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ニュースリリース

【衆本会議】鈴木義弘議員が産業競争力強化法等改正案について質疑

 鈴木義弘幹事長代理(衆議院議員/埼玉14区)は5日、衆議院本会議で議題となった産業競争力強化法等改正案について質問を行った。質問の全文は以下の通り。

本会議 令和6年4月5日
国民民主党・無所属クラブ 鈴木 義弘

国民民主党・無所属クラブを代表して、法案の質問を行います。
日経平均株価は先月、四万円台に乗り、また、先月、公示価格が公表され、地価の全国平均は前年より二.三%上昇、コロナ禍以降の日本経済に明るい兆しが見えてきたと感じる一人です。
しかし、地元を廻ると、様々な業種の経営者や個人からは、経済の明るさを打ち消す実状を聞きます。皆一様に、景気が上向いていると感じていないことが窺われます。
 大企業が儲かれば、いずれ、中小零細・個人にもその恩恵が流れてくる、十年前のアベノミクスでトリクルダウンが起こるからもう少し待ってくれ、ワイングラスを三段に積んで上段にワインを入れたら、上段のグラスがいっぱいになって、二段目、三段目と降りてくるといわれていた、と記憶しています。しかし、一向に降りてこない。よく見たら、グラスの大きさが皆同じではなく一番上段のグラスが一番大きくて、それでも二段目、三段目のグラスの関係者は我慢して、人一倍働いて、何とか事業を継続して生活を送ってきた。そのグラスを支える足が一段と細ってきているのが現在の状況と感じています。
 そのような状況の中で、産業競争力強化法等の一部を改正する法律案が提出されました。
この法案は、結果として、中小零細事業者を淘汰させて産業構造を激変させようと考えているのか、お尋ねします。
また、今回の法改正案は、米国のインフレ抑制法IRAをはじめ、ヨーロッパやアジアで自国の産業を守るための立地産業政策に対応するものと考えるが、結局、各国の補助金や税額控除の競争合戦に入っていくものと考えるが、それをやり続ける国力がわが国にあるのか、お尋ねします。
 世界に先駆けて進めてきた米国の電気自動車がここにきて、米国内での生産だけを対象にしていた補助金に対してぬけ道があり、海外産の電気自動車にシェアを奪われている。さらに、日本のハイブリット車の燃費が良いので乗り換える消費者が増えていると聞きます。ある国の電気自動車も保有台数の割合は大きいものの、不具合が多く、廃棄して処分しているとの話も聞きます。本改正案は、先行投資を促進させるものと理解するが、日本国内では電気自動車等、グリーンスチール、グリーンケミカル、SAF、半導体に多額の税額控除額を予定しているが、形を変えた補助金にしか見えない。さらに、税額控除の対象となっている分野はGXに関連するものが中心となっているが、他の分野や産業にも拡大する考えがあるのか、お尋ねします。
 例えばグリーンスチール普及には、サプライチェーンの可視化、デジタル化が必須であると言われているが、鉄鋼業界における重要書類の一つにミルシートがある。このミルシートが今でもアナログ対応が中心であり、ミルシートの添付間違いによる再輸送コストの増加等、たとえグリーンスチールが構築できたとしても、川中や川下では相変わらずアナログの商習慣となっていればGXは程遠く、この民間サイドの不作為がボトルネックになるとの懸念が残るといわれているが、政府の対応をお尋ねします。
 法改正案では、産業競争化基盤強化商品の生産・販売量の増加が対象であるが、原材料調達・部品加工・組立・検査・物流・販売といった製造に係るサプライチェーン全体を税制の対象にしないと、結局この法改正で恩恵が受けられるのは一部でしかないと考えるが、政府の見解を求めます。
 スタートアップやディープテック・スタートアップ支援事業がうたわれているが、何が将来有望な技術かどうか、誰が現場で判断するのか。目利き人材はもう育ったのか、目利き人材の育成制度を政府は構築できたのか、お尋ねします。