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ニュースリリース

【衆本会議】向山好一議員が副首都整備法に対する反対討論で登壇

 向山好一議員(衆議院議員/東京4区)は15日、国民民主党を代表し、衆議院本会議で議題となった副首都整備法に反対、大都市法改正案に賛成する討論を行った。討論の全文は以下のとおり。

【副首都整備法案に反対し、大都市法改正案に賛成する討論】

国民民主党 向山好一

 国民民主党の向山好一です。
 私は、会派を代表し、ただいま議題となりました「国家社会機能継続性確保施策及び副首都に係る施策の推進に関する法律案」に対しては反対の立場から、大都市法改正案に対しては賛成の立場から討論を行います。

 まず申し上げたいのは、私たちは「副首都」の必要性そのものを否定しているわけではありません。私は阪神・淡路大震災を経験した神戸を地元としております。あの震災のとき、首都東京の機能が維持されていたからこそ、国全体が復旧・復興を支えることができました。東日本大震災、熊本地震、そして能登半島地震も同様だと思います。だからこそ、首都直下地震など国家的危機に備え、東京を補完する危機管理拠点を整備することは重要だという認識を強く持ち、私自身も民主党政権時代、危機管理都市としての副首都法案の策定に携わりました。
 しかし、本法案は、残念ながらその理念とは大きく異なっているといわざるを得ません。
 以下、反対の理由を述べます。
 まず大切なことは、「副首都」の役割りには国家の危機管理、安全保障の視点が欠かせないということです。ところが本法案には、その視点よりも、特定の地域制度改革を実現するための政治的意図が色濃く反映されています。審議を通じても明らかになったように、本法案の制度設計には、「大阪都構想との一体化」を強く意識した経緯が残っています。副首都という国家的課題に、地方自治制度の変更を結び付ける合理的な理由は最後まで示されませんでした。
 国家百年の計であるべき副首都整備を、一地方の制度改革のツールとして利用することは、国民の理解を得られるものではありません。
 第二に、本法案は「首都」と「副首都」の定義が極めて曖昧です。首都とは単に行政機関が集積する場所ではありません。国家の中枢機能とは何を指すのか。どこまで移転し、どこまで代替するのか、審議を通じても曖昧のままです。その根幹が曖昧なまま制度だけを作ることは極めて無責任です。
 第三に、本法案は巨額の財政負担について何ら具体的な説明を行っていません。交通インフラ、行政中枢機能、都市整備、産業支援、税制措置など、法案には多くの施策が列挙されています。しかし、それが総額いくら必要なのか。国民負担や地方負担がどの程度生じるのか。何一つ明らかになっていません。
 これだけの国家プロジェクトでありながら、費用の見通しすら示さず法律だけを成立させることは、財政に対する責任ある姿勢とは言えません。
 第四に、本法案は副首都を複数指定できる構造となっています。複数指定となれば、それぞれにバックアップ機能を整備する必要が生じます。これは結果として二重、三重の行政投資を招きかねません。二重行政の解消を掲げてきた政党が、その理念と整合するのか、大きな疑問が残ります。
 そして最後に、本法案の目的には「多極分散型国家経済圏の形成」が掲げられています。しかし、多極分散とは、特定の二都市を強化することではありません。東京と大阪の「ツインエンジン」ではなく、全国各地域がそれぞれの特色を生かして発展する「マルチエンジン」の国家を目指すことこそ、本来あるべき「多極分散型国家経済圏の形成」ではないでしょうか。その意味でも、副首都だけに政策資源を集中する本法案は、多極分散という理念とも整合しているとは言えません。
 副首都整備は、国家の危機管理であり、安全保障であり、国民全体のための政策でなければなりません。だからこそ、特定の政治課題や地域事情から切り離し、超党派で合意できる制度として構築すべきです。
 さらに申しますと、大都市制度改革には、一つの正解しかないわけではありません。特別区制度を選択する地域もあれば、政令指定都市としての一体性を維持しながら権限と財源を一元化する「特別市」という選択を望む地域もあります。重要なのは、どちらの制度が優れているかを国があらかじめ決めることではなく、それぞれの地域が自ら最も適した制度を選択できることであります。副首都という国家的役割を担う都市についても、特別区のみを前提とするのではなく、「特別市」も制度上の選択肢として位置付けることが地方分権の理念にかなうものではないか、このことも申し添えます。
 「副首都法案」、これは国の形を変える改革だけに駆け足で成立に向かうのではなく、一度立ち止まり丁寧に議論し、お互いに知恵を出し合い、真に国民全体の利益となる副首都制度にすべきではないか。このことを強く申し上げます。

 つぎに、大都市法の改正案、住民投票と公職選挙の同日実施禁止法案について討論いたします。
 本法案の目的は、民主主義の根幹である「公正な競争のもとでの選挙」と「住民投票の自由な意思形成」を守るためのものであります。住民投票は、住民が特定の政策について直接意思を表明する制度です。一方、公職選挙は、誰に意思決定を担わせるかを決める制度です。目的も、判断基準も異なる二つの制度であるからこそ、それぞれ独立した環境の中で、住民が冷静に判断できることが求められます。
 しかし、これらを同日に実施した場合、公職選挙に立候補する候補者や政党が、選挙運動と住民投票運動を一体として展開することが可能となります。例えば、知事選挙の候補者が、自らへの投票を呼び掛けると同時に、住民投票の賛否を訴えることができます。
 これに対し、公職選挙だけを戦う候補者や、住民投票だけについて活動する市民団体や関係者は、そのような一体的な運動を行うことはできません。
 結果として、一方は二つのテーマを同時に訴えることができる、いわば「二馬力」の選挙運動となり、他方は公職選挙だけ、あるいは住民投票だけという「一馬力」の活動を余儀なくされます。これは、政治的な主張の中身以前に、競争条件そのものが公平ではありません。
 公職選挙法は、選挙期間中の政治活動について極めて詳細なルールを設けています。それは、候補者間の公平性を確保し、有権者が公正な環境で判断できるようにするためであります。しかし、住民投票運動には、公職選挙とは異なるルールが適用されます。その二つが同時に進行することで、選挙運動と住民投票運動が実質的に融合し、公職選挙法が予定していない新たな不均衡が生じることになります。
 民主主義は、結果だけが重要なのではありません。その結果に至るまでの過程が、公平であり、透明であり、すべての参加者に等しい機会が保障されていることが不可欠であります。
 住民投票は、行政組織の将来を左右する重大な意思決定です。だからこそ、候補者個人の人気や政党支持と結び付けられることなく、制度そのものの是非について住民が判断できる環境を整えなければなりません。また、公職選挙も、本来問われるべきは候補者の資質や政策であり、住民投票の賛否が選挙全体を左右するような状況は、有権者にとっても適切とは言えません。
 本法案は、そのような混同を避け、選挙は選挙として、住民投票は住民投票として、それぞれ独立した民主的手続を保障するための制度整備であります。
 国民民主党は、「対決より解決」を掲げています。そのベースにあるものは「公正なルールにもとづく意思決定」です。制度改革において最も重要なのは、特定の政策や政治勢力に有利なルールをつくることではなく、誰に対しても公平なルールを整えることです。本法案は、まさにそのための法案であります。
 民主主義への信頼は、公平なルールによって支えられています。その信頼を守るため、本法案への御賛同をお願い申し上げ、私の討論といたします。
 ご清聴ありがとうございました。