国民民主党 つくろう、新しい答え。

ニュースリリース

国民民主党 代表定例記者会見(2021年5月13日)

【冒頭発言概要】

 緊急事態宣言が延長になり、対象地域も拡大しました。香川なども蔓延防止の適用を求めてきています。緊張感、危機感もって感染防止につとめなければなりません。我々がいくつか提案してきた政策が実現してきています。ずっと言ってきた抗原検査による検査拡充に関しても、キットを配り無症状者も含めて早期に感染者を洗い出す「積極的検査」の方針に検査戦略を見直したことは評価したいと思います。(検査対象は)有症状者対象というが、倦怠感があっても対象にするということなので事実上幅広く、無症状も含めチェックすることができます。積極的に実施をしてもらいたいです。

 都内感染者の6割近くが30代以下、20代の基礎疾患なしの人が死亡するなど、若年層でも感染が広がって死者が出るような状況にあります。病院に入れず自宅で亡くなる方も出てきています。予算委員会でも医療逼迫状況などの全体像を把握すべきだと指摘したが、再度強く、国に全体像の把握求めます。

 オリンピック・パラリンピックについて、衆参予算委でも話題になりました。これまでの会見では質問に答える形で提案してきたが、今朝の政調会議で我々の現時点での考え方をまとめたので、それを話したいと思います。

 五輪まで約70日となった中で、少なくとも外国人観客入れないという形で準備が進み、日本人観客も6月中にどうするかを決めるということでしたが、本来昨年3月に安倍総理が延期を決めた際には「完全な形でやる」と言っていたはずです。つまり規模を縮小せず、観客にも一緒に感動を味わっていただく形が望ましいということだったが、これは現状どうも達成できそうにありません。
 ある種不完全な形でこの7月にやろうとしているが、それでも開催できるのかどうかについては、多くの国民が疑問に感じているので、国民の命と健康を守ることを最優先に3つの視点からまずは検証をすべきだと思います。

 1つは、コロナで逼迫する医療提供体制の負担がどれくらいあるのか。

 2つ目は、国会でも取り上げたが、追加の財政負担、特に国民負担が生じるような形にならないのか。チケット収入は入ってこないし、感染症対策で余計に支出を伴うので、当然当初の予定より収支が悪化するのは明らかな中で、それが国民負担につながるのかを検証しなければならない。

 そして3つ目に、実効性ある感染症対策やいま問題となっている水際対策がきちんととれるのかどうか。

 少なくともこういった3点から、国民の命と健康を守ることを最優先に検証し適切に判断することが重要だと思います。そのために、医療関係者を含む第三者機関を速やかに設置して、今月中に現段階での予定通り7月に開催できるかを検証すべきだと思います。その上で、難しいということであれば、再延期を決めるべきだということを提案したいです。

 具体的にはまずワクチン接種。感染が広がって延期を決めた去年の3月30日の全国の感染者数は100人を下回っていた。現在は5000人、6000人規模で感染者が出ています。冷静に考えればなかなかできないということだが、ワクチン接種が進み始めているので、仮にワクチン接種が政府が言うように順調に進めば、1年くらいたてば、かなり状況が改善していると考えられますし、何より医療関係者に対する負担が非常に低下していると思います。

 そういった医療提供体制への負担が軽減されるという期待や、あるいはアスリートファーストの観点から、酷暑を避けるという意味でも、来年秋に開催するということも一案として、われわれとしては再延期を提案します。

 開催判断は最終的にIOCだと総理は言っているが、契約71条に「予測できない困難が生じた場合、組織委は合理的な変更を考慮するようIOCに要求できる」と規定されているので、昨年延期を決定したように、実質的な権限は我が国にあると思われます。命と納税者負担に責任を持つ総理としては、合理的な変更が必要だと判断した場合には、再延期をIOCに求めることを求めていきたいです。

 また、オリパラアプリについて。73億円かけて作られるアプリについてもいろいろな問題があると伊藤孝恵副代表が国会で指摘しました。もともと外国人観客などのためのアプリですが、外国人観客を入れないということがことが既に確定しているのであれば、これをこれから五輪後も外国人観光客だけでなく、国民に対しても旅行するときのデジタル証明書アプリとして利用するなど提案しています。このまま、五輪のためだけのアプリとして開発を進めるのでは壮大な無駄が生じるのではないでしょうか。

 せっかく、デジタル庁の関連法案が成立しても、いまだにこういう非常に無駄なことをしているし、似たようなシステムが経産厚労組織委でも開発されているという話もあります。縦割りを乗り越えるためにできたデジタル庁、デジタル関連法案が機能するか早速不安です。厳しくチェックしていきたいと思います。

客観的検証を行い、オリンピック・パラリンピックの再延期を求める