一夜にして変わるものではありません。しかし、着実に積み重ねれば、必ず変えられる。「103万円の壁」も最初に提案した時にできると思った人は多くなかったでしょう。でも、実現したのです。国民民主党という政党が誕生し、議席を増やし、動き続けたから、我々の政策、「新しい答え」が実現したのです。
今年度、私が皆さんにお願いしたいことは、たった一つです。
それぞれの地元で、一人でも多くの仲間を増やしてください。選挙は熱伝導です。自らの情熱を言葉や行動に乗せて、動いて、動いて、歩いて、歩いて、その熱を伝えてください。党員・サポーターの皆さんも、その熱を冷ますことなく誰かに伝えてください。地方議員を一人増やすこと、党員を一人増やすこと、それが積み重なって「地力」になり、次の選挙の勝利につながります。
高市政権が衆議院選挙で大勝した今は、正直しんどい時だと思います。しかし皆さん、こんな言葉があります。
「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」
今は下に下に根を張って、「地力」をつけていきましょう。それは私たちのための「地力」ではありません。今日も懸命に頑張っている国民の皆さんのための政策を実現するための「地力」です。
私たち国民民主党は、毎日毎日、ご自身のため、家族のため、子どものために懸命に働いている生活者、納税者、そして働く者のための政党です。
この原点を、もう一度胸に刻み、
生活者の安心と、
納税者の納得と、
現役世代の希望をつくるために、
「地力」をつけていきましょう。
今日も、国民民主党の政策を待ってくれている人がいます。
道半ばの政策も山のようにあります。
だからこそ、国民民主党は踏ん張らなくてはならないのです。
心を燃やし奮い立たせ、共に頑張ろうではありませんか。
私たちは、「未来先取り政党」としての輝きを取り戻さなくてはなりません。そのために、政策をアップデートし、伝える力を磨き、そして選挙に勝ち抜く「地力」をつけていこうではありませんか。
◾️ 引き継ぐ思い
最後に、国民民主党の黎明期を支え、そして鬼籍に入られたお二人の言葉を紹介して私の挨拶の結びとします。
まずは、岸本周平さんが残してくれた言葉、「ふつうの人から豊かになろう」です。毎日頑張っている、でも目立つわけでも、賞賛されるわけでもない、そんな真面目に働くふつうの人々の応援団になりたい、そんな思いのこもったこの岸本さんの言葉をもう一度、皆さんと共有したいと思います。
所得の如何にかかわらずみんなを豊かにしたいという思いが「ふつうの人から豊かになろう」の「から」に表現されています。誰かの犠牲の上に誰かの幸せを作るのではなく、みんなで豊かになろう。この考えが「現役世代から豊かになろう」という私たちが選挙で訴えた言葉にも引き継がれています。「右でもなく左でもなく、みんなで一緒に上へ」この思いを改めて皆さんと確認したいと思います。
そして、大塚耕平さんの言葉です。「正直で、偏らない、現実的な政治」結党宣言に書き込まれたこの言葉こそ、私たちの原点であり、そして、今の日本の政治に、いや世界の政治にとっても必要な姿勢です。大塚さんと書いた結党宣言にはこう記されています。「何が『正しい』か、何が『正義』か。価値判断は人によってまちまちである。だからこそ、議論の前提となる事実を公開・共有し、熟議を尽くし、決まったことを遵守し、権力を抑制的に運用する、それが民主主義の基本である。事実を隠蔽し、熟議を避け、権力を濫用する政権では、民主主義を守れない。私たちは今、民主主義の危機に直面している。」その通りです。
皆さん、私たちは国民民主党です。素晴らしい先輩たちが残してくれた貴重な思いを組織のDNAとして引き継ぎ、国民民主党を国民民主党として大きくしていきましょう。
全国に国民民主党の政策を待っている人がいます。そんな方々の思いに真っ直ぐに向き合い、答えることができるよう、共に力を合わせて頑張っていきましょう。
一緒に「つくろう、新しい答え。」
ご清聴ありがとうございました。