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ニュースリリース

【参本会議】竹詰ひとし議員が子ども・子育て支援法等改正案に対する質疑

 竹詰ひとし議員(参議院議員/全国比例)は17日、参議院本会議で議題となった「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」に対して質疑を行った。質疑の全文は以下の通り。


 「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」本会議質問
令和6年5月17日(金)

国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。
会派を代表し、ただいま議題となりました「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案」について質問いたします。

1.政府の少子化対策への期待、少子化トレンドの反転が実現できる根拠
答弁要求:岸田総理
・「こども未来戦略」は、「2030年までがラストチャンス」という強い危機意識の下で、「我が国の持てる力を総動員」して、従来とは「次元の異なる少子化対策」を実施するために策定されました。
・財源の一部としてあらたに創設する子ども・子育て支援金制度については、実質的な負担が生じるものではないと説明されています。一方で、日本世論調査会の世論調査では、岸田政権の少子化対策に期待しない、の回答が73%でした。
・我が国の持てる力を総動員しようとしているに、なぜこれほど国民に期待されていないのでしょうか。子ども・子育て支援金は実質的な負担がないと政府は説明しているのに、なぜ国民の期待が高まっていないのか、岸田総理の認識をお聞きします。
・また、「こども未来戦略」により少子化トレンドの反転が実現できる根拠をお示しいただき、期待しないと思っている人が、それなら期待できるとなるよう説明をお願いいたします。

2.子ども・子育て支援金制度について
答弁要求:岸田総理
・ライフステージを通した子育てに係る経済的支援の強化がされ、全ての子ども・子育て世帯を対象とする支援が拡充され、共働き・共育ての推進に係る制度も改善され、そして実質的な負担はないのであれば、満点ではないにしろ良いことばかりのはずです。
・支援金制度は総理が言われる「実質負担はない」、ということを国民が理解していないのでしょうか。「実質負担なし」は賃上げが前提になっているようですが、総理は賃上げを約束していただけるのでしょうか。総理、あらためて、子ども・子育て支援金には「実質負担はない」ことをご説明ください。
・支援金の徴収を、医療保険制度を活用することについては疑問、不合理、不整合、不適切などの反対意見が多数出ています。医療保険制度を活用することは、せいぜい止む無しと思う団体や人はいるかもしれませんが、絶賛する団体や人はいるのでしょうか。
・支援金は社会保険料なのか税なのか、それとも、どちらでもない別のものなのか。医療保険と一緒に徴収することが適切なのでしょうか、総理に説明を求めます。

答弁要求:加藤担当大臣
・次に子ども・子育て支援金の事業主負担の考えを伺います。
・支援金を事業主にも拠出を求める理由は何でしょうか。
・民間事業主拠出、そして公務員共済の場合の使用者側拠出、それぞれの考えを加藤大臣に伺います。

3.スウェーデン並みについて
答弁要求:岸田総理
・政府は「加速化プラン」を実施することにより、我が国のこども・子育て関係予算は、こども一人当たりの家族関係支出で見て、OECD トップ水準のスウェーデンに達する水準となり画期的に前進する、としております。
・この「スウェーデン並み」という水準の根拠は、これまで委員会等で「国際比較に値しない独自の計算式を用いたもの」「でたらめ」だという旨、指摘をされています。総理、改めてこの「スウェーデン並み」の根拠をご説明ください。

4.児童手当と所得制限について
答弁要求:加藤担当大臣
・児童手当の拡充について、高校生年代までの延長と所得制限の撤廃が示されています。
・国民民主党はかねてより「延ばし」「増やし」「外す」ことが必要と主張してまいりました。私たちは児童手当の支給年齢を18歳まで延長し、金額は一人一律1万5千円とし、所得制限は撤廃するべきと考えています。それは「子どもの学びや育ちに線引きは必要ない」からです。
・第3子以降のみに支給額を月額3万円に増額する考えが大変残念に思います。
・3人以上子どもがいる世帯は、子供がいる世帯のうち13%です。おそらく3人以上子どもを持つ世帯の割合が今後飛躍的に高くなるとは見込めないのではないでしょうか。
・子どもを3人以上持つことはもちろん歓迎することではありますが、我が国にとっての少子化対策は「一人目の子どもから」が最も喫緊の対策ではないでしょうか。
・一人目の子どもから児童手当を増額しない理由、第3子以降のみに増額する理由を、加藤大臣お答えください。
・また所得制限について、今回は児童手当の所得制限が撤廃されることは了と考えますが、所得制限は様々な給付や障害児福祉、奨学金などにも及んでいます。異次元の少子化対策としてすべての所得制限の撤廃をすべきと考えますが、加藤大臣の見解を伺います。

5.両親ともに育休を取得した場合について
答弁要求:武見厚労大臣
・両親ともに育休を取得した場合について伺います。
・男性の育児休業の取得促進のため、両親ともに育児休業を取得した場合に支給する「出生後休業支援給付」の創設により、育児休業給付の手取りを10割相当とすることは歓迎します。
・ただし、その期間は最大28日間の「産後パパ育休」の期間に限られています。
・この期間について、厚生労働省・雇用保険部会での議論では、労働者代表委員から、出産後の母体が安静にすべき期間が6週間から8週間でとされることも踏まえ、産後パパ育休の期間に限定するべきではないとの意見がありました。また、公益代表委員から、産後パパ育休の期間を念頭に置いた引上げが、男性は産後パパ育休を取れば十分との誤ったメッセージになることを懸念する意見、使用者代表委員から、ある程度幅を持たせた制度設計を検討してもよいのではないかとの意見が、出されていました。
・産後パパ育休に合わせた28日間を限度とした理由は何でしょうか。また、男性は産後パパ育休を取れば十分との誤ったメッセージとならないよう、武見厚生労働大臣に説明を求めます。

6.こども誰でも通園制度について
答弁要求:加藤担当大臣
・新たに創設される「こども誰でも通園制度」は、今年度実施されている試行的事業では、補助上限が1人当たり10時間とされました。
・時間が短すぎるとの指摘を受け、本法律案では、令和8年度からの制度化においては、「10時間以上であって体制の整備の状況その他の事情を勘案して内閣府令で定める時間」として、結論が先送りされています。
・こども誰でも通園制度の意義は賛同しますが、10時間という上限を設定した理由や、それで本当に期待される効果が実現できるのか、加藤大臣に伺います。
・また、保育園等に通っていない0~2歳児の未就園児は約182万人程度とされています。全てのこどもの育ちを支援するためには、希望する全員が利用できる実施体制の整備が求められますが、体制の整備について今後の取組方針を、加藤大臣ご説明ください。

7.ヤングケアラー支援・ダブルケアラー支援について
答弁要求:加藤担当大臣
・ヤングケアラー支援の法制化については、我が党の伊藤孝恵議員が先頭に立ってずっと求めてきたことであり、率直に評価いたします。
・子ども・若者育成支援推進法の改正により、国及び地方自治体等による支援の対象としてヤングケアラーが明記され、地方自治体間の取組格差の是正や、18歳前後での切れ目のない支援につなげていくこと、また、子ども・若者支援地域協議会と要保護児童対策地域協議会の連携促進も期待いたします。
・ただし、法律上、定義規定や努力義務規定を設けるだけでとどめたら、真にヤングケアラー支援になるか疑問です。地方自治体における取組格差の是正を含めて、ヤングケアラーへの支援を具体的にどのように行っていくのか、加藤大臣の見解を求めます。
・国民民主党は、4月10日、育児と介護の両方を担うダブルケアラーを支援する法案を参議院に提出しました。これまでは育児と介護は厚生労働省が担当していましたが、「育児」がこども家庭庁に移管され、新たな縦割りとなっていることを懸念します。ダブルケアラーへの対応について、これまで政府からは「厚労省やこども家庭庁を始め、関係省庁が連携しながら総合的に取組を進める」といった答弁を受けていますが、どのように育児と介護、すなわち「こ家庁」と厚労省をはじめ関係省庁が連携した取組を実施していくのか、加藤大臣に伺います。
・ダブルケアの実態調査については、平成27年度に実施された内閣府調査から既に8年余り経過しています。我が党は再三にわたり、実効的な負担軽減策を実施していくためにも、現在の実態調査を政府に求めてきました。ダブルケアの実態把握を是非実施してください。加藤大臣の見解を求めます。

国民民主党は、寄せられた一つ一つの声を受け止め、引き続き、対決より解決の姿勢で取り組むことをお誓いし、質問を終わります。