ニュースリリース
国民民主党 代表定例会見(2024年1月23日)
【冒頭発言概要】
能登半島地震に関して、1月5日に与野党党首会談をしたときに総理にも申し上げましたが、これから復旧のフェーズに入っていく中で、被災者生活再建支援制度に基づく支援金の上限をぜひ引き上げるべきです。というのは、物価高騰、資材価格の高騰があります。現に大阪万博の建設費も1.9倍になっています。現行、全壊の場合は100万プラス200万の上限300万というものを、600万円に引き上げようと、浜口政調会長代理を中心に法案をまとめて了承を得ているところです。この度、立憲民主党と日本維新の会の政調会長が話をして、ほぼ一緒にやっていこうということでまとまりましたので、今日の12時から三党の政調会長が集まって、わが党が主張していた300万を600万円に引き上げることを柱とする、被災者生活再建支援法の改正案を共同で提出したいと思います。
合わせて、今まで基礎支援金と言って、全壊の場合は100万円+200万万円のうち100万円ですが、この基礎支援金は中規模半壊の方には0円だったんです。やはり今回非常に大きな被害が出ております。幅広くその交付対象を緩和をして中規模半壊の方にも基礎支援金を、額については50万円ぐらいを考えていますが、今まで0だった中規模半壊の方にも基礎支援金を出していく。こういったことを柱とする被災者生活再建支援法の改正案を、党派を超えて提出していきたいと思います。ぜひ与党にも協力をいただいて、成立を図り、被災者の生活支援、再建支援を速やかに行っていきたいと思っております。
なお明日は予算委員会があり、わが党からは田中健委員が質問に立ちます。こうしたことも改めてOneVoiceで政府に求めてまいります。
次に政治資金の改革について、昨日自民党の政治刷新本部で骨子案がまとまったということで、見ました。まだ途中段階ということですが、率直に言って中途半端な気がします。岸田総理が早々に自分の派閥の宏池会を解散する、それに次いで二階派、安倍派も解散が決まったということで、派閥政治から脱却するという観点で、派閥を解消するのは一つの対応のあり方です。必ずしも本質的な今回の問題の解決策ではないものの一つの解決策と思っていましたが、残る派閥もあり、派閥の全面的な解消を指示するわけでもないということです。結局派閥は残るし、この状態だと名前を変えて新たな派閥も生まれてくると思います。派閥の解消によって問題を解決するというやり方については、きわめて中途半端だし、ほとんど効果を発揮しないと思います。ただ、昨日の案を見ると派閥のパーティーを禁止すると書いてあったので、それは半歩前進かと思います。
徹底的に具体性が欠けているのは、今回も問題となった、政治資金の入りと出の徹底的な透明化についです。検討項目に上げるくらいで、具体的にどうするかが書かれていません。たとえば、いわゆる政策活動費の使途は公開しないままなのか。あるいは不記載をした場合に会計責任者のみならず本人も責任を問われるように、どのような形で法改正をしていくのか。そういった具体的な中身が見えません。この点については最終的な中身が出てから申し上げようと思いますが、今出ているものを見る限りは、再発防止につながるかきわめて疑問だと思います。国民のみなさんにも、これで自民党が変わっていくという期待を抱かせるものにはなっていないと思います。わが党は五つの柱の改革案をまとめておりますので、こういった主張もしながら、他の野党や公明党と与野党を超えて、踏み込んだ改革をしていく必要があると思います。
その前提として一番欠けているのは、真相の究明と説明がまったくなされていないことです。たとえば、数千万円の不記載があったと、今回立件されなかった人も言い始めています。たとえば三千万円ほど不記載だったので(政治資金収支報告書を)修正して載せると言いますが、使い道の方はどういう修正を載せるんでしょうか。三千万円を何に使ったかというのは、政治資金収支報告書の支出側の修正も必要です。その修正を書くのであれば、それは記者会見して外に説明できるものであるはずです。昨日辞任会見をした谷川弥一さんは飲食等に使ったと言っています。政治活動に使われる飲食なのか、個人としての飲食なのか判然としませんが、個人としての支出であればその分は所得税のかかる雑所得なので、課税の問題が出てきます。本来納税すべきものを納めていなかったことになります。これからいろいろな方が修正をしてくると思いますが、メディアの方々にも支出が何なのかと言うことは注目していただきたいし、国会の中でも場合によっては政倫審を求めて説明・釈明を求めていきたいと思います。予算委員会でも閣僚経験者や重要人物については証人喚問を求め、何に使ったのか厳しく聞いていかないといけないと思います。答えられなければ、脱税の問題もあり、また柿沢未途さんのように買収に使われることや、選挙運動員に対して上限以上の支払いを帳簿外で行うことにも使われているのではないかとも言われています。不記載については立件が一部にとどまりましたが、使い道の分析によっては新たな疑惑が出てくる可能性もあるので、不記載で言われている方々については説明を求めていきますし、説明しないと別の罪に問われる可能性があることは指摘しなければならないと思います。この問題は喉元過ぎれば熱さを忘れるではなく、しっかり改革していかないと政治に対する信頼が根底から揺らぐので、我々としても厳しく臨んでいきます。