ニュースリリース
国民民主党 幹事長定例会見(2024年5月31日)
【冒頭発言概要】
まず政治資金改革の問題です。今朝急遽、自民党と公明党で岸田総理と山口代表が話し合い、(パーティー券購入者の公開基準について)5万円で折り合ったと報道がありました。公明党とすると、がんばったんだと思います。公明党さんがこだわって20万円から5万円まで下げさせたのは、与党間では公明党が相当頑張って取るものは取ったんだと思います。山口代表はじめ公明党のみなさんの粘りや頑張りには一定の評価をしたいと思います。
驚いたのはその後、岸田総理と日本維新の会の馬場代表が会談し、(「政治資金制度改革に向けた合意事項」という書面に)署名したことです。詳細がどうなるかということはありますが、政治改革、「身を切る改革」に一番厳しかった維新があの3項目で全て了解となるのか。私はそうはとれませんが、これからどうなるのか。つまり、詳細が何も決まっていません。いつから5万円になるのか、そして先ほど(政治改革特別委員会の)理事会で配られたらしい「政治資金規正法の一部を改正する法律案に関して」というペーパーを見ると、8カ所も「検討」「検討」です。まだ何もやると決めていません。維新さんがこれで法案に賛成することは、私の経験上ないんじゃないかと思います。しかも委員長が職権で月曜の委員会を立てて、国民、立憲のみならず維新の皆さんも抗議して退席したと聞いています。来週まで予断を許さないと思います。私も二十数年この世界にいますが、ときどき政治資金規正法改正や政治改革の問題は出ますが、ずっと失敗しています。なぜ失敗するかと言うと、平成の政治改革を主導された佐々木毅先生が明言しています。なぜ今回このような大失態が起きたのか、それは「細部にこだわらなかったから」だと。「細部に悪魔が宿る」とのことです。5万円にしますと、ではいつからやるのか。すぐやったらいいじゃないですか。ずるずると先延ばしにして、経過措置を設けると言いますが、こんなものに経過措置などいりません。やるかやらないかです。政策活動費についても、上限を設定して10年後に公開というのが自民党と維新さんの約束ですが、では上限はいくらなのか。なぜ10年なのか。10年ひと昔と言いますが、10年たったらその政治家や政党があるかもわかりません。こういう細部を詰めないでなぜ維新さんがこれに合意してしまったのか。維新には尊敬する方が多く、しかも政治資金や「身を切る改革」には一番厳しく、結党の原点だと思っています。その党がこの3項目で署名に至ったというのは、まだ説明を聞いていませんが、これからの報道を注視していきます。
我々は毅然と対応していきます。この中身では甘いです。検討ばかりで。これをしっかりやれば今回の不正が起こらなかったのか、そこが一番の基準だと思います。文通費についても、国民民主党と維新の会が各党に先んじて文通費の公開を行っていますが、これも岸田さんと馬場さんの合意事項によると「衆参議長の下に協議の場を作る」とのことです。岸田さんはいつも「国会のことは国会でお決めになってください」と放置しますが、本当に衆参議長がやるのか。何も担保されていません。率先して公開すると言い切るならいいですが、これでは第三者に丸投げです。とてもこれでは、私は詰めが甘いと思います。職権で(委員会が)立っていて各野党がそれに抗議していますから、月曜日までどうなるか分かりません。わが党はこのままでは賛成できないし、与党がどういう提案をしてくるのか、それを待って古川国対委員長のもと月曜日の対応を考えていきたいと思います。この中身で野党が賛成することは、私はないと思います。何度も申し上げますが、全く詰めが甘い。佐々木毅先生がおっしゃるように、細部を詰めなかったら不正はまた起こるんです。ザルを作っても水はたまらないんです。穴をふさがないと。その対応を月曜日まで待ちたいと思います。
日曜日に静岡県知事選挙があり、みなさんのご支援とご指導を賜って、我々が推薦した鈴木康友候補が見事に7万7千票の差をつけて勝利しました。関係各位、県民のみなさまに心から感謝申し上げます。選挙が終わればノーサイドです。立候補された他の5名の候補者のみなさんが勇気をもって立候補してくださったおかげでいい議論ができ、さまざまな県の問題点や課題、また県の魅力を発見することができました。鈴木康友知事におかれましてはともに戦った他の5名の分まで、ぜひ慈しみの心をもって県政運営をしていただきたいと思います。
ただその後気になるのが、蓮舫さんが都知事選に出るそうですが、静岡県知事選挙を引き合いに出し、静岡県知事選挙でも自民党に勝ったから出るようなことを会見でおっしゃっていました。悪いですけど静岡県知事になった鈴木康友さんは、自民党が推薦した大村さんとも競いましたが、共産党の公認候補とも戦いました。(蓮舫さんは)真っ先に共産党の都議会の控室に行って花束をもらって一緒に頑張りましょうとおっしゃっていましたが、鈴木康友さんは自民党推薦候補とも共産とも明確に戦って勝ったんです。そして、人生最後の勝負だと言って退路を断ちました。蓮舫さんの会見も拝見しましたが、蓮舫さんも退路を断ってやるのかなと。まさか選挙の後、もし負けたら衆議院選挙に出ますなどということはないと思いますが、そのへんも注目して、首都東京の大決戦ですから、我々もしっかり態度を決めていきたいと思います。