ニュースリリース
国民民主党 代表定例会見(2024年7月18日)
【冒頭発言概要】
3点申し上げます。昨日、岸田総理が旧優生保護法をめぐる最高裁判決を受けて原告団に謝罪をしたことを、率直に評価します。日本国憲法が施行されて2年目の1948年に当時の衆参の全会一致で成立をした議員立法で強制的な不妊治療等が行われてきたことに対して、法律について違憲判決が出て、20年の除斥期間についても適用することが不適切だという判決が出たことについて、初めての行政のトップとしての謝罪であります。遅かったという批判は当然だと思いますが、ただ岸田総理が真摯に反省し謝罪したことについては評価します。
同時に先ほど申し上げた通り、元々この法律は議員立法で成立した法案ですので、行政府のトップである総理に加えて、立法府としても何らかの謝罪の意を示すことが必要だと思います。例えば謝罪決議を両院で行うといったことを検討していく必要があると思いますし、何より速やかな補償と救済のための新たな法律を作って、裁判をしていない方も含めて幅広く救済・補償ができる制度作りを急ぐ必要があります。私も超党派の議連の幹部を務めておりますので、できるだけ早く、多分新法になると思いますけれども、新たな救済と補償の法体系を整備していきたいと思います。西村智奈美・立憲民主党議員が座長としてこのワーキングチームを動かしていくことになっておりますけれども、わが党からは田中けん議員が厚生労働委員会のメンバーとしてこのワーキングチームに加わりますので、力を合わせて早期の救済、そして幅広い全面的な救済と補償に向けて国民民主党としても取り組んでいきます。
次に、午前中に堀井学・自民党衆議院議員の会館事務所と地元事務所に家宅捜索が入りました。これは公選法で禁じられている、本人以外の者が香典を支出したことについての捜索です。先ほど赤坂の議員宿舎を出てくるときも、議員宿舎の入口でもたくさんのメディアの方がいらっしゃいました。菅原一秀・元衆議院議員もこのことで取り上げられましたけれども、未だにこうした法令違反が行われている、しかも秘書に対してLINEで本人が指示をしていたということです。これはもってのほかというか、言語道断だと思います。
裏金問題が発端としてこのことが明らかになったと言われますけども、非常に密接に関係しています。要は使い道が分からないようにできるお金あると、香典などには領収書が要りませんからいくらでも出せるわけですし、香典を出したことを収支報告書に載せると「誰が持ってきたんだ」と、「本人が東京にいたのに持っていけないじゃないか」と裏がつきやすいので、裏側の支出としては最も好都合です。こういうことが明らかになってきたというのも、この間の裏金問題が問題視されたことの一つの結果だと思います。堀井議員以外にも同じようなことが行われている可能性がありますので、ぜひ捜査当局としては厳しく追及してもらいたいと思います。こういったことがなくなるように、与野党を超えて襟を正していかなければならない問題だと思います。
最後に、先日トランプ前大統領が暗殺未遂で負傷されました。民主主義に対する極めて卑劣な挑戦であって、しかも選挙期間に入る重要な段階での銃撃事件ということは、国を超えて制度を超えて、あってはならないことだと思います。強く非難したいと思います。
また同時に日本でも、安倍元総理が銃撃されて命を落とされるということがありました。警備の強化がその後図られていますけれども、一つアメリカと違うなと思ったのは、(アメリカでは)カウンタースナイパーが置いてあって、狙撃があることを前提にカウンターで狙撃する。そういった担当を置いてあるというのも、日本ではなかなか難しいかもしれませんけれども、何らかの防御の体制は強化していかなければならないのではないかと強く感じました。財務省に勤務していたときに、ネタニヤフ首相が前の在任時に日本を訪問されたときに相当警備を厳しくやりましたが、日本の警備体制はどうしても緊急避難や正当防衛という刑法の範囲の中でしかできないということで、果たして要人警護のあり方としてそれでいいのかと疑問を持ったこともありました。改めて、何が起こるかわからない状況になっている中で、警護のあり方についてカウンタースナイパーを設置することも含めて考えていく、検討することが必要ではないかと思いました。トランプ前大統領が無事で良かったということと併せて、亡くなられた消防士の方にご冥福をお祈りを申し上げます。